上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
【時のはざまの中で~青春編】 無重力 

この話は「時のはざまの中で」の数年前、アカデミー大学校時代の話になります



「ハンギョーン♪」

ヒチョルが前を歩いているハンギョンに後ろから抱きついてきた

ん?

ハンギョンは背中にヒチョルを感じて思わず顔が綻ぶ・・・

「今度の授業って・・・空中遊泳だっけ?」

「ああ・・・無重力室での実習だったね」

「うわぁ~俺~超たのしみ~♪ 無重力って・・どうなんだろう」

嬉しそうなヒチョルを見て思わずハンギョンも笑顔がこぼれる

今にもスキップをしそうな位浮かれているヒチョル達の後ろから

どんよりとした雰囲気の2人組がきた


「カンイン・・・今度の授業って・・・・」

「あ・・あ・・・無重力の授業だよ・・・・」

「やっぱり・・・・」

イトゥクとカンインが嫌そうな顔をしてトボトボ歩いている


「イトゥク~どうしたの? なんか死にそうな顔してるじゃん」

ヒチョルが気付いて声をかけてきた

「お前こそ・・・絶対変だぜ・・・無重力の授業なのに」

カンインがボソっと言う

「?????俺って変????ハンギョン~俺って変かな????」

ヒチョルがハンギョンの顔を見て不思議そうに聞くと

ハンギョンは苦笑いしかできなかった







「はい!!!!みなさん!そこにあるベストを装着してください」

教官から言われて置いてあったベストに手を伸ばす・・・・

「うわっ~重い~なんだこれ」

「無重力室に慣れるまではおもりの入ったベストを着て下さいね

そうしないとクルクルしちゃいますよ」

みんなは言われるままにベストを装着して無重力室に入った

今はベストに縫い込まれているおもりのおかげでなんとか立ってられるが

足元が地面に着いてない浮遊感がしている・・・・


教官からある程度の説明を受けて実習に入った

「うわ~い♪ ハンギョン~面白いよ~」

「ヒチョル・・・あぶないから・・ほらちゃんと前をむいて・・」

さっさとベストを脱いで浮き上がっているヒチョルにハラハラしっぱなしのハンギョン

ヒチョルはハンギョンの心配にお構いなしで

さっさと空中遊泳状態に入っていった・・・・

「うわ~♪やっほーい♪」

ヒチョルは壁を蹴ったりしてあちこち飛んでいく

「ヒチョル・・・待ちなさい・・・」

危なっかしく飛び回るヒチョルを追っかけるハンギョン

ヒチョルはハンギョンが追いかけてきて自分を捕まえようとしているのに気付き

さらにスピードを上げて逃げ回った・・・・


ほとんどの生徒は地面近くでウロウロしていて

浮いても壁に取り付けられているパーを掴んでなかなか飛ぶ事ができないでいる

イトゥクも一度手を話したらクルクル回ってしまったので

怖くて手を離せないでいる・・・

カンインはまだ体重があるのでイトゥクよりは安定感があるけど

やはり怖くてパーの所から離れられないでいた

「ヒチョル・・・あいつ絶対変だよな~俺なんか地面に足付いてないと頭おかしくなりそうだ」

カンインの言葉にイトゥクはクスクス笑いながら続けて言う

「ハンギョン見てみなよ・・ヒチョルを心配してあの様子・・・ほんとに愛されているね」

2人はパーに捕まりながら、必死でヒチョルを追いかけているハンギョンを見ていた


教官のソヨンはヒチョルの空中遊泳を見ながら自分も飛んでいく

ヒチョルの横について

「あんまり最初からとばさなくていいわ・・・貴方が一番なのは分かったから」

「教官~だって面白いじゃないですか~」

「あのね・・・あまり飛びまわっていると重力のかかった場所に戻ってからの反動が大変よ

貴方は私みたいに経験ないでしょ・・・そろそろ休憩しなさい」

