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宗文がソウル旅行からの帰りに

悪天候の中羽田着陸できずに房総半島の上を

ぐるぐる旋回していた時に妄想していた話です

待機中はもうガタガタすごく揺れて吐きそうになったのと

不安でドキドキしていたので

必死に楽しい話を妄想していました・・・・なのでコメディです



[恋するフライト SJ航空] 1


韓国でも1、2を争うチェ財閥の一人息子のチェ・シウォンは

ありあまる親の財産を生前分与されて事業をいくつか経営していた

ここにきてシウォンを溺愛していた祖父がなくなり

祖父の遺言により多数の孫の中からシウォンが祖父の企業を受け継ぐことになった


祖父は経済界をかなり前に引退していたが

慈善事業の一環として格安航空会社を作ろうとしていた

その道半ばで亡くなったために

シウォンがその志を受け継ぐ形となったのだった


自分はチャーター機に乗っての移動が多く

そろそろプライベート機が欲しいと思っていたので

航空会社の運営にシウォンは興味津々だったのだ


何もないところからのスタート

もちろん操縦士やCAを育てる時間もないために

航空機も操縦士も客室乗務員もすべて中古品で賄うことにして

年齢や見栄えは二の次にして

とにかく技術を重視しての採用で

なんとか最初のフライトまでこじつける事ができた


ソウルの金浦から日本の茨城空港まで

1日1往復 週に2便のみでスタートすることになった




「ハンギョン~♪ 久々のフライトだねぇ~ワクワクするね」

副操縦士のヒチョルが楽しそうに隣の男に声をかける

「ああ・・俺たちの事がばれてクビになって

どうなるかと思ったけど・・何とか拾ってもらえたな」


端正な顔だちのハンギョンと呼ばれた男性は

少し前まで大手航空会社の花形パイロットだった

腕も顔もいい操縦士だったのだが

副操縦士のヒチョルと並々ならぬ関係となってしまい

いまどき社内恋愛禁止の会社だったので2人して解雇となってしまった


副操縦士のヒチョルは女性と間違える位の美貌の持ち主で

ヒチョルに懸想をしていた男性社員も多々いたらしいとのうわさだった

いろいろあって2人は晴れて恋人同士となったのはいいが

職を失って困っていた時に

LCCに新規参加のSJ航空に採用されたのだった



「ねぇねぇミミヒョン・・・リボン曲がってない?」

「ん? リョウク大丈夫だよ・・今日も可愛いよ」

「ミミヒョン♪ シュジュ航空に採用されて良かったね~

ヨジャ用の制服着てもいいって言われたし~」

「まあ・・上だけだけどね・・さすがにスカートはダメっぽいよ」

リョウクとソンミンが2人で嬉しそうに制服を見せあっている

2人とも某航空会社で優秀な客室乗務員として働いていたが

どうしても心の中の乙女心を隠しきれずに

女性用の制服をこっそり着用したのがバレて

2人でひっそりと職場を辞めた

客室乗務員としてはものすごく優秀で

2倍3倍も働ける能力を持っていたために

優秀な人材の欲しいSJ航空にとって

女装くらいはどうって事なかったのだった



客室乗務員を束ねるチーフ長であるイトゥクは

あまりにもいろんな事情で中途採用されたメンバーを見て

最初の顔合わせの時に思わず頭を抱えたくなった

イトゥク自身も大手航空会社で勤務していたが

親交のあったシウォンから口説かれて

給料増額でSJ航空に移ってきたのだった


「まあ新人はいないから・・・

なんとか初フライトも無事にすみそうだし・・」

イトゥクはそう呟くとネクタイをキュっと締めなおして

「それにしても客室乗務員が全員・・・男っていうのも・・

働く側としては・・つまらないな・・・」

たまたまなのかシウォンの意図なのか・・・

イトゥクはため息をひとつつくと今日のフライトスケジュールを持って

ミーティングに向かうのだった

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[恋するフライト SJ航空] 2


SJ航空も格安料金で日本に行けるというので

何度も往復する人々にとって評判も上々だった

茨城空港という都心から離れた場所でも

東京まで無料リムジンバスを走らせることにより

マイナスイメージをぬぐうことができた


