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ハンチョルSF話

【時のはざまの中で】

人類が宇宙旅行を手に入れた時、誰もが次は時間旅行だと確信した

宇宙旅行で使われているワープ走法の法則を利用しての時間移動・・・

それはもうすぐ人類の手に入る・・・そんな所まで来ていた・・・・



そんな時間移動の研究をしているスペースアカデミーの入所式が今日行われた

スペースアカデミーは選りすぐられた頭脳明晰のメンバーが集まる場所である

その優秀なアカデミーに入所するには、付属する大学校にものすごい倍率を勝ち抜いて入学し

過酷な授業に6年間ついていき卒業単位を取れたものだけが入所できるのだった・・・


しかし入所式と言ってもほとんどの研究員は付属の大学からなので、緊張感もなく

これといって新鮮味は感じられず、参加する研究員は、たいくつな祝辞中に欠伸をどう我慢するか

そんな事を考えてたりしていた


「ハンギョン・・・お腹空いた・・・」

「ヒチョル・・・だから何か食べておけって言ったじゃないか」

ハンギョンとヒチョル・・・ハンギョンは今年の入所研究員の中でも抜群の頭脳を持ち合わせ、

ヒチョルは女性と見間違うばかりの美しさで大学校の時代から2人ともとても目立っていた


(大学校の入学式の時と同じだな・・・あの時もお腹空かせていたっけ・・・ヒチョルは・・・)

ハンギョンは6年前の事をつい昨日の事のように思い出してクスっと笑った・・・・・


6年前

ハンギョンは必死に勉強してものすごい倍率を突破し、アカデミー大学校に入学許可を得た時に

人生の目標の半分を達成した気持ちでウキウキしていた

彼は幼い時に父親を亡くし、少年期に母親も亡くし、歳の離れた弟と妹を養いながら勉強してきたので

とても苦労をしてきている

入学式なのに着て行くものがなく、父親の遺品である古ぼけたスーツで参加した

彼の横に座ったのがヒチョルだった

他の人達が気張って新調したスーツ姿の中、ヒチョルは普段着姿で参加していた

普段着で参加したにも関わらず、あまりの美しさに周囲はみんな見とれてしまう・・・

ヒチョルは何を着ても周囲の注目を浴びてしまうが本人は全く気にしてなかった

(似ている・・・あのお姉さんに・・・僕の初恋の人に・・・)

ハンギョンはヒチョルを初めて見た時に驚きのあまり息をのむ・・・・

彼の初恋の人にすごく似ていたからだった・・・


「お腹空いた・・・」隣の美人が呟いた言葉がハンギョンはとっさに理解できなかった

「なんか・・・倒れそう・・・」もう一度呟いた

ハンギョンはハッとしてカバンの中に入っていたチョコレートを取り出して

「食べる?」

「え?いいの?サンキュ♪」美人はニッコリと微笑むとチョコレートをひとつ口に入れた

女性と思っていたのに・・・声を聞くと男の子だった

ますますハンギョンは驚く

「この退屈な入学式終わったら一緒にご飯たべない?」ヒチョルと名乗った美少年がハンギョンに言った


それがヒチョルとの出会いだった・・・・
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ハンチョルSF話