「はい・・・わかりました・・」

スピードを緩めたヒチョルにハンギョンは追いついてきて

後ろからヒチョルを抱きしめる

「捕まえた・・・まったく危なっかしくて見てられないよ」

ハンギョンに抱きしめられて嬉しくなったヒチョルは

ハンギョンの首に手をまわして軽くキスをした


「こら~!!!!!そこの2人!!!!!授業中いちゃついてんじゃない!!!!!」

もう一人の教官のジフンに怒られて2人は笑いあった


下の方でイトゥクとカンインがパーに捕まって

飛べないでいるのが目に入ったヒチョルは、ハンギョンに耳打ちする

「俺がイトゥクを連れて飛ぶから・・お前はカンインの手をひいてやってくれる?」

「そうだな・・・僕はヒチョルを追いかけるのに夢中で

いつの間にか遊泳が出来るようになったけど・・・今日は初回だもんね

みんな下の方でウロウロしてて普通なんだね・・・」



「イトゥク・・俺に捕まって」

ヒチョルがイトゥクの両手を握って地面を軽く蹴って飛びだす

「うわぁ・・・・待って~」

イトゥクはビクビクしながら引っ張られる

ゆっくりゆっくり遊泳状態に入るとイトゥクの顔が綻んできた

「面白いだろ?怖くないだろ?」ヒチョルが笑顔で聞いてくる

「うん・・・楽しいね・・・まだ自分1人ではバランスとれないけどね」

見ると横にはハンギョンに連れられてきたカンインもいる

ヒチョルはハンギョンにウィンクをすると

自分が握っていたイトゥクの手とハンギョンが握っていたカンインの手を握らせた


「じゃあね~後は2人で仲良くね~」

ヒチョルは2人に手を振るとハンギョンと一緒に飛び去ってしまった



カンインは思わぬ事態にちょっと嬉しかったりしたが

イトゥクと手をつないだままふわふわ浮いた状態のまま動けない

「カンイン・・・どうしようか・・・」

「とりあえず・・・なんとか下に降りれるように泳いでみよう」

「カンイン!!!!!俺の手を離さないで・・・怖いから・・・」


(俺の手を離さないで・・・)イトゥクの言葉に思わずニヤけてしまったカンイン

2人が空中遊泳をマスターするには

もう少し時間がかかった・・・・が・・・・

この日がきっかけでイトゥクとカンインの仲は急速に近づいていったのだった・・・
スポンサーサイト

【時のはざまの中で~青春編 チキチキレース争奪戦】前編


「ハンギョンのその肉旨そう~一口くれる?!!!」

アカデミー大学校の学食でヒチョルとハンギョンは仲良くランチを食べている

ヒチョルは今日はパスタな気分だと言って、自分はパスタを選んだのに

ハンギョンの焼肉定食の骨付きカルビに目が釘付け状態で

可愛い笑顔でおねだりしてきた・・・

ハンギョンはヒチョルにそんな風におねだりされたら

あげないわけにはいかない・・・

「はい・・・あーんして」

「あーん」ヒチョルの口に肉を詰め込んでやるハンギョン・・・

なんか・・・親鳥になった気分だ・・・とハンギョンは思う

すごくおいしそうに食べているヒチョルを見つめると

胸の中がキュンキュンと疼いてたまらない


はたから見ているとデレデレのパカップル全開の2人のもとに

カンインとイトゥクがやってきた


「相変わらず仲のいい事で・・・」あきれ顔のカンインに

「お前~そんな呆れた顔すんなら俺らのトコに来なきゃいいだろ?」

ヒチョルが嫌そうな顔をして言う

「そりゃそうだね」イトゥクがえくぼを見せながら微笑む

「カンイン・・僕たちに何か用があるんでしょ? 何?」

ハンギョンの問いかけにカンインは慌てて

「お前らこれ知ってるか?」

手に持っていたチラシを2人に見せた



『アカデミー大学校の生徒さん限定!!!

BHCチキン創立50周年記念!!!!チキチキチキンレース開催決定!!!!

