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【月と子猫とハンギョン~番外編 5】ドライブ前編


「よし!!!!準備できた!!!!チョルここに入って!!!!」

車の助手席に籐のカゴを置き、シートベルトで固定して

ハンギョンはチョルをそこに入れた

みゃあ~?

チョルは不思議そうに周囲をキョロキョロと眺める


「さあ~釜山にむかってドライブに出発だよ~」

みゃあ~!!!!!!チョルも嬉しそうにひと声鳴くと、車は南に向かって走り出した




数日前


テレビのバラエティをハンギョンは家で見ていた

隣のチョルも子猫の姿をしているが人間の言葉が分かるので

一緒になって見ていた

それは「一泊二日」という番組で

俳優が釜山でのグルメレポートをしていたものだった

「うわ~っあの料理旨そうだね~」

「にゃあ~」

ハンギョンの問いにチョルは可愛く答える

俳優が刺身をぱくつくシーンが映り、ハンギョンは何気なくチョルを見ると・・

うわっ・・・

「チョル・・・ヨダレ・・ヨダレたれてるぞ」

テレビの画面に大写しになった刺身を見てたチョルの口から

だら~っとヨダレがたれている

ふにゃ・・にゃ・・・

チョルはあわてて前足で口元をぬぐった・・・

その様子が可愛くてハンギョンはげらげら笑う

(ハンのバカ~っ!!!そんなに笑わなくてもいいだろ?)

チョルの抗議の目も可愛くて、ハンギョンは思わず目じりが下がる

ハンギョンはチョルを抱き上げると

「今度の休みはレンタカーでドライブしながら釜山に行こうか?

美味しいものたくさん食べられるし・・・満月だし・・・」

満月にはチョルは人間の姿になる・・・その効果は一日しか持たないけれど・・

そして今度の休みは満月・・・人間の姿のチョルといちゃいちゃできる・・・

そう思うとハンギョンの顔は嬉しさで崩れっぱなし

みやぁ~♪

チョルも美味しいものが食べられると聞いて嬉しそうに鳴いた





ソウルから釜山まで車でのんびり走っても5時間・・・・

夕方にはチョルは人間の姿になれるので

ハンギョンはのんびり目的地に向かう事にした・・・・


途中で景色のいい場所があったので

ハンギョンは車をとめてチョルと2人で外に出た


ハンギョンは芝生に寝転んで伸びをひとつする

チョルは蝶々が気になって追いかけまわしている

その姿をとても愛おしそうに見つめるハンギョン


まったりしながら時間が流れる

2人のドライブはまだまだ続いた・・・・・・
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【Eternal~番外編】時計 その後


ヒチョルはハンギョンの腕の中でずっと泣いていた

ハンギョンは声を上げることもなくただ涙を流しているヒチョルを優しく抱きしめていた


ヒチョルはいつも声たてずに1人で泣いていたんだな・・・そう思うと

ハンギョンはヒチョルが愛おしくてたまらなくなる

ヒチョルの涙でシャツがビショビショになっても、気が済むまで泣かせていた


ヒチョルの腕がハンギョンをぎゅうっと抱きしめる

「ハンギョン・・・ありがとう・・しばらくこのままでいて・・」

ヒチョルはハンギョンの胸に顔を埋めるとその心音を聞いている


ドクン・・・ドクン・・・ドクン・・

ハンギョンの心臓の音を聞くと不思議と心が穏やかになる

(こんなに人を愛する事になるなんて思ってもいなかった

ただ死ぬために毎日生きていたようなものだった・・・)