【時のはざまの中で 2】

退屈な入学式の終了間際に・・・・

「カバン持って・・・今から走るから」

ヒチョルがハンギョンの手を握って囁いた

ハンギョンは良く分からないままヒチョルに手をひかれて走り出す


ヒチョル目当てに集まってくる人々をかいくぐって2人は食堂に向かった


ハンギョンは何が起きたのか分からず驚いた顔をしてヒチョルを見つめると

「何かしんねーけど、俺の素性を知っている奴らが俺とオトモダチになりたくて寄ってくるんだ」

キョトンとしているハンギョンを見て

「ハンギョンだっけ・・・お前は俺の事知らないみたいだけど・・」とクスっと笑った

ドキン・・・

その笑顔がとても美しく・・・10年以上も昔の初恋の人を思い出させてハンギョンの胸を締め付ける

ヒチョルはメニューを見て適当にあれこれ頼んだあと

「お前・・・お金持ってる?・・・俺財布すら持ってないんだけど・・・」

「・・・・・・・ここの払いくらいなら・・・大丈夫だよ・・・」

「俺さ・・・3日メシ食ってね~んだ・・・ここに入るの親に反対されてさ・・・

部屋に監禁されて・・それを抜け出して・・・やっと学校にたどり着いたら・・・

カードは使えね~し現金もってね~し・・・着の身着のまま状態・・荷物もない・・」

「アカデミー大学校は入学金も授業料も全て国で払ってくれるし、完全寮生活だし

かかる費用はゼロだけど・・・着替えも勉強道具もないの?」

「うん・・・さっきカード使えないから文句の電話したら・・・俺・・勘当されたってさ・・・」

ヒチョルは自分の事なのにケロっとして話す

料理が運ばれてきたのでヒチョルはそれを食べ始めた・・・・・

とても豪快に食べている姿にハンギョンはビックリして見つめる・・・

(よほど・・お腹空いてたんだな・・・でも汚い食べ方じゃないし

すごくおいしそうに食べていて・・見ているこっちも嬉しくなる食べ方だな・・・

僕のつくった料理をこんな風に食べてもらえたら嬉しいかも・・・)