優勝者には当店で1年間チキン食べ放題のフリーパスを発行!!!!』

チラシの中央にはオーナーの太めの男性がにこやかに微笑んでいる写真があった


「えーっ!!!!!チキン1年間食べ放題だって~!!!!!」

「このオーナー見た事ある・・・最近いろんな事業に手を出している

シン・ドンヒさんじゃないか・・・・」ハンギョンがチラシを手に呟くと

「俺~ここのチキン好き~!!!!!ハンギョン!!!!なんか知らないけどレース出ようよ~」

ヒチョルが1人で盛り上がって騒いでいる

その様子を見て、カンインはニヤリとしながら

「俺達と一緒にチームを作って出場しないか?」と言ってきた

「レースってどんなの?」ヒチョルが乗り気で聞いてくる

「宇宙船で月の周りをまわっている小惑星ルナに置いてあるモノを取ってきて

早く地球に帰還した組が勝ち・・・だって・・・」イトゥクが説明をする

「宇宙船? 宇宙船なんて俺持ってないよ~学校の借りられるのかな?」

ヒチョルが心配そうに言うと

「学校が協賛しているらしい・・・さっき教授に貸し出し許可もらってきた」とカンイン

「じゃあ・・宇宙船と宇宙服は借りられるわけだな・・・・

協賛ってことは・・・優勝すると成績にも加味されるのかな?」

ハンギョンが冷静に分析すると・・・

「俺・・・宇宙船操縦・・・赤点なんだ・・・取り返せるなら取り返したい!!!」

ヒチョルが騒ぐ・・・ハンギョンはそんなヒチョルを愛おしそうに眺めると

「優勝して加点がつくなら参加するよ」とカンインに向かって返事をした

「ハンギョン・・・サンキュ♪実はイトゥクなんて宇宙船操縦の禁止を教授から言われててさ」

「なんで~」ヒチョルが驚いて聞くと

「教授を横に載せた状態で・・・他のとぶつかって大破しそうになったんだ・・・

それ以来俺は操縦の実地訓練は禁止なの・・・」

苦笑いでイトゥクは答えた

「じゃあ・・また授業が終わったら相談しようぜ」

「ああ・・・教授に聞いておいて」

「了解~」

「またあとでね~」

カンインとイトゥクは学食から出ていった





「ヒチョル・・・約束してくれる?」

スパゲティを口いっぱいにほおばっていたヒチョルは

何事かと言う感じでハンギョンの顔を見つめた

「今回このレースに参加しても・・君は絶対に宇宙船を操縦しないって」

ハンギョンの言いたい事が分かってヒチョルは少し顔をゆがめた

「ヒチョルが赤点補講の時に、隣に補助で乗ったけど・・・寿命が縮んだ

君は本当に注意力が散漫で危なくて見ていられないよ」

ヒチョルはぶすっとした顔でハンギョンを睨んでいる

「そんな顔してもダメだからね・・・僕は・・君に何かあったら生きていけないんだから」

突然のハンギョンの台詞にヒチョルは顔を赤くしながら視線をそらす・・・

「・・・わかった・・・お前がそんなに言うなら・・運転しなくてもいい」

ハンギョンはヒチョルの手を握ると

「外の遊泳は得意だろう?飛行船の外に出て何かを持ってくるのはヒチョルの仕事にすればいいよ」

ヒチョルはハンギョンに手を握られ瞳を見つめられて・・胸が早鐘のようになっている

「ヒチョル・・・」ハンギョンに名前を呼ばれて

次は・・・キス? と心の準備をしていたら

「口の周りが生クリームだらけだよ・・・カルボナーラ食べたでしょ・・って皆に言われるよ」

あわててヒチョルはテーブルの上の紙ナプキンで口の周りを拭くと

「ハンギョンのバカ!!!!!!」と叫んで

怒って授業のある教室に行ってしまった・・・

残されたハンギョンは、どうして急にヒチョルが怒り出したのか分からないまま

2人分の食器を片づけて、ヒチョルの後を追っていった






【時のはざまの中で~青春編 チキチキレース争奪戦】中編


「エントリーはもう済ませてきた。宇宙船も宇宙服も手配はすんでる」

カンインはヒチョル達の前で意気揚々と話はじめる

「レースまであと一週間だよ。作戦練らないとね」

イトゥクはノートを開きながら話した

いつもの学食で4人はテーブルを囲みながら

お互いに調べて来た事を報告し合った



「俺から~発表します~♪

何か~すごいライバルがいるようです~♪」

ヒチョルが楽しそうに報告すると

「それって・・チャンミン教室のヒョクチェ達だろ?」

カンインがぼそりと言うと

「カンイン知ってんの? うちのユンホ教授のライバルのチャンミン教授!!!

