上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
【Eternal 番外編】 使い魔1


「ハンギョン~ずいぶん遠くまで来たよ~

なんか森が見えてきた!!!!絵本でみた森みたい」


ハンギョンの胸に抱かれてヒチョルは空を移動中だった



今夜は満月で月明かりが2人を照らしている


ヒチョルはハンギョンの首にしっかりと自分の両手を回し

ハンギョンは両腕でしっかりとヒチョルを抱きしめ

大きくて立派な羽根を使って空を飛んでいた


「あの森に降りるぞ・・しっかりつかまってろ」

そう言うとハンギョンは急降下で森の入口に向かう




「この森の中にコテージがあって、宿泊できるようになってるんだ

無人だけど予約は入れてあるから俺達だけの貸し切りだ」


ハンギョンはそう言うと大事そうにヒチョルを地面に下ろす

ヒチョルは物珍しそうに森の中をキョロキョロと見回している


「ここではどのくらい滞在するの?」

「うーん・・・今回は使い魔たちの為に来たからな・・予定は未定だな」


ハンギョンの一族は動物と意思の疎通ができた

そして高度な技量をもつものは

動物を自分の意志のままに操る事もできた


「使い魔」はハンギョンの一族だけが持つ

自分の意のままに操れる動物の事だった

使い魔と主は強固な信頼関係で成り立っていて

一度契約を交わすと主が死ぬまで一緒に生き続ける


ハンギョンにはコウモリの一団とフクロウが使い魔として存在している

今日はそのコウモリとフクロウの日頃の働きに対して

ねぎらう意味で森のコテージにやってきたのだった


ハンギョンが意識を集中すると目の前にフクロウとコウモリが現れた

「ふくちゃんとコウちゃんだ~」

ヒチョルが嬉しそうに叫ぶと

「ヒチョル様・・お久しぶりです」ふくちゃんと呼ばれたフクロウが答える

「ハンギョン様・・われわれに休暇をありがとうございます

たっぷりリフレッシュさせて頂きます」

コウちゃんと呼ばれたコウモリはそう言うと

あっと言う間に森の中に消えていった


「私も失礼します」フクロウもそう言って森の中に消えていった


「使い魔って・・・人によって違うんだよね」ヒチョルがハンギョンに尋ねる

「ああ・・・大体は空を飛べるものが多いな・・仲間に連絡したりするから」

「チャンミンさんは、カーちゃんだったよね」

ヒチョルの言った「カーちゃん」とはカラスの使い魔の事だった

チャンミンは使い魔としてカラスを数羽操っている


(ウチのクロウが・・カーちゃんと呼ばれるのが嫌みたいなんだ・・)

以前チャンミンが笑いながらハンギョンに言った言葉を思い出して小さく笑う

(ヒチョルにカーちゃんと呼ばれるのが嫌なくせに、

お前の所への連絡係はほかのカラスにはやらせないんだよ

何だかんだ言ってもヒチョルと会いたいんだよね・・・)