「ん?俺の顔になんかついてる?」見つめられてヒチョルが怪訝そうな顔する

「いや・・・美味しそうに食べるなって感心してたんだよ」

ハンギョンはニコニコしながらヒチョルに話をした

「お前・・・笑うと子供みたいな顔になるんだな・・可愛い」ヒチョルがぽつりと言うと

ハンギョンは照れて下を向いてしまった・・・・



ヒチョルのお腹が落ち着くと

2人は寮に向かって移動をする・・・寮は2人部屋で偶然にもヒチョルとハンギョンは同室だった

「お前と一緒♪よかった・・・」ヒチョルはホッとして嬉しそうにハンギョンを見る

「え?」

「お前・・・良い奴っぽいから・・・なんか一緒にいて安心できる・・・

俺・・・・変態に追いかけられるの結構あるからさ・・・」

ヒチョルに認められて良かったのか・・・ハンギョンはリアクションに困った・・・

でもハンギョンも初恋のお姉さんに似ているヒチョルと同室となって嬉しかった

入学式以来2人はとても仲のいい親友となり・・・その2年後には恋人になった・・・・

ハンチョルSF話

【時のはざまの中で 3】

研究所の入所式終了後・・・・

カフェテラスで食事をしているヒチョルの横でコーヒーを飲みながら、

美味しそうに食べているヒチョルを嬉しそうに眺めているハンギョンの姿があった

6年前と全く同じシュチュエーションにハンギョンは笑いがこみあげてくる


「お前・・・何笑ってんの?」ヒチョルが怪訝そうな顔をする・・・

「大学校の入学式の時と一緒だね・・・いつも僕がヒチョルにご飯食べさせてる・・・」

微笑むハンギョンの顔にヒチョルはドキンとして頬を赤らめたがすぐに真顔になって

「あん時は助かった・・・俺・・金なくて・・・お腹空いてたし・・・

お前が隣で良かった・・・・寮でも洋服から勉強道具までいろいろ用意してもらって・・・」

ハンギョンの瞳をまっすぐ見つめながら、感謝の気持ちをのべる

「ヒチョルがキム財閥のひとり息子だなんて知らなかったの僕ぐらいでしょ・・・

でも財閥の後継者の地位を投げ捨ててまで大学校に入りたかったんだ・・・勉強が好きだったんだ」

笑いながらハンギョンが言うと・・・ちょっとムッとしながらヒチョルは言いかえす

「お前だって・・・俺と一緒じゃん・・・勉強するしか能がなくて・・・研究者になるしか道がなくて」

ハンギョンはニコニコしながら聞いている

「俺・・・愛されてなかった子供だから・・・あの家から出たかったんだ・・・

家から出て自立するにはアカデミーに入るしかなかったんだ・・・」

財閥のひとり息子のヒチョルは早くに母親を亡くし、父親は仕事が忙しく顔を見る事もなく

後妻で入った若い継母もヒチョルに関心がなかった

広い屋敷でいつもひとりぼっちだった・・・さみしさを紛らわすために勉強をしていたようなものだった

アカデミー大学校に入学した事により父親の逆鱗にふれ・・・今では勘当されてしまいお金もない状態だった

ハンギョンも裕福ではない・・・両親が亡くなって働きながら勉強してきた

ちょっとした貯金があるだけで贅沢はできないが、ヒチョルの必要なものはそろえる事ぐらいは出来た

子供の頃に状況こそ違えど、愛されないでそだった二人は同じ心の傷を抱えていた

そしていつしかお互いに求めあうようになったのも自然の流れだったのだろう・・・・

「でも・・今は・・・お前がいるから・・・俺は・・・・」ヒチョルがハンギョンの顔を見つめて

「ハンギョン・・・ずっと・・・俺のそばにいて・・・」切なそうに訴える・・・

ハンギョンの胸がズキンと痛む・・・恋人同士になってもう4年・・・・

今ではヒチョルなしでは生きていけないのはハンギョンも同じになっている

「ヒチョル・・・」ハンギョンはヒチョルを自分に引き寄せると優しく口づけをした


ゴホン・・・

2人の頭上で咳払いがする

「お前ら~公共施設では慎んでもらいたいんですけど・・・」

同僚のカンインが苦笑いをしながら2人を見つめる・・・

その横で大学校で一緒に勉強したイトゥクも笑いながら2人を見ている

「おうっイトゥク・・・久しぶり~お前研究班違ったよね」ヒチョルが嬉しそうに話しかけた

「うん・・・俺は宇宙工学の方面だから・・・時間軸のヒチョル達とは別れちゃうけど」

今度お互いに職場に慣れたら飲み会でもしよう・・・と言ってイトゥクは去って行った・・・

「大学校では理論ばかりの勉強だったけど、研究所では実践もともなってくるぞ

体力つけとかないとな」カンインが笑いながらヒチョルに向かって

「ヒチョル・・もっと食え・・もっと食って俺ぐらいになれ」と言うと

「それは僕が許可しないっ」ハンギョンの即答にカンインとヒチョルは思わず笑って

つられてハンギョンも笑い、しばらく3人で笑いあっていた・・・

ハンチョルSF話

【時のはざまの中で 4】

ヒチョルとハンギョンがアカデミーの所員になって2ヶ月が過ぎ

2人が所属する「時間軸」を研究している班には

カンインを入れて3人の新人が配属された・・・・・

大学校では理論を嫌という程勉強させられて

研究所では実践をともなう研究がなされている・・・

「なんか・・今日・・・調子悪くねぇか?」

先輩所員達が瞬間移動の計器をいじりながら呟いていた・・・



「おはようございます♪」

ヒチョルがハンギョンと一緒に研究室に入ってきた

その場が凄く華やかになる

男だと分かっていても、ハンギョンという恋人がいると分かっていても

周囲の男性陣はヒチョルの笑顔にドキドキを覚える

室長のテギョンはヒチョルの美しさにみとれながら

「おはよう・・今日は新入りの研修最終段階として、瞬間移動の実践をしてもらうから」と言った


ハンギョンの顔を見つめながらヒチョルが「俺♪マシーンの方担当するから・・ハンギョン操作して♪」と言うと

ハンギョンはヒチョルの手を握って微笑んだ・・ヒチョルもハンギョンの手を握り返す・・・


実習着をきたヒチョルがブースの中に入る・・・まずマイクの確認をする・・・

「ヒチョル・・・聞こえるか?」

「うん・・・聞こえるよ・・」


A地点にいるヒチョルを B地点に瞬間的に移動させる機械の操作をハンギョンとカンインが行う


(この実習着って・・・なんかださっ・・・もう少し可愛くなんね~のかな・・・)

ブースの中のヒチョルはのんきに構えていると・・・・インカムからハンギョンの声が聞こえてきた

「スイッチ入れるぞ」

「OK」

この操作は初歩的なもので新人3人はなんも考えずに気楽に操作を行っていたが・・・

スイッチを入れた途端に・・・・



バチバチッ!!!!!!!


移動のためにヒチョルの姿が消えかけて来たときに・・・・

いきなり機械がショートした・・・


「うわぁ~」

「ヒチョル~!!!!!!!!!」


みんなの目の前からヒチョルの姿が消えた・・・機械はショートして煙をふいている・・

「ヒチョル!!!!!ヒチョル!!!!!!」ハンギョンはマイクにむかって絶叫してた・・・


室長のテギョンも慌ててかけつけてきて「どっかの時間に落ちればいいんだけど・・

時間の歪みにハマったら二度と出て来れないぞ」

それを聞いたハンギョンは室長を睨みつけ「絶対に俺が助け出します」と叫んだ


***************************************************************************

「痛って~」道路に叩きつけられたヒチョルは・・・


「ここは・・・どこだ・・・・俺・・研究所の中を移動するハズだったのに・・・」

周囲を見回すと街中にいる・・・それもちょっと古臭い感じがする・・

「俺・・・どっかの時代にとばされたのか??????」

道を歩いている人達の言葉を聞いていると・・・同じ言語だ・・・

俺達の街のちょっと昔にいるのかな????