さっき俺、絶対に負けるなって・・・ユンホ教授に言われた~」

「それって・・・なんかめんどくさい事になりそうだな」

ハンギョンが呟くと残りの3人も顔を曇らせる・・・


アカデミー大学校のユンホ教授とチャンミン教授は

仲がいいのか悪いのか学生達にはさっぱり分からない位

いつでもいろんな事を競い合っていた

今回のチキチキチキンレースには

いろんな教室から学生たちがエントリーしている

なのでチキンをかけての争いから、教室のメンツをかけての争いになりつつあった


「まずは・・宇宙船の操縦はカンインがメインでして僕が補助作業を行う

そしてルナに着いたらヒチョルがメインで外に出て品物を取ってくる

その補助にはイトゥクがあたる・・・そんな感じでいい?」

4人の顔を見合わせてハンギョンが言うと

「それが一番ベストな選択だな・・」カンインが言った

「俺とヒチョルは・・・操縦はしない方がいいんだね」イトゥクが少し寂しそうに言うと

「俺!!!!外出るんだ~イトゥク補助頼むね!!!!俺の命はイトゥクに預けるからさ」

ヒチョルがニッコリとイトゥクに向かって言った

イトゥクはそんなヒチョルの笑顔をみて「うん・・頑張ろうな」と微笑んだ


「でさぁ~ルナから持ち帰るものって何?」

「それが・・・秘密らしい・・ダミーを含めていろんなものがあって

そこから俺達が考えて持ってくるそうだ」カンインが説明をする

「エントリーが増えたから・・・そんな風にしたようだね」

ハンギョンが眉間にしわをよせて考え込んだ


「ヒチョルとイトゥクにかかってるからな・・持って帰ってくるものを

ちゃんと見極めるんだぞ」


げっ

ヒチョルが苦虫をかみつぶしたような顔をすると

残りの3人は笑いだした




「へえ~なんか余裕だね・・・ここのチームは」

学食に4人の男性が入ってきた

カンインは一瞬嫌な顔をしたが、すぐに笑顔を取り繕って

「ヒョクチェ達もエントリーするんだってな・・・お互いに頑張ろうぜ」

「俺達に勝とうって思ってるの? 」整った顔立ちの男性がニヤリとしながら言うと

「ギュヒョン・・・やめなよ・・失礼だよ」と可愛い顔立ちの子に止められる

ピリピリした空気の中・・・突然ヒチョルが1人の男性を指さして叫ぶ

「あーっ昨日財布落とした奴~!!!お前も出るの?ドンヘって言ったっけ?」

ドンヘと呼ばれた人物は振り返ってヒチョルを確認すると

人懐っこい笑顔で「昨日はありがとう!!!!すっげー助かった~!!!!」と

ヒチョルとハイタッチをする

ピリピリした空気が全く読めていない2人のおかげで

その場は何事も起こらずにすんだ

「レース楽しみにしてるからな・・・」小柄な人物がカンインに一声かけて去って行った


「なんだ・・・あいつら・・」ヒチョルはキョトンとしてドアの方が見ている

「最初に喧嘩売ってきたのは・・ギュヒョン。そいつを止めたのがソンミン。

ヒチョルと話していたのがドンヘ。最後に話したのはヒョクチェ」

ハンギョンが義務的にヒチョルに教える

「多分・・ヒョクチェがヒチョルのライバルになりそうだよ・・・」

イトゥクが心配そうにヒチョルの方を向いて言うと


「持ってくる物って判明してないんでしょ? じゃあ速さは関係ないじゃん

 ようは・・・俺とイトゥクのひらめきにかかってんでしょ」

ヒチョルがニコニコしながらみんなに向かって言うと


「お前・・・本当にポジティブな奴だな・・・・」

カンインが呆れたように呟くと

「うん!!!ハンギョンにいつも言われる♪」

嬉しそうにヒチョルが答える

ハンギョンは愛おしそうにヒチョルを見つめると

「作戦会議の続きをするぞ」とカンインとイトゥクの方を向いて言った


ヒチョル達の作戦会議は夜中まで続いた・・・

【時のはざまの中で~青春編 チキチキレース争奪戦】後編


今日はチキチキチキンレースの日

アカデミー大学校が協賛となっているので

学校の宇宙船を利用して学校のエアポートを使っての競技スタートとなった


ヒチョル達4人も宇宙船に乗り組みスタートした

カンインの操縦は安定していてみんなリラックスをしている

「ヒチョル・・・持って帰るものってなんだと思う?」

イトゥクは心配そうにヒチョルに尋ねる

「うーん全くわかんない~!!!!イトゥクに聞くからさ指示して」

「俺も分かんないからヒチョルのひらめきで持ってきてよ」

2人で話をしているとハンギョンが

「エントリーって結局30組くらいあったみたいだね」と言う

「え? ルナのあの地点で30人と争奪戦すんの~めんどくさ~」とヒチョルは眉をちょっとしかめて言った


「おいっ!!!!今からワープ入るから・・いいか」

カンインのひと言で他のメンバーはシートベルトを付けて

かかってくるGに耐えるべく椅子に深くすわった




「もうすぐつくよ・・・ヒチョル準備して」ハンギョンの言葉に

「うんもうOKだよ♪ イトゥク補助よろしくね」

ヒチョルはハッチのほうに向かっていく

宇宙服の最終チェックをイトゥクにしてもらって外に出た

『うわ~なんだ~ぐっちゃぐっちゃ人がいるぞ』

ハンギョン達がモニターを見ると

だいたいの宇宙船がルナに到着してその周囲に浮かんでいる

そしてハッチがあいてそれぞれの船から人が出てきていた

ヒチョルは遊泳が得意なので、もたもたしている他の人達を

あざ笑うかのようにスイスイと泳いでいく


『へへへ~ん俺いっちばーん』

ヒチョルが目的地に着くと

『そうはさせないぞ』とヒョクチェが背中を掴んできた

『お前~それって反則じゃん』ヒチョルはその手をかわして逃げる

ここで背中なんて掴まれたら遠くまで投げ飛ばされそうだ・・・

次々に宇宙服の学生たちがやってくる

ヒチョルがふと見ると小柄でよたよたしている子がいた

『あーああんなんじゃとばされちゃうよ・・・命綱ついてなさそうだな

なんかあぶないな・・・』

『おいっ!!!!ヒチョルそれよりもお宝を探して!!!!』

イトゥクの声が聞こえたがヒチョルはその子の近くまで行こうとする


あ!!!!!