ヒチョルにはまだ使い魔はいない

ハンギョンの仲間になって100年経つというのに

最近やっと羽根が生えた位だから、まだまだ力量が足りない

本人は不満には思っていないが、ハンギョンは心配のあまり

自分の使い魔のコウモリを一羽、密かに護衛させていた


「ハンギョン~コテージってあれのこと? 結構立派じゃん」

森の中をしばらく歩くとコテージが見えてきた

今日から使い魔の静養がすむまで2人で過ごす場所だった


鍵の代わりに玄関の前で手のひらをかざすと鍵が自動であいた

2人で中に入ると

毛足の長いじゅうたんで床は敷き詰められていて

リビングには暖炉が暖かそうな火を燃やしている


「すっげ・・・誰もいないのに火がついてた・・・」

「この森は俺達一族の発祥の地に近いものがあるらしくて

ここに来ると力がいつもの倍以上使えるんだ」

「へぇ・・・俺もいつも出来ない事が出来るかな?」

そう言うとヒチョルは背中の羽根をはばたかせてみた


「うわっ・・マジだ・・いつもより楽々飛べるよ」

リビングの天井まで飛んで見せたヒチョルは

笑顔でハンギョンの腕の中に戻っていく


「お前も少し力の訓練をするといい」

ハンギョンはそう言うとヒチョルを力強く抱きしめる

「ハンギョン・・・疲れてないの? 俺を抱いたまま何時間も空飛んでたじゃん」

ヒチョルがハンギョンの瞳をみつめて不思議そうに尋ねると

ハンギョンは優しく微笑み

「ヒチョルが俺の癒しだ」そう言ってヒチョルの首筋に唇をはわす



ハンギョンが指を鳴らすと

コテージの明かりは全て消え

暖炉の炎だけが2人を照らす


ハンギョンは大事にヒチョルを絨毯の上に寝かせると

服のボタンをひとつずつ外していく



使い魔がいない今

ハンギョンは心おきなくヒチョルを愛する事ができた

使い魔は見えない状態でいても自分のそばに待機しているから

恋人との情事を見られている事になる

さすがに恥ずかしいものだった


とはいえ見られていてもする事はしているハンギョンだったが・・・




ハンギョンとヒチョルの甘い夜が今から始まる・・・


満月の夜の明かりと暖炉の炎のあかりのみが

美しい恋人達を照らし続けていた・・・・
スポンサーサイト
【Eternal 番外編】使い魔2


森での生活はヒチョルにとって快適だった

ハンギョンの説明では森からの生気で

いつもよりパワーアップできるらしい・・


「ハンギョン~!!!散歩してくるね~」

ヒチョルは薄いパステルピンクの

ふんわりとしたワンピースを着て

はだしのままコテージを飛び出して行った・・・


楽しそうに走っていくヒチョルの後ろ姿を

ハンギョンは優しい瞳で見つめながら

「森の中は一族しか入れないから大丈夫だろう・・」そう呟くと

「森から外にでるんじゃないぞ!!!!」ヒチョルに向かって大声で叫んだ




パタパタ・・・・

ヒチョルの背中の羽根の羽ばたく音がする

いつもよりも軽やかに空を飛べるので

ヒチョルは楽しくて仕方なかった


『こんにちは~』

『いいお天気ですね~』

小鳥などの森の動物たちが話しかけてくる


ヒチョルがハンギョンの仲間になって

なかなか力を上手く使う事が出来ないでいたが

動物たちとの意思の疎通の能力は早くから芽生えていた

いつもは街に住んでいるので、犬や猫たちと会話しているが

今日はいつも話さないような小動物達と会話を楽しんでいた


ヒチョルが空の遊泳を十分堪能していると

どこからか子猫の鳴き声が聞こえてきた

耳を澄ますと森の入口あたりからだった


ヒチョルは地面に降りると聞き耳を立てながら

鳴き声のする方向を探し始めた


みゃあ・・・みゃあ・・・


「こっちの方からするんだけど・・・どこだ?」

子猫の声はだんだんとか弱くなってきている

ヒチョルは焦ってきてあちこち探しまくると

森の入口あたりに小さな箱を見つけた


あっ!!!!

ヒチョルは気が付いてその箱まで走っていく


みゃあ・・みやぁ・・・

やはり箱の中から声がする

ヒチョルが箱をあけると

中に生まれたばかりの子猫が入っていた

「お前・・・捨てられたの?」

『ママ・・ママ・・』

子猫は母猫を探して鳴いていた


ヒチョルは箱を大切そうに抱えると

コテージまで一目散に飛んで行った・・・・




使い魔に休息を与えるために

森に滞在をしているハンギョンだったが

ヒチョルに何かあったら大変だと

森の動物たちにヒチョルの事を頼んであった

ヒチョルに異変があったら

すぐにハンギョンの元に連絡がくるようになっている


窓辺にリスが一匹姿を見せた

『ヒチョルさんが悲しんでます』

ひと言ハンギョンに報告して去っていった


ヒチョル・・・どうした?

