上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
【Eternal~丘の上の洋館】1

リョウクの住んでいる街の丘の上に少し古びれた洋館が立っている

コミンの散歩の時にそこの家の前を通るが人の気配はいつもない

しかし庭先には季節の花々がいつも綺麗に咲いていて

手入れはいきとどいているようだった


情報ツウの母親の話だと、何年かに一度ぐらいは誰かが住んでいるようだが

それに気付くとすぐに空き家になっているとのことだった

洋館の持ち主は遠い街に住んでいるお金持ちだという噂だった



コミンはこの洋館の前の道が好きでいつも散歩はこのコースになっている

今の時期は薔薇の花々が美しく庭先を飾っていた


「あれ? 誰かいる・・・」

洋館の前に車が停まっていて門扉も開いている・・・誰かが引っ越してきたのだろうか

リョウクはコミンのリードを引っ張りながら、わざわざ玄関の方を覗きながら通り過ぎようとした

その時・・・

「ねえ・・・君ってここの近所の子?」

突然後ろから声をかけられて、リョウクは飛びあがりそうなくらい驚いた

「あれ? ビックリさせちゃった? ごめんね」

おそるおそる振り向くと、そこにはリョウクより少し年上のとても綺麗な人が笑顔で立っていた

「俺達・・今日からしばらくここの家に住むんだ!!!!いろいろ教えてくれるとありがたいな」

人懐っこい笑顔に思わず見とれてしまい・・しかし俺という言葉に違和感を感じて戸惑っていたら

綺麗な人はリョウクの顔をみてケラケラと笑いだした

?