その小柄な生徒は後から押し寄せてきた学生に体を押されてしまった


『あぶない!!!!飛ばされる!!!!!』

ヒチョルはその子にこっちから体当たりでぶつかり、抱え込んで地面に倒れ込んだ

ヒチョルが抱え込んでぶつからなかったら、宇宙空間に飛ばされていただろう

『ヒチョル大丈夫か!!!!!』

ハンギョンの絶叫が聞こえてヒチョルは顔をしかめた

抱え込んだ子にインカムの周波数を手話で教えて、会話できるようにする

『すみません・・・ありがとうございました』

助けた子は半べそをかきながらお礼をいう

『それより・・君・・・怪我してない?』

『はい大丈夫です・・・僕はリョウクといいます・・イェソン教室の院生です』

『補助はいないの? 』イトゥクがインカムで質問をする

『急にイェソン教授が出場するって言って・・教授の運転で僕と2人のエントリーです』

『それって無理じゃん・・・本当に危なかったな』

ヒチョルが呟くとカンインが大声で

『ヒチョル!!!お宝はゲットしたのか?』


あっ・・・忘れてた・・・

あわててヒチョルがその場所まで行ったが

もうそれらしきものはすっかり無くなっている

『なんもない・・・悪い・・』

『ごめんなさい・・・ヒチョルさんっていうんですね・・僕のせいで・・』

リョウクがまた泣きそうになっているので

『お前が宇宙空間とばされなくてよかったよ』と笑って言った

ふと足元を見ると・・・・真っ白で丸くて綺麗な石が落ちている

ヒチョルはそれを拾うと・・・イトゥクが白いものに異常に執着してたな・・・と

その綺麗な石をポケットに入れた

リョウクを教授の運転している宇宙船まで届けると

『気を付けて戻ってね・・・操縦の補助はちゃんとやるんだよ』と言って

リョウクが船内に入るまで見送っていた

それから自分の船に戻ると・・・

「お前!!!!!!一番に到着しててなんでお宝とってこないんだよ!!!!!」とカンインに怒鳴られた

「そんな事言ったって・・・お前らだって見えてただろう? あのままだったらリョウクは

宇宙空間に飛ばされて・・・下手すればそのまま塵になったんだよ」

ヒチョルは口を尖らせながら文句を言う

「ヒチョルが体当たりで飛びだした時には寿命が縮んだよ・・・・

本当にムチャばかりするんだから・・・君は・・・」

ハンギョンがヒチョルの顔を両手で覆う・・・今にも泣きそうな顔をしている


あ・・・

ヒチョルはハンギョンに見つめられて胸がドキドキしてとまらない

ハンギョンの唇がヒチョルの唇に重なった・・・やさしい口づけだった

「よかった・・・ヒチョルはここにいる・・・」ハンギョンはそう呟くと

ヒチョルを思いっきり抱きしめる

そのまま2人の世界に入ってしまったために

イトゥクが「帰りは俺が操縦の補助作業するから・・カンイン戻ろう・・」と言って

地球に帰還する準備に入って行った





無事に大学校のエアポートに戻ったヒチョル達を待ちうけていたのは

意外な優勝結果だった・・・


【時のはざまの中で~青春編 チキチキレース争奪戦】おまけ


エアポートに着いたヒチョル達は、

他のチームが主催者側が用意した

いろんなお宝を手にしているのを見て、

優勝はもう出来ないと思っていた・・・

「あっそうだ・・・イトゥクにいいもんあげる~

さっきルナで拾って来たんだ!!!!はいっ」


イトゥクの手のひらに白くて丸い綺麗な石が置かれた

「うわぁ・・・なんか綺麗だね」

イトゥクが嬉しそうにえくぼを見せて微笑むと

カンインが覗きこんでぽつりと・・・

