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2011.12.20 告白
【告白】


ハンギョンは映画の撮影で撮影所にいた

今回は端役だったが、キーポイントとなる役がらだったので

それなりに作り込んで作品に臨んでいた

自分の出番は全て終了したが先輩達の演技を参考に見るために

撮影所に残っていた


「ハンクン・・・お母さんが倒れたそうだ・・」

マネージャーがハンギョンの耳元で囁く

「え?」

「弟さんから電話があって救急車で運ばれたらしい・・でも意識はあるそうだ」

救急車という単語にドキリとしたが「意識がある」という事でホッとする


「今監督に話したから・・・すぐに病院に行こう」


まだ撮影が残っている出演者とスタッフに丁寧に挨拶をすると

マネージャーの運転する車に飛び乗ってハンギョンは病院に向かった・・・






「母さん!!!!!!!!」

病室の扉をあけると点滴を受けて寝ている母親がいた

側には父親と弟もいる

「母さん・・・大丈夫なの?」ハンギョンは息を切らしながら父親に向かって尋ねた

すると


「やーねぇ・・・ちょっと過労で倒れた位でこの騒ぎ・・恥ずかしいわ」

ベットの中で母親が恥ずかしそうに答えた

ハンギョンは張り詰めていた気持ちがプツッとキレて・・・その場に座り込んでしまった

「とにかく良かった・・・」ハンギョンは泣き笑いの顔をしている・・・


「撮影の方はどうなんだ?」父親が心配そうに尋ねてきたので

「もう自分の出番は終わったから・・・明日もオフなんだ・・・」とハンギョンが答える


「久々だから今日は俺がここに泊るよ・・・たまには親孝行しないとね」

ハンギョンの言葉に母親は嬉しそうに笑った

「じゃあ私達は家に帰るから・・・明日には母さんも退院できるらしいぞ・・

明日私が迎えにくるまで・・・久々に親子水入らずで過ごすのもありだろう・・・」

父親と弟が笑顔で帰って行った

その様子を見て母親の病状が大した事じゃないとホッとする


ベットで寝ている母親と久しぶりに二人きりになって

ハンギョンは何を話したらいいのか悩みながら

映画撮影の話などをポツリポツリと話はじめた・・・・


母親はニコニコしながら話を聞いている




いつもそうだった・・・大人しくて控え目で働き者の母さん・・・

ハンギョンの稼ぎでオープンした餃子店が繁盛して

次々に支店を出すことになり・・・無理がたたって過労で倒れたようだ


「そう言えばあなたの幼馴染のウェンリー覚えてる?」

「俺・・小学校以来会ってないけど・・・元気なの?」

「この間結婚してね・・・今度パパになるんですって」

30歳近くなると幼馴染や学生時代の友人の結婚、出産の話は聞こえてくる・・・・

ハンギョンはなんて答えていいのか分からず・・・しばらく沈黙が流れる・・・


「あなたは・・・予定はないの? こんな世界で仕事していると婚期が遅れるのは仕方ないけど」


ああああああ・・・・ハンギョンの胸がズキズキと痛む・・・

やはり母さんには伝えないとダメだよな・・・・


「母さん・・・・ゴメン・・・」

「ん? 何謝るのよ・・・」母親は微笑みながらハンギョンの方を向いた

ハンギョンは母親の手を握ると真剣な顔で話し始める・・・

「母さん・・・俺・・・母さんに孫の顔を見せる事は出来ないんだ」

「・・・・・・・・・」

「俺・・・結婚して一生を共にしたい位 愛する人はいるんだけど・・・

孫は生まれないんだ・・・・」


母親はハンギョンの顔を見てクスっと笑うと・・・

「やはりそうなのね・・・・ヒチョルくんなんでしょ」

「え?」

「あなたが愛している相手って・・・・ヒチョル君なんでしょ」


ハンギョンがビックリして母親の顔を見つめる・・・


「私は何年あなたのお母さんやってると思ってるの?

あなたの考えなんか・・・ぜーんぶお見通しよ」


「最初に帰省した時に・・・初めてできた韓国の友人がヒチョルくんだって

すごく嬉しそうに話ししてたわよね・・・・・

それ以来帰省するたびに出てくる名前は「ヒチョル」・・・ばかり・・」


ハンギョンは自分がそんなにヒチョルの話をしていた自覚がなかったので

改めて言われると恥ずかしくて顔が赤くなる


「初めて南京のコンサートの時に会ってご飯食べた時に・・・

あなたのヒチョル君を見つめる目と

ヒチョルくんがあなたを見つめる目を見て・・・友達以上の思いを持ってるって

直感したわね・・・・」


「母さん・・・・」


母親はハンギョンを優しく抱きしめると

「私はあなたが幸せになれればいいの・・・

あなたの幸せにはヒチョル君が必要なんでしょ?