「今すごく悩んでいただろ? 俺・・いつも女に間違えられるけど男なんだ・・

君も女だと思ってたんだろ? 気にしてないから・・いつもの事だし・・・」

「ごめんなさい・・・あまりにも綺麗な人だから・・・女性だと思ってて」

「ご近所さんならいろいろ教えてくれる? 俺はヒチョル・・君の名前は?」

ヒチョルと名乗った青年がリョウクに向かって微笑みかけた・・・その時


「うわぁ~!!!!!」

コミンが突然ヒチョルに飛びついて、ヒチョルはビックリして尻もちをつく

コミンはしっぽを振りながらヒチョルの顔をペロペロと舐めまくっていた

「こらっ!!!コミン!!! ごめんなさい・・・この子はコミンといいます・・僕はリョウクです」

リョウクはコミンのリードを引っ張ってヒチョルから離そうとするが

ヒチョルから離れる様子がみえない・・・そのうちヒチョルの方からコミンを抱き上げて遊び始めた

「この子・・・留学中の先輩から預かってるんですけど・・すごく人見知りで・・

初対面の人には懐かないのに・・・こらっ!!!!コミンだめだよ~」

「そーか・・お前はコミンって言うのか・・・可愛いな・・こら・・くすぐったいよ」

ペロペロと舐められて顔をしかめながらも、ヒチョルは楽しそうに笑っている



「ヒチョル・・・どうした?」

ヒチョルの笑い声に気付いた男性が洋館の玄関から外に出てきた

ヒチョルが道端に寝っ転がって子犬とじゃれている姿をみて呆れたように

「ヒチョル・・何やってんだ?」と呟く

「ハンギョン~♪ この子コミンって言うんだって・・可愛いね~

あと、そっちの子はリョウクって言うの・・・今ね・・・友達になったの」

嬉しそうに報告するヒチョルをハンギョンと呼ばれた男性は愛おしそうに眺めている

ヒチョルの「友達」という言葉を聞いてハンギョンはリョウクに向かって微笑みながら

「ヒチョルと友達になってくれたの? こいつ凄い我儘だけど・・よろしくね」



リョウクはなぜか2人の引っ越しの手伝いまですることになり

いつも気になっていた洋館の中を見る事ができてちょっと嬉しかった

「俺達~あちこちに旅行しているから荷物ってあまりないんだ~」

ヒチョルはコミンを抱きながらリョウクに説明をする

「ヒチョル!!!!なんでお前が犬だいて・・リョウクが荷物もってんだよ」

ハンギョンに怒られながらもヒチョルはめげない・・・ニコニコしながら

「ハンギョン~俺達も犬か猫を飼おうよ~」と可愛い声で甘えてくる

「お前・・・今リョウクに説明してただろう・・俺達はあちこちに旅行しているから

動物は飼う事はできないの・・・ただでさえ・・ヒチョル1人で大変なのに!!!!!」

ハンギョンはリョウクに向かって苦笑する

「あちこちに旅行って・・・いいですね・・・僕はまだ遠くまで行った事ありません」

リョウクは羨ましそうに言うとその言葉を受けて

「世界中行ってんだ~楽しいよ~」屈託のない笑顔でヒチョルは答える

そんなヒチョルの様子をハンギョンはとろけるような優しい瞳で見つめている


(ああ・・・この2人は恋人同士なんだ・・・)リョウクはふたりの関係に気付いたが

なんとなく微笑ましく思い、留学中のコミンの飼い主の事を思い出していた


少ない荷物のおかげであっという間に作業は終了した

気付くとだいぶ時間も過ぎていたのでリョウクは慌てて洋館を後にする

「リョウク~今日はありがと~今度遊びに来てね~」

ヒチョルは楽しそうに手を振りながら、リョウクを見送ってくれた




会ったばかりなのに

すごく気さくなヒチョル・・・綺麗でちょっと変わった人だけど・・楽しいな・・

最初は戸惑っていたリョウクも今ではすっかり好感を持っている

飼い主と自分の家族にしか懐かないはずのコミンも、

ヒチョルをすっかり気に入ったようだ

「ヒチョルさん・・・本当にお友達になっていいのかな・・」

リョウクはさっきの出来事を思い出しながら、ほっこりした気持ちで家路についた



スポンサーサイト

【Eternal~丘の上の洋館】2


今日は朝からシトシトと霧のような小雨が降っている

ヒチョルはベットの中でつまらなそうに伸びをひとつした

「この時期のこの天気~!!!!俺の苦手な天気~!!!!朝から体調最悪~」

「天気ばかりは仕方ないだろう? ほら、お茶を入れたから機嫌直せ」

ベットのヒチョルにティーカップを渡すと

ハンギョンはヒチョルのおでこにキスをする


「ハンギョン・・・今日も出かけるの? 俺・・・留守番?」

着替えを済ませているハンギョンの姿を見て寂しそうに呟くと

ヒチョルはお茶を一口飲んだ・・・

薔薇の香りが鼻をくすぐる・・・ハンギョンがいつも入れる特製のお茶だった


「俺達が自由にあちこちに旅するための軍資金作りなんだよ・・・

ヒチョル・・・そんな顔して俺を見るなよ・・・」

ハンギョンはヒチョルの手からティーカップを取り上げるとサイドテーブルに置いた

優しく微笑むとヒチョルの唇に自分の唇を重ねる

ヒチョルは自分からハンギョンの首に手をまわし、

お互いの唇の感触を味わいながら熱い口づけを交わしていく・・・

そして名残惜しそうに唇が離れると、ハンギョンは辛そうな顔をしてヒチョルに囁いた


「ごめん・・・俺が・・お前をちゃんと変化させてあげられなかったから・・・」

「俺の方こそゴメン・・・いつも我儘言って・・お前の足手まといにならないように

ちゃんと留守番しているから・・・昔に比べたら今の状態は凄い事だよ!!!!!

普通に生活できるんだもん・・・湿気に弱いだけだから・・俺はなんとも思ってないから」

ヒチョルはにっこりと微笑むと

「だから・・・ずっと一緒にいて・・・俺から離れないで・・・」

「ヒチョル・・・お前を俺の物にしてから・・もう俺はお前のいない世界では生きていけない

ずっとずっと一緒だよ」

ハンギョンのその言葉にヒチョルは嬉しそうに笑った

その笑顔とずっと一緒にいるために俺はどんな事でもやれる・・・

ハンギョンは愛おしそうにヒチョルを抱きしめると

「何かあっても・・・魂だけになってでも戻ってくるから・・・

ただ・・・・俺達に魂があればの話だけどな・・・・」


「絶対だよ・・ハンギョン・・俺もお前のいない世界では生きていけないから・・・

愛している・・・ハンギョン・・・ちゃんとお留守番してるから大丈夫だよ」


2人はもう一度お互いの唇を重ね合わせた・・・・・

【Eternal~丘の上の洋館】3


小雨が降っている中リョウクは傘をさして

洋館の門扉の前にたたずんでいた

お手製のアップルパイの包みを抱えてしばらく悩む


遊びに来てね~って言われたけど・・・本当に来ても良かったのかな・・・

ドキドキしながらチャイムを押した・・・・



しばらくして

「はーい」玄関があくとヒチョルが出てきた

「うわぁ~♪リョウクだ~遊びに来てくれたんだね~」

満面の笑みでリョウクを見つめる

「雨で濡れちゃうから早く入って~!!!!!」

ヒチョルに歓迎されてリョウクはホッとして息をひとつはく


洋館のリビングに通され、リョウクは勧められた椅子に座った

シャンデリアがとても豪華でアンティーク調の家具に思わず見とれる

「あの・・・これ・・僕が作ったアップルパイなんですけど・・・」

リョウクは手にしていた包みをテーブルの上に置いた

「すげ~!!!!リョウクってお菓子つくるんだ~」

ヒチョルが驚きながら包みを開ける

「うわ~旨そう~今お茶入れるから待っててね」



出されたお茶は薔薇の香りがした

初めて口にするけど美味しいとリョウクは思った



「リョウクって学生さんでしょ? 今日は学校ないの?」

ヒチョルの質問にリョウクは笑いながら

「今日は日曜日だから・・学校は休みですよ」と答えると

ヒチョルは少しさびしそうに

「ごめん・・・俺・・学校に行った事ないから良く知らなくて・・・」

え?