ヒチョルは不思議だなと思う・・・

そしてもうハンギョンなしでは生きていけない・・・そう感じている


「ねえ・・・ハンギョン・・・前にハンギョン達は不老不死ではないって言ったよね」

ヒチョルは顔をあげてハンギョンを見つめながら聞いてきた

「ああ・・・人間に比べればものすごく長寿だが、老いはくるし・・・

怪我には強いけれど、タイミングでこの世から消える事もある・・・・」


「ハンギョンが・・・この世から消えてしまったら・・俺は・・生きていけない

お前を追って死にたい・・でも普通には死ねないんだよね・・・」

ハンギョンはヒチョルの言いたい事が分かって微笑んだ

「俺ももちろん1人では生きていけない・・・ヒチョル・・ちょっと待ってて」

ハンギョンは隣の部屋にいって装飾された箱を持って戻ってきた


「これは? 」

箱をあけると中に拳銃が入っていた

婦人の護身用に使われる小さめのものと紳士用のものが2丁・・・

ハンギョンは婦人用の綺麗な作りの拳銃を取り出すとヒチョルに渡す

「これには銀で作った弾丸がひとつだけ入っている・・・これはお前のだ」

ヒチョルは不思議そうに両手で拳銃を持って眺めていた


「こっちは俺のもの・・・安全装置がこれだから・・こう外して使う」

ヒチョルは安全装置を外して持ってみる

「俺達が自害できる唯一の方法は、銀の弾で心臓を射抜く事だ・・・・

他の場所では再生されてしまう・・心臓を一発で・・それも銀の弾で確実に狙う」


「じゃあ・・ハンギョンが消えてしまった時は・・俺はこれで・・お前の後を追えばいいんだ」

ヒチョルは今までの心配が解決したようにニッコリと微笑んだ

そして懐中時計をとりだしてハンギョンに見せながら


「この・・時計の紐・・ハンギョンの髪が灰になったら・・俺はこれを撃つ」


ハンギョンもヒチョルにむかって

「俺も・・ヒチョルに何かあったら・・この拳銃を使う・・・・」

そういうとヒチョルから拳銃をとりあげて箱にしまった

「大丈夫だよ・・これを使う事のないように・・・静かに暮らしていこう」

ハンギョンに言われてヒチョルはハンギョンの唇に自分の唇を重ねた

「ハンギョン・・・俺にこんなに愛する人が出来るなんて・・思ってもいなかった

昔の俺は・・死ぬのを待っていただけだったから・・・・

そんな俺でも父さんは無条件に愛してくれた・・・今自分に愛する人ができて・・・

やっとその気持ちが分かったような気がする・・・・」


「ヒチョル・・・」


「父さんは・・・母さまに会えたかな・・」

ハンギョンは優しくヒチョルを抱きしめると

「ああ・・駆け落ちするぐらい愛し合っていたんだろう?

今頃はヨンスさんとこうやって過ごしているさ」


ハンギョンはヒチョルに激しい口づけをする・・・

ヒチョルは体から力が抜けていくのを感じた・・・


ああ・・・ハンギョン・・・


「今日はずっとヒチョルを感じさせてくれ・・」と耳元で囁くと

ヒチョルの頬が赤く染まるのを見て満足げに微笑み

ハンギョンはヒチョルを横抱きにして寝室に消えていった



恋人達の甘い夜は今始まったばかりだった

【Eternal~番外編】 時計 後編


「あら~空模様があやしくなってきたわ・・・ひと雨降るのかしら」

看護師のイ・ウンスクは忙しそうにパタパタと廊下を走り回っていた


ふと見ると117号室のドアが開けっぱなしになっている

何気なしに中を覗くとヨンスが眠っていた

「ヨンスさーん? あらまあ・・良く眠っている事・・・

さっき面会に来てたから疲れちゃったかしら・・・」

ウンスクはうっすらと微笑んでいるように眠っているヨンスをみて

「とてもいいお顔している・・・楽しい夢でも見ているんでしょうね」

ヨンスの右手がずるっとベットの下にさがった・・・

え?