ハンギョンはコテージの窓から外を眺めると

箱を抱えて今にも泣きそうな顔をしているヒチョルの姿を見つけた

ヒチョルが戻ってくるのが待ち切れずに

大きな羽根を広げてヒチョルの元まで飛んでいく


「ハンギョン・・・」

ヒチョルはハンギョンの胸に抱かれながらコテージまで戻った

箱の中を見せながら

「この子・・死にそうなの・・助けてあげて・・」


箱の中の子猫はぐったりとしていて

今では鳴く事すらしていない

ハンギョンは箱の中から子猫をそっと取り出すと

テーブルの上に敷いたタオルの上に寝かせた


「足が・・・」

子猫は左前脚が半分の長さしかなかった

「だから捨てられたのか?」

ヒチョルはぽろぽろと涙を流しながら

ハンギョンの顔を見つめる


「大丈夫だ」

ハンギョンはそう言うと

自分の手のひらにエネジィを集めて光の玉を作り

子猫の体の中に挿入する


みゃあ・・・

子猫は小さく鳴く

するとそれまで荒かった息使いが治まってきて

落ち付いてきたようだった



「ハンギョン・・ありがとう・・・」

ハンギョンの背中にヒチョルは抱きついて礼をいう

ハンギョンは背中にヒチョルを感じながら

「この猫どうするんだ?」と聞いた

「わかんない・・・でも元気になるまで世話してあげたい」

ハンギョンはそんなヒチョルを愛おしく思い

「お前らしいな・・」と言って

背中のヒチョルを自分の方に向かせてやさしく口づけした
【Eternal 番外編】使い魔3


森の中心部に泉が涌き出ている場所がある

そこは使い魔達の湯治場のようになっている

その泉に浸かる事によって

傷や疲れその他もろもろが修復されるパワースポットになっていた


今日もたくさんの使い魔達がその泉に浸かりに来ていて

露天風呂を楽しんでいる人間と変わりのない風景だった


「おやっ・・・そこにいるのはハンギョンさんの所のオウルさんじゃないですか?」

ハンギョンの使い魔であるフクちゃん事フクロウのオウルは

コウちゃん事コウモリのバット達と一緒に泉に浸かってのんびりしていた

突然声をかけられて首だけを真後ろにまわして相手を確認し

ニッコリと微笑みながら返事をした


「チャンミン氏のクロウさん・・今日はどうされましたか?」

チャンミンはハンギョンの仕事のパートナーなので

使い魔同士も顔を合わせる事が多い

特にクロウは仕事の依頼の連絡係をしているので

ハンギョンの元にいつもやってくるためにオウル達と親交があった


「いや~今日はちょっと昔の傷が痛みましてね・・・

主に休暇頂いて私だけここに来させてもらったんですよ」

人懐っこい笑顔でクロウは話しを続ける

「オウルさん達がここに来てるって事は・・・

主であるハンギョンさん達も来てるって事ですか?」


くすっ・・・・

2匹の会話を聞いていたコウモリ達はこっそりと笑う

クロウがヒチョルに懸想しているのに気付いているので

これからヒチョルの事に話を持ってくるんだろうと予想ができたからだ


「ええ・・ご主人たちは南側のコテージにいますよ・・・

今回は私達の湯治が目的なので、好きなだけ滞在できるんですよ」

オウルの返事を聞いてクロウは少し頬を赤らめた

多分ヒチョルの事を思っているんだろう・・・と周囲が思っていたその時



「あれ? カーちゃんがいる~!!!!!」とヒチョルの声がした


突然カーちゃんと呼ばれたクロウは驚いて泉の中にもぐってしまった

「ヒチョルさま・・・どうしました?」