インカムを通してハンギョンに向けて声をかけてみた

「ヒチョル!!!!!大丈夫か」ハンギョンの泣きそうな声が微かに聞こえる・・・

「状況報告・・・今いるのは多分ソウル・・ただどのくらい過去になるのかは判断できない」

「ヒチョル・・・怪我してないか?」

「怪我は無いけど・・人々の服装からすると・・・ちょっと昔になるのかな」

そこで突然音声が途切れた

「もしもし・・・もしもし・・・」ヒチョルから声をかけても反応はない

あーあインカムも壊れたか・・・さて・・・これからどうするかだな・・・・

とりあえず言葉は通じるから良しとして・・・・・


考えをまとめようとして座り込んでいたら

「お姉さん・・・どうかしたんですか?」

少年が声をかけてきた・・・・・・・



**明日からソウル旅行に行ってきます・・しばらく更新できませんが
ヒチョルのいるソウルでヒチョルと同じ空気を吸ってきます・・・続きはしばらくお待ちください
ハンチョルSF話

【時のはざまの中で 5】


ヒチョルが僕を見つめて微笑んでいる

可愛い・・・・抱きしめようとすると・・・するりと逃げる・・・

『ハンギョン・・・こっちだよ・・・』

ヒチョル・・・待って・・・

暗闇の中ひとり取り残される・・・・


ヒチョル・・・どこにいる??????


『ハンギョン♪ お前の背中にある痣・・ハート型じゃん・・可愛い』

ベットの上でヒチョルが僕の背中に抱きついて囁く

『俺・・・この痣・・好き・・・お前も・・・好き・・・』

初めて愛し合った時に言われた台詞・・・


『俺さぁ~着の身着のままで家から逃げ出してきたから

なーんも持って来れなかったけど・・・これだけは持ってきたんだ♪』

ヒチョルはお守り袋から記念コインを取り出してみせてくれた

『現国王の即位記念の金貨だね』

『おじいさまから貰ったの・・・お守りにしてたから持って来れたんだ』

愛おしそうに金貨を見つめるヒチョル・・・・



『俺・・・お前の初恋の人よりも上? 俺・・・お前の一番じゃなきゃ嫌だ』

僕がヒチョルを愛していると告白した時に言われた言葉・・・


ハンギョン♪

ハンギョン!!

ハンギョン・・・

嬉しそうに笑うヒチョル

僕に怒るヒチョル

悲しそうに泣くヒチョル

ヒチョル・・・・ヒチョル・・・ヒチョル・・・


どこにいるんだ・・・・

僕は君がいない世界じゃ生きていけない・・・

あああああ・・・・ヒチョル・・・・




あれ・・・道端に誰かが座り込んでいる・・誰?

僕は声をかける・・・僕は子供の姿になっている・・・

綺麗なお姉さんだ・・・・

ああ・・・僕の初恋のお姉さん・・・・

お姉さんは僕に微笑む・・・・お姉さんは変わった服を着ていた・・・

お姉さんの顔がヒチョルの顔に変わった・・・・・


!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!


「ハンギョン!!!!!!」

カンインの声にハッとして目が覚めた

ハンギョンは機械の前でうたた寝をしていたらしい・・・

「お前・・ずっとうわ言でヒチョルの名前を言ってたぞ・・・大丈夫か?」

「ああ・・すまない・・ヒチョルが落ちたと思われる場所の計算をしないとな・・」

「時間軸の計算なら協力するよ」

「イトゥク???なんで・・ここにいるの??」ハンギョンは作業服を着たイトゥクの姿に驚いて聞いた

「俺~大学校当時から時間軸の計算が得意だったじゃん・・ウチの室長に理由を話して

しばらくお前達の班の手伝いをすることになったんだ・・・・

それにヒチョルは俺にとっても大事な友達だしね」

イトゥクの姿を見てハンギョンは驚いている

「何驚いてんだよ」カンインが不思議そうにハンギョンを見ると・・・

「その服・・・」

「これ???作業着じゃん・・ヒチョルがダサいっていつも言ってた・・・

この作業服がどうかした?」

イトゥクが答えるとハンギョンは・・・

「さっきヒチョルもそれ着てたよな・・・・」カンインに向かって問いただす

「ブースに入る前に・・・『もっと可愛いのねぇのか~』って文句言ってた」



ああああああ・・・・なんて事だ・・・・

なんで今まで気付かなかったんだ・・・・・


「カンイン・・イトゥク・・・分かったよ・・・ヒチョルの落ちた時間・・・」

「え?」

「僕の7歳の頃・・・・僕の初恋の人はヒチョル本人だったんだ・・・」



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