「あれ? お前・・これいつ手に入れた?」

ハンギョンも覗きこんでびっくりする

「これって・・まさか・・・・」

イトゥクの手のひらから石を取り上げると

空にかざしていろいろ眺める

カンインも一緒になって石を眺めている

「2人とも・・・どうかしたの?」

イトゥクが不思議そうに尋ねると

「これは・・・多分・・ルナの涙だ」

「ルナの涙・・・初めてみるぞ・・」

ヒチョルが怪訝そうな顔をして

「そのなんとかの涙ってなんだよ!!!!!」

2人に向かって尋ねると・・・


「めったに発掘されない貴重な月の宝石だよ」


へ?

「俺・・そんな貴重なもの拾って来たの?すっげー」

その宝石をこれからどうしようかと4人で相談が始まった


こうなるとチキチキチキンレースの勝敗なんて関係なくなっている

どこが優勝しようと関係ない状態で盛り上がっていると


「あの・・・ヒチョルさん・・」急に声をかけられてヒチョルは振り向いた

「あーっさっきの・・・リョウク・・だっけ?」

ヒチョルがルナで助けたリョウクが立っている

「無事に戻ったこれたんだ~良かったね~」

ヒチョルがにこにこ笑いながらリョウクに抱きつくと

リョウクの後ろに立っていた人達が笑顔で話しかけてきた


「君がヒチョルくんかい? 宇宙で遭難事故になりそうな所を

体を張って助けてくれた・・・」

体の大きな男性がヒチョルに話しかける

「?」

ヒチョルはわけが分からないと、キョトンとした顔をしていると


「あっ・・・大学校長だ・・・」ハンギョンが呟く

ヒチョルに話しかけているのはアカデミー大学校の校長だった


「君たちのチームは優勝をのがしてしまったかもしれないが

とても大切な事をしてくれたんだよ」

話を聞いているヒチョルはますます首をかしげる・・・

リョウクが可笑しそうに微笑みながら

「実は・・・僕はやらせだったんです・・あのような状況下で

僕がよたよたしているのを助けてくれる人がいるかどうか・・って」

「えーっそうなの?」ヒチョルは驚いてリョウクの顔を見つめる

「自分達の利益を度外視して人命救助にあたった行動は

とても素晴らしいものだったと思います

なので君たちに大学側から『特別賞』を差し上げたいと思います」

校長がヒチョル達に向かって笑顔で言った


チキチキチキンレースそのものの優勝者は

チャンミン教室のヒョクチェ達だったが

ヒチョル達は「特別賞」を取る事ができ大喜びだった



そしてその大学側の用意した「特別賞」の景品が

「成績のポイントアップ」だった


赤点を抱えていたヒチョルが一番喜んだのは言うまでもない




そして・・・その夜・・


「ヒチョル・・・お願いだ・・・

もうあんな無理しないでほしい・・・・僕は命がいくつあっても足りないよ」

ハンギョンはベットの中でヒチョルに切なそうに哀願する・・・・

ハンギョンに抱きしめられてヒチョルは嬉しそうに笑いながら

「悪かったと思うけど・・・体が勝手に動いちゃったんだよ・・・ゴメン」

「全然悪いって思ってないでしょ・・・その顔・・・」

「・・・・」

ヒチョルはただ笑っている

ハンギョンは少しムッとしながらもヒチョルに熱い口づけを落とす

「今日はもう・・・寝かさないからね・・覚悟して」

ハンギョンの真剣な瞳をみつめたまま

「俺は・・・お前だけのものだよ・・・」ヒチョルは笑顔で囁く



恋人達の長くて熱い夜は始まったばかりだった


Fin

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。