羽田での発着を予定していたシウォンにとって

茨城空港は当面のつなぎとして苦肉の策で承諾した

そんなこんなでSJ航空も開業してから半年が過ぎて

初めての冬を迎えることになった




「今日のフライトが終わったら待機なんでしょ?」

ヒチョルがハンギョンの膝の上に座って甘えた声で聴いてきた

「ああ・・折り返しでソウルに戻ることはなくて

そのまま2日間の休みが付いてくる・・・そしてオーナーだけ乗せて

ソウルに戻ればいいんだ」

ハンギョンはそういうとヒチョルの髪に顔をうずめて首筋にキスをする

「ん・・・くすぐったいよ」

ヒチョルがくしゅっと顔をゆがめるとハンギョンはヒチョルを優しく抱きしめる


「今回は奮発したぞ・・・日本で温泉行くから・・高級温泉旅館楽しみだな~」

「温泉?」

「プライベート露天風呂付の部屋を奮発したんだ」

ハンギョンはそういうと嬉しそうに目じりを下げる



こいつ絶対にスケベな事想像してる・・鼻の孔・・でかくなってるし・・


ハンギョンの顔をみてヒチョルは頬を赤く染める

ハンギョンがHな妄想をしていると必ず鼻の孔が膨らむのだ


ハンギョンの膝から降りたヒチョルが

リモコンを手にしてテレビをつけると天気予報をやっていた


韓国の南部から日本にかけて寒冷前線があり

アジア諸国の首都の天気予報で東京に雪だるまの姿が描かれていた


「ハンギョン~珍しいよ~東京が雪だって」

「久々の雪のフライトになるのか・・・ってソウルは降ってないな・・・

さて・・出勤の時間だな・・・」

「うん」


2人は軽く口づけをすると

急いで出勤の身支度を始めるのだった






[恋するフライト SJ航空] 3


「今日のお客様は・・・日本に帰る団体さんとオーナーだけだね」

「本当にこの会社って儲けとか関係ないんだね」

可愛いヨジャ用の制服を着たソンミンとリョウクがチェック表を見ながら話している

今日のフライトは乗客が100人程度なので客室乗務員もリョウク達と男性乗務員のドンヘとウニョク

そしてチーフのイトゥクの5人体制だった

今日の乗客は茨城空港の地元にあたる

小美玉市のJAが企画した「ソウルパワースポットめぐり」ツアー客だけで

採算が取れているのかと働く側からも心配されているSJ航空だった

今回もツアーの帰りの客とオーナーを乗せてフライトして

その3日後に商談の終わったオーナーだけを乗せて金浦に戻るという

本当に儲けを度外視したフライトを続けている



「ミミヒョン♪ 日本で2日間の待機休みがあるでしょ? 何するの?」

「丁度ギュの楽だからそれを観て・・その後はデートするの」

ソンミンの恋人のギュヒョンはミュージカルアクターだった

ちょうど彼の日本公演の最終日をみて、翌日は2人で東京を楽しむという予定だという

「リョウクは?」

「うん・・・僕もデートするの」

「リョウクの彼氏も日本にいるの?」

「今度原宿にcafeをオープンするって下見に行ってる」

リョウクの彼氏のイェソンは実業家で

ソウルで成功したcafeの日本出店を予定して下見に来ていたのだった

「お互いに楽しみだねぇ~」

ソンミンとリョウクは2人して楽しそうにほほ笑みあった


飛行機は無事に離陸してシートベルトのランプも消えた

「いやいやいやいや・・小川のおじさん旨いものたくさん食ったっけな~」

「そんだなぁ~パワースポットもたくさん回ってモリモリだしよぉ」

「あれ~そういえば関東地方は大雪だって~今朝のNHKで言ってたっぺ」

「お前・・・ここは韓国だぞ~NHKなんて見れたのか?」

JA小美玉の団体客はそれぞれ客席で楽しそうに話をしていた

ツアー内容がとても充実していたようでみんな満足顔をしている

そして格安航空なので機内食がないのも知っていたが

SJ航空では機内食の代わりに菓子パンとパックの飲み物が出る

それがまた美味しいとの評判で乗客の満足度を上げている要因にもなっていた


「ヒョク~お前んとこのパンは本当に評判いいね」

ドンヘがパンとパック飲料を配り終えた後にウニョクに笑顔で言うと

「我が家のトレジュールもSJ空港と専属契約がとれて

本当に助かってるんだよ~家族総出でパン作りしてるからね」

「パック飲料もヒョクの好きな苺牛乳って・・・」

ドンヘがクスっと笑ってバックヤードでウニョクを後ろから羽交い絞めにする

「こらっ何すんだよ~」