「俺・・・生まれた時から病弱で・・自分の部屋と病院しか知らなかったんだ

部屋に家庭教師が来てくれて・・それで勉強してた・・・」

「でも・・今は普通に見えますけど・・病気は治ったんですか?」

リョウクの言葉にヒチョルは苦笑しながら

「うん・・・ハンギョンのおかげで前よりは良くなったよ・・普通の生活できるようになったし

ただ・・今頃の季節は体調がイマイチで寝てばかりだけどね」

「そう言えば・・・ハンギョンさんって・・今日は?」

リョウクは愛おしそうな瞳でヒチョルを見つめていた

ハンギョンの姿を探してキョロキョロする

「ここにいる間は、俺達が旅行するために資金稼ぎのお仕事している・・・

世界旅行はベットで過ごしていた時の俺の夢だったんだ・・・・

ハンギョンは・・俺の夢を実現するために何でもしてくれるんだ」

リョウクは2人の深い絆を感じて少し羨ましく思った


「ねえ・・リョウク・・・学校のこと話してよ・・・

俺・・・学校に行きたかったんだ・・・友達作りたかったんだ」

ヒチョルの寂しそうな瞳にリョウクの心がズキンと痛んだ

「僕の行っている学校は音楽学校なんです・・・・」リョウクは自分の学校の話を始めた・・・


2人はいろいろな事で気が合い、次から次へと話は尽く事がなかった

楽しい時間を過ごす事が出来てヒチョルはもう寂しそうな姿をみせることはなく

この日以来リョウクは、時間があればヒチョルのもとを訪れるようになった

ヒチョルは毎回のようにリョウクが手作りのお菓子を持ってくるので

そんなに気を使う事ないから・・と遠慮したが

2人でお菓子を食べながらのおしゃべりが楽しくて

だんだんそのお菓子を楽しみにするようになってきた

そのうちリョウクは恋の相談までするようになり・・・本当の兄弟のように深い繋がりが生まれていた

そんな穏やかな日々がしばらく続いた・・・

【Eternal~丘の上の洋館】4


「今度一週間ほど留守にするから・・ヒチョルいい子で待ってるんだよ」

愛し合った後で、ベットの中でヒチョルを腕枕しながらハンギョンが囁いた

ヒチョルはちょっと寂しそうな顔をしたが、すぐに笑顔を作って

「最近ね・・リョウクが遊びに来てくれるから・・大丈夫だよ」

「そうだな・・リョウクとは『友達』になったんだろう? 良かったな」

ハンギョンは優しい瞳でヒチョルを見つめる

ヒチョルはその瞳に蕩けそうになってハンギョンに抱きついた


「そう言えば・・・ヒチョルは甘いお菓子って苦手だったのに・・・

リョウクのは良く食べるよな・・・」

ハンギョンは意外そうな顔をして聞いてきた

ヒチョルはふふっと小さく笑うと

「あの子の作るお菓子は・・・愛が溢れているんだ・・

だから食べると気持ちが暖かくなるんだよ・・・こんな俺でも・・・」

「でも半分以上は俺が食べてるんじゃないか・・俺達は食事しなくてもいいのに」

ハンギョンが自虐的に笑うとヒチョルは

「俺達も人間みたいに太るの? 太ったハンギョンは嫌だ・・・・」と真面目に聞いてきたので

「どうだろうな・・・せいぜい太らないように頑張るよ」

ハンギョンは苦笑しながらヒチョルを抱き寄せる


(ハンギョンの心臓の音が聞こえる・・・こんな俺達でも生きているのは同じなんだ・・)

ハンギョンの胸に頭をのせたヒチョルは、規則正しい音を聞きながら

涙を流していた・・・・

胸に冷たい気配を感じたハンギョンは

「ヒチョル・・・どうしたの? 何が悲しいの?」と優しく聞いてきた

「悲しくないよ・・・嬉しいんだ・・・ハンギョンとずっと一緒にいられて

あのままだったら・・俺・・ハンギョンに愛されずに死んでたもん・・・

愛して愛されて・・・幸せすぎて涙が止まらないんだ・・・・」


ハンギョンは黙ってヒチョルの頭をなでる

「俺も・・・ヒチョルに出会わなかったら一生涯愛を知らないままだったな」


(うん・・・俺達は神様に見捨てられた存在かもしれないけど

ハンギョンに出会えたのは・・・神様に感謝したいくらいだ・・・)