ウンスクは何か予感めいたものを感じて

あわてて部屋に入ってヨンスの脈を測る・・・・

「あっ・・・」

とても穏やかな顔から予想できなかったがヨンスの脈は止まっていた

「誰か・・・誰か・・・」

ウンスクはスタッフルームに報告するために走って行った







数時間前・・・・


ヨンスはヒチョルの手を取ってしっかりとした口調で言った

「私は少し長く生きすぎた・・・ヒチョル・・お願いがある」

「父さん・・・」

「テヨンが亡くなった時、私も一緒に死にたかった

しかし彼女が命と引き換えに残したヒチョルを置いてはいけないと思い

ずっと育ててきた・・・お前は生まれつき心臓に欠陥があり

その事を知った時も・・・男手ひとつだから不備だらけの子育てだったけど」

「あの日・・もう助からないと言われる程の発作を起こして

私は覚悟を決めていた・・・でも不思議な事に朝にはヒチョルの姿がなくなっていた」

「周囲は死んだと言っていたが・・私は信じなかった・・遺体を見るまでは・・・

そして・・・今日まで生き残ってしまった」

ヨンスは淡々と語り続ける

「でも今日・・・愛するヒチョルに会えた・・そしてヒチョルを託せる先生もいる

私の役目はおわった・・・だから・・・お願いだ・・・」

ヨンスはヒチョルの瞳をしっかりと見つめてはっきりと言った

「私をテヨンの元に送り届けて欲しい・・・私の命を終わらせてほしい」

「とうさん・・・」

ヨンスは目を閉じて囁くように言った

「さあ・・・テヨンが私を待っているんだ・・・頼む・・」


ヒチョルが涙を流しながらハンギョンの方をむくと

ハンギョンは厳しい顔をしてうなずいた

ヒチョルは瞳を固く閉じると覚悟を決めたように

ヨンスの耳元に囁いた

「父さん・・・長い間ありがとうございます

俺は・・・父さんと母さまの子供に生まれてきて良かった・・・

母さまの待つ天国で幸せに暮らして下さい・・・

俺も・・・ハンギョンと共に幸せに暮らしていきます」

ヨンスが頷くと

「父さん・・・愛しています・・・ずっとずっと・・・

会った事のない母さまに俺の事たくさん話してください」

「ヒチョル・・・私も愛しているよ・・・元気でな・・

ハンギョン先生・・この子をよろしくお願いします」

「ヨンスさん・・・テヨンさんに会ったら

ヒチョルをこの世に産んでくださってありがとうございます・・と

お伝えください・・・」

ハンギョンの言葉にヨンスは微笑んだ・・・・


ヒチョルはつないでいる手に意識を集中した・・・

ヒチョルの右手からするりと生気が入ってくる・・・

ヨンスの最後の生気がヒチョルの体に入ってきた


「父さん・・・逝っちゃった・・・」

ヒチョルの大きな瞳から涙からポロポロと落ちてくる

ハンギョンはヒチョルを抱きしめると

眠っているように見えるヨンスの遺体にむかって

深々と礼をして病室から出ていった・・・・

【Eternal~番外編】時計 中編


その病院は街の中心地からすこし離れた場所に建っていた

ハンギョンは駐車場に車を停めるとヒチョルと一緒に病院に入って行く


ヒチョルは青白い顔をしながらハンギョンの腕をぎゅっと掴んでいる・・・


「すみません・・・入院患者に面会に来たのですが・・・・」

受付の年配のスタッフが書類を出してきて

「ここに必要事項を記入して下さい」とハンギョンの前に差し出した

ハンギョンに促されてヒチョルが入院患者の名前などを書きこんでいく

その書類を覗きこんでいたスタッフがヒチョルに向かって尋ねた

「キム・ヨンスさん? あのおじいちゃんね・・・珍しいわ

ほとんど面会人はこないのに・・・どういうお知り合いかしら?」


「遠い親戚です・・・ヨンスさんの奥さんの方の系統です」

「ヨンスさんは・・認知症が出ていて・・・だから変な事言うかもしれないけど

気にしないようにね・・・・117号室にいます。そこの廊下をつきあたって右に曲がってね」




部屋をノックすると返事がなかった

ハンギョンがそっとドアを開けると、ヨンスはベットの上で寝ていた

(父さん・・・眠っている顔に・・面影がある・・・)


ヒチョルはハンギョンの手をぎゅっと握ると

ベットの近くまで歩いていった


すると

ヨンスの瞳がゆっくりと開かれた

ヒチョル達に気付いて口を開く

「君たちは・・・誰かね?」

80を過ぎて認知症を発症しているとは思えない位

しっかりとヒチョル達を見つめる

!!!!!!!!