オウルが泉のほとりに立っているハンギョンとヒチョルに気付いて声をかけた

見るとヒチョルの腕の中には子猫が大事そうに抱えられている


「すまない・・お前たちは今休暇中だから・・俺達の事に構わなくていいぞ

それよりチャンミンのカーちゃんはなんでここにいるんだ?チャンミンも来てるのか?」

ハンギョンの問いかけに泉にもぐっていたクロウは慌てて顔を出す

「私の名前はカーちゃんではありません。クロウです。

残念ながら主は来ておりません・・・人間界で美人とよろしくやっております」

ツンとすました顔をつくってクロウは答える

ハンギョンはその姿が可笑しくてたまらないのだが

必死で笑いをこらえていた


「カーちゃん!!!!久しぶりだね~元気だった?」

ヒチョルがニコニコしながらクロウに声をかけると

あれだけカーちゃんじゃない・・と言っていたのにも関わらず

クロウは嬉しくて顔が綻んでいる

「ヒチョル様もお元気そうで・・その子猫はどうされたんですか?」

ヒチョルは自分の抱えている子猫に一度視線を落とすと

「うん・・森の入口に捨てられてたの・・

この泉に浸かると元気になるかなって思って連れて来たの」

そう言って子猫を泉に浸そうとするが

子猫は水を怖がってヒチョルにしがみついて離れない

ヒチョルは困ってハンギョンに向かって訪ねた

「俺は・・この泉に入っちゃだめなの?この子と一緒に入ってあげたいんだけど」

「ダメって事はないけど・・使い魔達のための泉だから・・

使い魔は主と同じだと気が休まらないと思って

俺達はここは利用してないだけだ・・お前の使い魔はいないから

大丈夫だと思うが・・・」

ハンギョンの説明を聞くと

ヒチョルは静かに服を着たまま泉の中に入っていく

「泉に入ってるみんな・・ごめんね邪魔して

この子のために俺も少し浸るから・・・湯治の邪魔してごめん・・」

ヒチョルが泉で静養中の使い魔達にむかって笑顔で言うと

初めて出会った使い魔達はドキドキしながらヒチョルの笑顔を見つめ返した

みんなヒチョルの魅力に引き込まれていく


クロウはヒチョルと同じ泉に浸かっているという事で

黒い顔を赤くしてドギマギしている


ハンギョンはこの様子を眺めていて

ヒチョルが使い魔達まで魅了した事に驚き

ドギマギしている使い魔達を見て思わず微笑んでいた


こいつは・・他の能力はまだまだでも

使い魔を操る事はできるようだな・・・


ヒチョルの腕の中の子猫は泉からパワーをもらい

目に見えて回復していく・・・


ヒチョルはその様子を嬉しそうに見つめていた


周囲の使い魔達はそのヒチョルの笑顔を見て

幸せな気持ちになっていくのだった
【Eternal 番外編】使い魔 4

「チビ~こっちだよ~ほれおいで!!!」

ヒチョルが森の中心部近くにある原っぱで子猫と遊んでいる

毛糸を丸めてボールのようにして

転がしながらチビと競い合いながら取り合いをしている


チビと呼ばれている子猫は足が三本しかなかった

正確には左前脚が途中までしかなく

四本足で大地を踏みしめる事ができない

最初に気付いた時に

ヒチョルはリハビリで何とかしようと考えていた

そこで遊びながら走れるように

自分も一緒にボールの取り合いをしながら

訓練をしていたのだった


おかげで子猫は三本の足を器用に動かして

走る事もできるようになった


原っぱの隅では、ハンギョンが地面に敷いたシートの上に座って読書をしている

ヒチョルが子猫と本気でじゃれ合っている姿をチラチラと横目で見つめ