「へへへ体なまっちまうよ~少し運動しなくちゃ」

他人からみればいちゃついているようにしか見れない状況下で

イトゥクは頭を抱えながら2人をギロリと睨んでおとなしくさせた


コックピット内では

機長のハンギョンが自動操縦に切り替えて

ヒチョルにウインクを送る

ヒチョルはそれを受けて投げキッスをした・・・

2人はいちゃつきたいのを我慢しながら操縦に専念している

2人の会話はボイスレコーダーに収録されるので

余計な私事を話さないように気を付けていた

なので自然とコックピットの中ではボディランゲージでの会話が

日常化されていた

時々覗きに来るイトゥクなどに完全に呆れられているのもヒチョル達は知らない


飛行機が金浦空港を離陸したころ

羽田空港は完全に大雪のために閉鎖され

成田空港はみぞれ交じりの雨だったので閉鎖は免れたが

羽田から目的地変更の飛行機で大混雑をしていた


SJ空港が目指している茨城空港など完全に雪の中に埋もれていた
飛行機に関してよくわかってないので内容的におかしい事があっても

妄想空想話としてスルーをお願いします



[恋するフライト SJ航空] 4


「ちよっと~すっちーじゃなかった・・・CAさん~」

日本のJAの団体客の1人が手にしたタブレット端末を見ながら

近くを歩いていたドンヘを呼んだ

「はい・・・何かご用でしょうか・・・」

女性なら誰でもが虜にされてしまう甘い笑顔でドンヘは答える


「これさぁ・・・今の茨城空港なんだよ~完全に雪に埋もれてるよな

本当に着陸できんの? 他空港への目的地変更って・・俺いやだからな!!!!」


SJ航空はサービスの一環として

飛行中のWi-Fiサービスを行っていたので

離陸時と着陸時以外だったらいくらでもネットができた

今もタブレット端末で茨城空港の現在の様子を検索していた乗客が

あまりにも積雪のすごさに不安になってドンヘにその動画を見せたのだった


「うわっ!!!!!お客様・・ちょっと貸してください」

ドンヘはタブレットを乗客から預かると大急ぎでバックヤードに入り込んだ


「チーフ!!!!これ見てください!!!!絶対に無理ですよ」

イトゥクは茨城空港は現在除雪作業中という情報を得たばかりだったので

ドンヘに見せられた動画に眉をしかめ

「管制官の指示待ちになるだろうね・・・しばらく上空待機か・・・」

近くにいたドンヘ達にそう説明するとコックピットに入って行った



「こいつは・・・すごい悪天候だ・・・」

ハンギョンが管制官とやりとりをした後に小さく呟いた

「揺れてる~揺れてる~日本の遊園地のすごいコースター思い出すね~」

ヒチョルが楽しそうに言うとハンギョンが優しくほほ笑んだ

「どどんぱー」

「どどんぱー何かのおまじないみたい・・・」



その様子を見ていたイトゥクは

どんなに最悪な状況下になっても

その状況を楽しんでいる

この機長と副操縦士に何とも言えない信頼を感じていた



こいつら・・・絶対になんとかしてくれるよ・・悪運強そうだし・・・


「イトゥク~茨城空港に着陸予定で上空待機だって~

羽田は閉鎖だし成田もダメだって・・・」

ヒチョルの声がしてイトゥクはすぐに答える

「乗客の方はまかせてくれ・・今から説明してくる」




「お客様にご案内いたします

当機は茨城空港に着陸予定の時刻となりましたが

悪天候のためにただいま上空待機命令が出ております

お急ぎの所まことに申し訳ございませんが

もうしばらくお待ちください」


イトゥクの流暢な日本語に団体客がざわざわと騒ぎ出した

スマホのラインやTwitterで関東地方の大雪の事を知っているので

もしかしたら名古屋とか北海道とかに連れていかれてしまうのかと

乗客から不安の声が出始めてきていた



ファーストクラスに1人だけ乗っていたオーナーのシウォンは

自分で持っていたノートPCを広げて現在の茨城の様子を検索していた


「オーナー大丈夫ですか? 」ウニョクがコーヒーを差し出しながら不安げに訪ねてくる


「ちょっとラインで連絡とれるかな? 例のもの納品されていればいいんだけど」

シウォンは渡されたコーヒーを一口飲むと

いそいでどこかに連絡を取り始める





「ミミヒョン・・・・なんか気持ち悪くなってきた」

「さっきから揺れがひどいからね・・・リョウク少し座ってなよ」