母親ってね・・・子供が幸せな顔で笑ってる姿が好きなの

あなたがヒチョル君を見つめて微笑む顔・・・・初めて見たわ

今までには私達には見せた事のない笑顔だった・・・・」


「母さん・・・・」

「これからいろんな事があるかも知れないけれど

ヒチョル君の手を離しちゃだめよ・・・・私達は大丈夫だから・・・

裁判取り下げたのも・・・ヒチョル君がいたからでしょ・・・」


ハンギョンは母親の胸に抱かれて小さい子供に戻ったように

安心感に包まれていた



そう・・・これから沢山の難題が俺達の前に立ちふさがっているだろう・・・

でも俺は負けない・・・・ヒチョル・・・お前の手を二度と離さない・・・・

絶対に2人で幸せになろうな・・・・


ハンギョンは母親に自分の気持ちを告白したことで

気分的にもすっきりした


「母さん・・・ヒチョルの事・・話してもいい?」

母親はニッコリと微笑むとハンギョンの頭をなでながら・・・

「おのろけ話かしら・・・一晩中つきあってあげるわ」


小さい子供に戻ったように、ハンギョンはいつまでも母親に話を続けるのだった








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【告白~ヒチョルside~】


ヒチョルは週末の休みを利用して

故郷の江原道に帰省していた

公益勤務は区庁での仕事なので規則正しい勤務となり

今までとは違って、土日は休みとなる


あと少しで実家に着く・・・という頃

ヒチョルは急に車を停めて大きなため息をついた・・・





数日前・・・・

「ヒチョル・・・元気してた?」

大好きなハンギョンからの電話に

ヒチョルは胸の高鳴りを覚えながら出る

「うん・・・お前も元気そうだな・・」

それから2人は近況報告などを語り合う・・・・

「あ・・ヒチョル・・・そういえば・・・母さんに言ったから」

へ?