ヒチョルは嬉しそうにハンギョンの胸で微笑んでいた・・・



【Eternal~丘の上の洋館】5


「まったくいつになったらこの季節は終わるのかしらね・・・

洗濯ものが乾きやしないわ・・・」


リョウクは母親が空を眺めながら文句を言っているのを聞いて

くすっと笑った

(ヒチョルさんもこの湿り気の多い天気は苦手だって言ってたな・・)


「あら・・・リョウク・・この天気なのに出かけるの?」

「うん・・・友達の家に行ってくるね~」

リョウクは傘をさすと玄関を元気に飛び出して行った


この2週間は定期テストがあって

リョウクはヒチョルの元に遊びに行けなかった

音楽学校だから実技テストなどもあるので勉強も忙しく

その事は事前にヒチョルに伝えてあったけど

リョウクはお詫びも兼ねてシフォンケーキを作って持参していた


「ヒチョルさん・・・学校で面白い話あったから聞いてくれるかな」

リョウクはドキドキしながら玄関のチャイムを押す


あれ?

いつまでたっても返事はない

玄関の鍵はかかったままだ・・・

部屋の明かりは付いている・・・

「変だな・・・・」


妙な胸騒ぎを覚えたリョウクは庭の方をまわってキッチンの方に行った

キッチンに隣接したリビングの庭に面した窓の鍵は開いていたので

リョウクはそっと開けて中を覗いた・・・


「ヒチョルさん!!!!!!!」

ソファの足元にヒチョルが倒れているのが見えた


リョウクは急いで中に飛び込んでヒチョルを抱き起こす

「ヒチョルさん!!!!!大丈夫ですか?」ヒチョルの肩をゆすって叫んだ

「あ・・・リョウク・・・」


ヒチョルの意識がある事がわかりリョウクはホッとする

ヒチョルはひどくやつれていて涙の後が頬に残っていた

「ハンギョンが・・・戻ってこないんだ・・1週間って言ったのに

もう・・・2週間なのに・・戻ってこないんだ・・・俺・・・」

ヒチョルは力なく小さな声で呟いた


ハンギョンさんが・・? 何かあったの?


リョウクはヒチョルを抱えるとソファに座らせた

キッチンを探して暖かいお茶を入れ、ヒチョルに飲ませる

ヒチョルの顔は土気色になって座っているのがやっとだった

精神的な動揺がかなり伝わってくる・・・

「何かあって遅れているだけですよ・・大丈夫です

ハンギョンさんはヒチョルさんを1人ぼっちにしません!!!!!」


「俺・・・その時が来たと思って・・・用意したんだ・・・」

見るとテーブルの上に懐中時計と護身用の小さな拳銃が置いてあった


「時計についてるのはハンギョンの髪の毛を編んで作った紐なんだ・・・

ハンギョンに何かあった時は・・・この髪の毛も灰になる・・・・・

そうしたら・・・・俺は・・・これを使って自分を打つ・・・」


リョウクはこの拳銃が自害用のものだと理解し、ヒチョルの届かない場所に移した

ヒチョルの言っている意味がよく分からないけど

なんとか落ち着かせようとリョウクはヒチョルに向かって力強く言った

「ハンギョンさんの髪の毛が灰になってないなら・・何も起きてないって事です

ハンギョンさんを愛しているなら、信じて待ちましょう」

「あ・・・」

ヒチョルは涙の溢れる瞳でリョウクを見つめ、懐中時計を手にして

「そうだね・・・リョウク・・ありがとう・・・・」

よわよわしく微笑むと、息をひとつはいた・・



ガタン!!!!!!


2階の窓がすごい音を立てた

リョウクはビックリしてヒチョルを抱きしめた


階段をミシミシと音を立てて何かが降りてくる


音のする方を見ると



そこには頭から血を流して立っているハンギョンの姿があった

「ハンギョン!!!!!」

ヒチョルが悲鳴に似た叫び声をあげてハンギョンの元に駆け寄る

ソファにあったタオルを傷口にあてがいながら

「大丈夫だ・・・ちょっとまずったけど大事ない・・・すぐに血は止まるから」

ハンギョンはそう言うとヒチョルの顔をみて

「それより・・ヒチョル!!!!なんだ・・お前・・その顔色!!!!!」驚いて叫ぶ

ハンギョンは自分の事などお構いなしに、ヒチョルを抱きしめると

リョウクがそこにいる事など忘れたように叫ぶ

「早く!!!!!俺の血を飲め!!!!!!」


リョウクは自分の目の前で何が起きているのか理解できないでいた・・・・・





上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。