「大雪だけど・・・大丈夫かな・・・最悪どっかに迂回するのかな」

顔色の悪いリョウクを心配してソンミンはやさしく抱きしめ頭をなでる


「僕たちのやるべきことをやるだけだよ・・・お客様を不安にさせないように

リョウクもちゃんと笑顔を作って!!!!」

「うん・・・」

「ここでちゃんと着陸しないと・・・そしたら楽しいデートが僕たちを待ってるんだ~」

「ミミヒョン・・・・本当に久しぶりに会うんだよね」

「そうだよ!!!!!大雪なんかに負けてたまるか!!!!!」

ソンミンの勇ましい顔をみてリョウクが小さくほほ笑んだ

「そうだね・・僕たちの最善をつくさなくちゃ・・僕たちはプロだもんね」


茨城空港では唯一の滑走路の除雪作業が急ピッチで行われていた

[恋するフライト SJ航空] 5



茨城空港では倉庫にしまってあった超大型除雪機の出動が決まり

係員が総出で作業に追われている


「これってさぁ~SJ航空の持ち物だよね~勝手に使っていいの?」

「さっきオーナーからのGOサインが出たそうだ・・でも初使いだからな」

「JAの川端さんが操作できるって・・今こっちに向かっている」


空港の係員の1人が空を見上げて呟いた


「すっかり夜になっちゃったね・・・まだSJ002便は上空を旋回してるんだね・・・

2時間たったよ・・・今更迂回しての他空港は無理だよね・・・」

「ああ・・・もうここに降りるしかないんだ」

「乗客ってさ・・全員がJA小美玉のツアー客だよな・・・何かあったら後々まで何言われるかわかんない」

「だから近隣のJAスタッフも雪かきの手伝いに来てくれるそうだ」


スタッフの2人は超大型除雪機「馬っするくん」をすぐに作動できるようにセッティングしていた

馬なみの馬力でどんな積雪もを除雪できるという「まっするくん」

日本に来ていたシウォンが北海道まで乗り入れしようかと

冗談半分で話していた時に勧められたものだった

名前の響きに何か感じるものがあって購入して茨城空港に預けておいたのだ


どんどん降り積もる雪に負けじと職員たちも雪かきに専念している






「ハンギョン・・・あまり嬉しくないお知らせします・・・」

ヒチョルが上空待機2時間過ぎたころに計器を見ながら話しだした


「何が言いたいか分かる・・・もう燃料がないんだろう」

ハンギョンが管制官と話終わってからヒチョルの方を向いて答えた

悪天候は収まる気配もなくどんどんひどくなっている


「成田は入り込む余地はなく無理だ・・中部国際への着陸を打診されたが断った・・・

名古屋まで燃料がもう持たない・・・そうだろう?」


「名古屋どころか・・・もうすぐエンジン止まるかもよ~」

2人の会話にイトゥクが入り込んできた

「空港ではなんとか除雪作業が進んでいるそうだ・・・オーナーが酔狂で買った

例の馬除雪機が発動しているみたいだよ・・・今なら降りれるんじゃないか?」


「ハンギョン!!!!もう決断の時だね・・降りるしか選択肢なくなっちゃったね」

「イトゥク・・降りる準備するから・・乗客を頼む」

ハンギョンの言葉をうけて

「了解した・・・爆発だけはしないように・・」

イトゥクはにっこりとほほ笑むとコックピットから出て行った




「お客様にご案内します

茨城空港の除雪作業が順調に進んでますので

当機は今より茨城空港の方へ着陸する体制に入ります

シートベルトをしっかりと閉めてください

路面が雪で覆われていると予想されますので

こちらから指示がありましたら

衝撃に耐えるために頭を抱えて体制を低くしてください」



乗客席からざわざわと声がしてきた

「お客さま!!!!!大丈夫ですご安心ください・・・

当機の機長の腕はソウルでも5本の指に入るくらいです

後輪が出ないアクシデントもウィリー走行をして無事に着陸した人です」

ドンヘが自信満々で説明をすると

乗客は何故か納得して静かになった


(ドンヘのこんな説明で納得できたのかな・・・)

隣のウニョクは首を傾げたが

よくわからないままに相手を納得させてしまうのもドンヘの持った技だと

自分に言い聞かせて席についた


客室乗務員達も席に座ってシートベルトをしっかりと閉める


飛行機は茨城空港に着陸するために高度を下げていった

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