ヨンスの瞳が驚愕の色で揺れた


「テヨン・・・」

ヨンスから母親の名前を呼ばれて

ヒチョルの瞳から涙が流れた・・・


「いや違う・・・ヒチョル・・・ヒチョルだろう?」


その言葉を聞いてヒチョルは涙が止まらない・・・

ハンギョンは後ろからヒチョルをしっかりと支えた

「ああ・・一緒にいるのは・・家庭教師のハンギョン先生だ・・・」

ベットに寝たままヨンスは2人を懐かしそうに見つめて

嬉しそうに微笑んだ


「父さん・・・」

「やっぱり・・・生きてたんだ・・・みんなはヒチョルは死んだと言ってたが

私は信じなかった・・・絶対にどこかで生きているって・・・・」

「父さん・・・ごめんなさい・・・」

ヒチョルはベットの横にひざまづくと

父親に許しをこうように言った


「ヒチョル・・・もっと近くに・・・良く顔を見せておくれ・・・

テヨンに良く似ている・・・笑っておくれ・・テヨンに良く似た笑顔を見せておくれ」

ヒチョルは涙でぐちゃぐちゃの顔で必死に笑顔を作る・・・

ヨンスは満足気に微笑むとヒチョルの頭をなでた


「ヨンスさん・・どうしてヒチョルと分かったのですか?

あれから長い年月が過ぎているのに・・・・」

ハンギョンが不思議そうに尋ねると

ヨンスは当たり前の顔をして

「ヒチョルは私とテヨンの愛する息子だよ・・・

たとえ・・見た目が変ってしまっていても・・私にはその魂は見つけられるさ」

そう答えたヨンスは父親の顔をしていた

「ヒチョル・・・不思議だな・・・まるでお前たちだけは時が止まったままみたいだ

元気そうに見える・・・今は病気は治ったのかな? 幸せなのかな?」

「すみません・・・ヨンスさん・・・俺が・・ヒチョルを愛してしまい

あの日・・・連れ出しました・・・ヨンスさんの許しも得ずに・・・」


「ハンギョン先生・・・私には分かってましたよ・・・

あなたとヒチョルは心が通じ合っていた・・・と・・・そして多分・・

あなたが連れ出さなかったら・・この子はあの発作の後亡くなっていたでしょう」


ハンギョンの瞳からも涙が流れ出ていた


「父さん・・・俺・・今すごく幸せなんだ・・・

ハンギョンに愛されて・・ハンギョンを愛する事ができて・・・

毎日が幸せすぎて怖い位なんだ・・・詳しい事は言えないけど・・・

神様に忌み嫌われた存在になってしまったけど・・・」


ヨンスはヒチョルのその言葉を聞いて満足げに微笑んだ


「ヒチョル・・・テヨンの笑顔を思い出すよ・・

今本当に幸せなんだな・・・父さん嬉しいよ・・

いつかヒチョルに会える・・それだけ願って今まで生きてきた

もう安心だ・・・お前にはハンギョン先生が付いているから」



「私は・・少しながく生きすぎた・・・ヒチョルお願いがある」

ヨンスはヒチョルの手を握ると予想もしない言葉を発した
【Eternal~番外編】 時計 前編

(この話は丘の上の洋館より以前のep0の番外編となります)