とっても愛おしそうな表情で見守っていた


「ハンギョン様・・・口元が緩んでいますよ」

使い魔のオウルがいつの間にかハンギョンの横にきてニヤリと笑った

「なんだ? お前ら静養中だろう? 俺の側で仕えなくてもいいんだぞ」

「いえいえ・・・ヒチョル様が心配で・・・・

ヒチョル様はあの泉の件いらい、すっかり使い魔の間で評判となりました

今日もたくさんの使い魔達が隠れてヒチョル様を見に来てます」

ハンギョンは使い魔達の放つ気を感じていたが

まさかそこまでとは知らなかったので、オウルの話しを聞いて不愉快になった


「ハンギョン様・・みんなヒチョル様を見てウットリしているだけですから

そんな・・殺気立った気を放たないでください・・・」

オウルの指摘にドキっとしたハンギョンは苦笑する


ヒチョルはそんな事にきづかず、子猫と楽しく遊んでいた

「チビ~お前すごく走れるようになったね~良かったぁ」

子猫を抱き上げるとゴロゴロと原っぱを転がっていく

「僕じょうずに走れるようになった・・ひちょるのおかげだ」

子猫は嬉しそうにヒチョルに抱きつくと2人でゴロゴロ転がって笑いあった


原っぱのあちこちから

使い魔のため息だけが聞こえてくる

ハンギョンはそんな様子を眺めて

改めてヒチョルの魅力について考えていた

「ヒチョル様の笑顔・・・見た人の心を熔ろかすような魅力がありますね

ハンギョン様・・あそこの木の影にチャンミン氏のクロウが隠れて見てますよ」

オウルは面白そうに木の影を指さす


「ハンギョン~!!!!」

ヒチョルが子猫を抱き上げたまま走ってくる


ああ・・森の妖精のようだ・・・なんて可愛いんだ・・・


ヒチョルを見つめるハンギョンの顔が緩んでくる

目じりも下がりっぱなしでデレデレ状態だ


オウルはそんな主を見つめていた

(本当にハンギョン様は変わった・・ヒチョル様を生涯の伴侶としてから

今まで人間らしい感情なんてなかったのに・・今では本当の人間の様に

喜怒哀楽まで分かりやすくなって・・・私は今のハンギョン様の方が好きだな)


ヒチョルの腕から子猫が飛び降りる

ハンギョンはヒチョルを強く抱きしめて耳元で何かを囁く

ヒチョルは真っ赤な顔をして「ば・・か・・」と呟いた

ハンギョンはヒチョルの唇に自分の唇を重ねる


ざわざわ・・・・

隠れて見ていた使い魔達の気が乱れている


ふんっ

ハンギョンはその気の乱れに見せつけるように深い口づけをする

ヒチョルはその甘美な口づけに力が抜け、立っていられなくなり

ハンギョンの胸にしがみつく・・・

2人の唇が離れると頬をほんのりと赤くしたヒチョルが

「ハンギョン・・・好き・・・」と囁いて自分から抱きついてきた



「ハンギョン様・・・分かりやすいなぁ・・・あれだけ見せつけられたら

誰もヒチョル様に近付こうとは考えないよなぁ・・・」

オウルは小さくため息をつくと足元にいた子猫に微笑む

「あっという間に大きくなったね・・君の時間は人間界の時間だから

私達とは違うんだなって・・もう大人になっちゃうね」

「僕・・・もうおとなになるの?」

「ヒチョル様とは・・いつまで一緒にいられるのか・・・」

「おとなになったら・・一緒にいれないの?」

子猫は悲しそうな瞳でオウルを見つめる


こればかりは何とも言えない・・・とオウルは答えると姿を消した


子猫はハンギョンに甘えるヒチョルを

寂しそうに見つめ続けていた

【Eternal 番外編】使い魔 Last


「ハンギョン・・この子の時間って俺達と違うの?