「俺達の事・・・ちゃんと言ったから・・・でも知ってた」

ハンギョンは恥ずかしそうに笑いながら母親に告白した事をヒチョルに言った

「南京で一緒にご飯食べた時に・・・・多分そうじゃないかと気付いたって・・」

「あーっあん時・・お前さ~テーブルの下で俺の手・・握ったじゃん」


ハンギョンの両親の前で、珍しくヒチョルは緊張してカチカチになっていた

それをほぐすためにハンギョンはヒチョルの手をこっそり握ったのだ・・・

ハンギョンに手を握られて驚いたけど嬉しくて・・・・ついラブラブモードに入ってしまったっけ


ヒチョルはあの時を思い出して急に恥ずかしくなった


「母さんは応援してくれてたよ・・・・ヒチョルの手を絶対に離すなって・・・」

控え目で大人しくいつもニコニコしているハンギョンの母親の顔を思い出して

ヒチョルは嬉しさと申し訳なさで胸が痛くなる


次は・・・・俺の番か・・・・・






ヒチョルは両親へのお土産を購入し

全てを理解している姉に連絡して、今日故郷に帰省する覚悟を決めた


車の中から姉に電話をする

「あんた~どこにいるの? 着くまでにまだかかるの?」

姉のヒジンは声をひそめて電話をしている・・・電話から賑やかな気配が伝わってきた

「姉ちゃん・・・誰かいるの?」

「ヒチョル・・・今日カミングアウトする予定・・・微妙になってきたわよ」

「・・・・・・・・・・・・・」

「父さんが叔母ちゃんに話しちゃって・・・ヒチョルの帰省がひろまっちゃったの」


ゲーッ

ヒチョルは思わず頭を抱えた・・・


江原道から少し離れた都会のソウルで大活躍中の「宇宙大スター」の帰省

たまにしか帰省しないから余計・・・・ヒチョルが帰省すると分かると

親戚一同が集まってお祭り騒ぎになる


そしてヒチョルは叔母から渡された100枚単位の色紙にサインをしまくるのだった


あー・・・・今日はダメか・・・



「ただいま戻りました」

「うわ~ヒチョル兄さんだ~!!!!」

従姉妹にあたるソニョンが体当たりで出迎えてくれた

げっ・・・・おめーまた太っただろう・・・・倒れそうになるのを必死にこらえるヒチョル・・・


奥から叔母やら叔父やら従姉妹たち

はたまた近所の人達までわらわらと湧いて出てきてヒチョルを歓迎する

ひきつった笑顔で皆に挨拶をしてヒチョルは母親を探した


台所から姉のヒジンが出てきて

「一大決心したのに・・残念ね~」と楽しそうに笑う

そんな姉を睨みながらヒチョルは台所で料理を作っている母親を呼んだ


「母さん・・・ただいま~♪」

「せっかく帰ってきたのに、相変わらず賑やかでごめんね」

ヒチョルの母親はハンギョンの母とは対照的に

よくしゃべり、よく笑うとても社交的な人だった


「これ・・・母さんへのお土産・・・パックは毒蛇成分だって・・・」

「これ~テレビで見たわ~ちょうど興味あったのよね~

相変わらずヒチョルは母さんの事よーく分かってるわね~♪」

ヒチョルの頭をなでると嬉しそうにお土産のパックをながめている

「ちょうどいいとこに立ってるわね~この料理運んでちょうだい」




親戚が集まっての宴も終焉をむかえ・・・サイン色紙もなんとか終わらせ

みんなそれぞれ帰って行った・・・・



ヒチョルはもうヘトヘトだった

もう・・・今日は・・・いいや・・・・


めんどくさい事は後回しにする・・・そんな悪い癖が出てきて

ヒチョルは一大決心した心が揺れ動くのを感じている


お風呂からあがって、ヒジンが出してくれたビールを飲んでいると


「ヒチョル・・・何かあって帰省したんじゃないの?」

勘の鋭い母親がヒチョルの顔をみつめながら聞いてきた


「う・・・うん・・・あったけど・・・もういい・・・今度にする」

「こらっ!!!!!!!」

「また悪い癖が出てる!!!!めんどくさい事は後回しにして・・・収拾付かなくなって

そして周囲に泣きつくんでしょ・・・成長もへったくれもないんだから」

バシバシと毒舌をはく母親を見ながら

(俺って・・・母さん似なんだな・・・姉ちゃんもそうだ・・・物静かな父さんには誰も似なかったな)

よしっ!!!!!

ヒチョルは深呼吸をすると・・・

「俺・・・結婚したい人いるんだ・・・」と母親に向かって告げる

たまたま母親と姉とヒチョルしかその場にはいなかった

え?

母親はヒチョルに似た大きな瞳を

思いっきり見開いてヒチョルを見つめる

「今すぐじゃないよ・・・俺の公益終わってからだし・・・」


母親は黙ったままヒチョルを見つめている

(ここで相手がハンギョンって言ったらヤバいかな・・・)


「あのね・・・母さんに孫を見せてあげる事できないんだけど・・」

「・・・・・・・」

「結婚したい人って・・・・ハンギョンなんだ・・・」

一大決心してきたはずなのに・・・段々と声が小さくなっていく・・・・

「母さん? 大丈夫?」

ハッとすると母親はヒチョルの顔を見てケラケラと大笑いした

「冗談でしょと言いたいけど・・・本気なのね~

やっと決心したんだ・・・それよりプロポーズされたのね」


「母さん・・・相手はハンギョンだって・・・驚かないの?」

「何言ってるのよ!!!!!!!!ハンギョン恋しさにうつ病になりかかったのは誰????」


あっ・・・・・

「あの時本当に心配したんだからね・・・まさかあなたが精神的な病気になるなんて

誰も思わなかったから・・・まあ自分でも想定外だったんでしょうけど」


「よくこんな子と結婚したいって思ってくれたわ・・・貴重な存在よ」

どんどんとけなされ始めてヒチョルの気分は複雑だった

ふてくされた顔をして母親を睨むヒチョル・・・・

そんな顔をされても慣れっこの母は

「問題はおばあちゃんね・・・男と結婚したいなんて聞いたら・・・・

心臓とまっちゃうわね・・・・しばらくは内緒にしとかないと・・」

「結婚式するの? だとしたら~ドレス♪

あなた美人さんだからドレス似合うわよ~また今から楽しみ♪」


反対するどころか式のドレスの心配まで始めた母親を見て

宇宙大スターの母親は・・・やはり宇宙規模の心の広さなんだ・・・・

絶対に勝てね~な・・・ヒチョルは自分の事は棚に上げて

式の妄想にとりつかれている母親の顔をまじまじと見つめていた・・・・

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