「うわぁ~どのくらい経つんだろう・・・面影ないや・・・」


ヒチョルが車から降りると街の様子を見回して呟いた

「ヒチョルがいた時から数えると・・・30年位経つのかな?」

ハンギョンは車を道の横に停車するとヒチョルと2人で街を散策し始めた

2人が今いる街は、ヒチョルが住んでいた場所の隣町にあたる


「あっ・・あの教会・・・俺何回か行った事ある・・・」

ヒチョルが嬉しそうに囁いた

「でもほとんど自分の部屋と病院で過ごしていたから・・・外の思い出ってあまりないな・・」

「ヒチョル・・・家まで行ってみたい?」

ハンギョンの問いかけにヒチョルは頭を左右に振った・・・


しばらく歩いていくと古道具屋が店を構えていた

たくさんの骨とう品が所狭さに並んでいる

突然、

ウィンドウを覗きこんでいたヒチョルの顔が変わった


「まさか・・・・」

「ヒチョル・・・どうした? なんか欲しいものでもある?」

「俺の・・・いや・・・母さまの時計・・・」

ヒチョルの見つめる先に綺麗な懐中時計が陳列されているのに気付いた


「俺も覚えている・・・お前ベットの横の引き出しに大事にしまっていた・・あれだろう?」

「うん・・・母さまの形見なんだ・・・父さんとお揃いの懐中時計・・・特別注文だったはず」

良く見ると懐中時計は二つ並んでいる・・並んでいるとペアの時計というのが良く分かる


「父さんの分もあるって事は・・・父さんはもう・・・」

ヒチョルの唇がわなわなとふるえた・・・ハンギョンはヒチョルの手を強く握ると

「ちょっと待ってろ・・・」ひと言いって店に入って行った






「すごい精密な作りだな・・・ふたの内側に絵がかいてある・・・」

ハンギョンは懐中時計を手にするとすみから隅まで眺めていた

ヒチョルが持っていたという時計のふたの内側には綺麗な少女の絵が描かれている

「これ・・・母さま・・・父さんと恋に落ちて・・周囲の反対を押し切って駆け落ちして

俺を産んで・・・すぐに死んじゃった・・・」

「父さん・・この時計はプロポーズの時に渡したって言ってた・・・・」

「ヒチョルはお母さんに似ているんだね・・・」

「うん・・・笑った顔が似ているって・・・みんなが言ってた」

ヒチョルは懐中時計をハンギョンから受け取ると泣きそうな顔をして見つめている



ハンギョンはさっき古道具屋から、ヒチョルの思い出の懐中時計二つ購入し

今日の宿で二人で懐中時計を眺めているのだった


「俺の懐中時計をハンギョンが持ってて・・・俺は父さんのを持ってるから」

ハンギョンは黙って時計を見つめるとおもむろに自分の髪の毛の一部を切り取り

それを編み込んで短い紐をつくった

父親の懐中時計にその紐をつけるとヒチョルに言った

「もし・・・俺に何かがあったら・・この髪の毛も一緒に灰になる・・

俺達が離れている時に・・・俺が消える事があったら・・・この髪の毛も消えるから」

ヒチョルは黙ってその言葉を聞くと、自分の髪の毛を切り取って

同じように紐を編み込んで、もうひとつの懐中時計につける

「じゃあ・・俺に何かあったら・・・この髪の毛も灰になるんだろう?

ハンギョン・・・母さまの時計・・・持っててね」






その夜2人は愛し合った後、その余韻にひたりながらヒチョルはハンギョンの胸に頭を乗せていた

こうやってハンギョンの心臓の鼓動を聞くのがヒチョルは好きだった

そんなヒチョルの髪をやさしくなでながらハンギョンは口を開いた


「古道具屋のおやじに聞いたけど・・・ヒチョル・・お前の父さんはまだ生きている・・・」

え?

「高齢で老人専門の病院にいるそうだ・・・」

「お前が行方不明になって・・体調を崩し・・

後継ぎもいなくなり・・親戚のいいように財産を使われてしまったようで

骨とう品や宝石類も売られてしまったと・・・店のおやじは言っていた」


「父さん・・・」

ヒチョルの瞳から涙があふれてハンギョンの胸を濡らす


「俺・・・死ぬ所だった・・いや・・あの時確実に死んでた・・・

でも父さんは・・死体がなかったから・・探したんだ・・

父さん・・・ごめんね・・」


ハンギョンは黙ってヒチョルの頭をなでる


「ハンギョン・・・父さんに会いたい・・・会うのがダメなら

遠くから見守るだけでいいから・・・」


「そうだな・・・」

ハンギョンは優しく微笑むとヒチョルに口づけをした


「俺も・・・あの時は時間がなかったから・・・挨拶できてなかったしな」


え?