数日前に拾ってきたつもりなのに・・もう大人の大きさになってるよ」


ヒチョルは自分の胸に抱いている猫を優しくなでながら

ハンギョンに向かって不思議そうな顔をして聞いてくる


「僕? おとななの?」

子猫とはいえないサイズに成長したチビが不安そうな顔をした


ハンギョンはそんな2人を眺めて眉間にしわをよせると

「外から拾ってきたから人間界の時間で成長してるな・・・

でも森の中だから俺達と一緒に過ごしてるから・・・

体の成長と中身の成長がずれているみたいだな・・・」

「チビはまだまだ赤ちゃんだよね~」

ヒチョルがチビをあやすようにニッコリと笑う


「そいつどうする? 俺達はそろそろ外の世界に戻るぞ

いつも言ってるけど旅している俺達は動物を飼う事はできない」

ヒチョルは黙ってチビを抱きしめる


「僕・・・おとなになったら・・ひちょると一緒にいられないの?」

「なんでそんな事聞く?」ハンギョンがチビにむかって聞くと

「オウルさんが・・僕はおとなになったら、ひちょると別れないといけないって」


それを聞いてヒチョルはチビをギュッと抱きしめながら言った

「チビは生まれつき障害があるんだよ・・1人で生きていけないよ」


チビを拾ってきて世話をしながら

ヒチョルは人間だった時の自分を重ねて見ていた

生まれつき心臓に欠陥があり

ただ死ぬのを待っているような毎日

ハンギョンと出会って

ハンギョンの一族となって

普通の生活を出来るようになったが

三本脚のチビを見るたびに昔の自分を重ねてしまっていた


チビを抱きしめたまま涙をながすヒチョルを見て

ハンギョンはしばらく黙っていたが

真剣な顔をしてチビに聞いてきた

「ヒチョルはお前が心配で離れたくないみたいだが

お前の気持ちはどうだ?」


チビはハンギョンに聞かれて即答する

「僕は・・ひちょると一緒にいたい」

その言葉を聞いたハンギョンは空に向かって声をかけた

「オウル・・そこにいるんだろう・・でてこい」

何もなかった空間が歪んだと思ったら

そこから白いフクロウが現れる


「はいハンギョン様・・ご用はなんでしょうか」


ヒチョルがチビを抱きしめている姿を指さすと

「話は聞いていただろう?

お前の意見はどうだ? 最善の方法ってあるのか?」


オウルは2人の様子をじっと眺めると

「方法は一つしかありませんね・・・

このままでいても数日後には寿命が来ますし・・・」


ハンギョンはオウルの意見を聞くと

ため息をひとつついてヒチョルに優しく言った

「残された方法としては

チビをお前の一部にするしかないな・・・」

「?」

「チビをお前の使い魔にするんだよ・・・それならずっと一緒だ

ただ・・チビと契約しないとだめだけど」


「チビが・・・俺の使い魔に?」

ヒチョルは予想しなかった言葉にぼんやりと答える


「チビ・・使い魔となったら今までのような関係じゃなくなるぞ

主従関係だからな・・・ただヒチョルが死ぬまで一緒にはいられる」


「僕・・・一人ぼっちだから・・ひちょると一緒にいたい」

「使い魔は結構ハードなお仕事ですよ・・チビさんは大丈夫ですか?」

「ひちょるのために働くなら・・僕・・・使い魔になる」


「ヒチョルも了解なのか? だとしたら青年期の体の今

使い魔にするのにちょうどだな」


そう言うと使い魔にする儀式を行うために

オウルやバット達に指令をとばした・・・


「チビ・・・俺とずっと一緒にいてくれるの? 俺の使い魔になってくれるの?」

「ひちょる・・・僕・・一人ぼっちだから・・ひちょるの為に働く」


ハンギョンに助けてもらいながら、ヒチョルはチビと使い魔の契約を結ぶ

チビを自分の体の一部とするために、力をチビに分け与える


チビの体が光の環に包みこまれた

しばらくすると生まれ変わったような美しい猫がそこに姿を現した


「チビ・・・足があるよ・・・」

ヒチョルに言われてチビは自分の足を見る

ちゃんと四本揃って大地を踏みしめていた


「ヒチョル様・・・」チビの声も今までと違って落ち着いた麗しい声となっていた


「体と心のずれが調整されたんだな・・これが本来のチビの姿なんだろうな」

ハンギョンはそう言うとオウルに向かって

「オウルから使い魔の仕事を教えてやってくれ・・・・

ヒチョルは俺の生涯の伴侶だから・・・お前達もチビと生涯を共にすることになるしな」


ヒチョルはニッコリと微笑むと

「もうチビって呼んじゃだめだね・・・名前つけないと・・」

そう言ってしばらく考え込むと

「ヒボム・・・ヒボムに決めた」

ヒボムとなったチビを両手でぎゅっと抱きしめると

「これからずっと一緒だよ・・俺と一緒に生きていくんだね

ヒボムよろしくね」

微笑みながらヒボムの頬にキスをした

「ヒチョル様・・・ずっとお守りしていきます」

ヒボムは大きな瞳に涙を浮かべながら微笑む




美しいヒチョルの

美しい使い魔ヒボムの誕生だった


ハンギョンと出会ってヒチョルが生まれ変わったように

ヒチョルに助けられたヒボムもまた生まれ変わったのだった


この後ヒボムは何度もヒチョルの窮地を救う事になるが

それはまた後での話となる

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。