「愛する人のお父さんに挨拶するのは、あたりまえのことだろう」


ハンギョンはヒチョルを優しく抱きしめると


「明日にでも病院に行って見よう」と囁いた・・・・

【Eternal~番外編】Lesson

(この話は丘の上の洋館より以前のep0の番外編となります)


「うーん・・・何か上手くいかない・・・」

ヒチョルが首をかしげながら花の上に手をかざしている

「もっと手のひらに意識を集中して・・・」

ハンギョンの声にヒチョルは頷きながらもう一度手をかざす


花がみるみるしなびれてきた

「うわ・・・なんか手のひらから入ってくる」

「エネジィを取り込むのに成功したね・・次は動物でやってごらん」

ハンギョンはゲージの中からネズミを取り出すとヒチョルに渡す

ヒチョルは手のひらに意識を集中してネズミを両手でかかえる・・・


チュ・・・・

小さく鳴いてネズミは動かなくなった・・

ヒチョルは複雑な顔をしてネズミを眺めている

「もう少しコントロールできるようになれば・・・ネズミも死なない程度に

エネジィを取り込む事ができるよ・・・」

ハンギョンはネズミの死がいをヒチョルから取り上げるとゲージに戻した


「なんで・・・メシじゃ代用にならないの? 生き物からエネジィを横取りするしかないの?」

ヒチョルは辛そうな顔をして呟いた


ヒチョルはハンギョンの仲間になった

ハンギョン達の一族は人間とは少し違った体の構造で

食事をせずに他の生き物の血や生気を頂いて生きていく・・・

不老不死ではないが人間に比べると時の流れはかなり遅い

人間界では「バンパイヤ」と呼ばれる種族に近く

ヒチョルは新しくハンギョンの仲間として生まれ変わったため

一族として生きていくための練習をしている所だった


自分が生気を吸い上げたために死んでしまった生き物をみて

ヒチョルはいつも悲しそうな顔をする


ハンギョンはそんなヒチョルを愛おしそうに抱きしめて

「ヒチョル・・・もう少しコントロールできるようにしようね」

「うん・・・」

「さあ・・・次は俺の血を飲んで」

小さい牙を口元から見せながら

「俺にも・・・・牙はえた・・・なんか不思議だな」ヒチョルは呟く

ハンギョンの首筋に牙をたててコクコクと血を飲む


ハンギョンは今まで他人に血を飲ませた事はなかった

ヒチョルが生きていくために自分の血を分け与えているうちに

不思議な感覚にとらわれるようになった


ヒチョルが血を吸っている間に気持ちがすごく高揚する・・・

まるでエクスタシィーを感じるかのような・・初めての感覚だった


ああ・・・


ヒチョルの愛おしさと気持ちの高揚でハンギョンはヒチョルを抱きしめる


ヒチョルの唇がハンギョンの首筋から離れると

ハンギョンはヒチョルを抱きしめたまま耳元で囁く

「だいぶ上手になったね・・・・次は・・こっちのLessonだな」

ハンギョンを見つめていた瞳が恥ずかしそうに伏せられる

ヒチョルの頬が少し赤くなってきた

ハンギョンはヒチョルの唇を十分に味わいながら

次にヒチョルの首筋に舌を這わせる・・・

「くすぐったいよ・・ハ・・ン・・ギョン・・」

ハンギョンはもう我慢の限界という表情をしてヒチョルをベットに押し倒す


何度も体を重ねているのに

頬を赤く染め瞳を伏せて恥ずかしがっているヒチョルの姿に

ハンギョンは心が甘く疼いてヒチョルへの愛おしさが溢れそうになる


2人は見つめあったまま唇を重ね、お互いの肌の温もりを感じあう

(こっちのLessonはいらないな・・・自然のままで・・・)

ハンギョンは心の中で囁くとヒチョルに溺れていく自分を感じていた・・・


2012.07.17 戻りました~
ソウル旅行から無事にもどり
仕事と家事に追われる日常生活が始まりました

ソウル旅行のレポは私の表ブログの方にあげてあります

ただ心残りなのは

ヒチョルのお姉さんのお店にある

ハンチョルコーナーを見忘れた事です

なぜ見忘れたか・・・それは表ブログをお読みください(笑)

すっかり舞い上がっていたからですが・・・・

←のリンクの「お気楽日和」がプログです


SJであふれかえった明洞でハンチョル不在の寂しさを感じました

もう完全に創作ハンチョルとなってますが

ヒチョルの性格が女の子になっている・・・だとか・・・もっとドSだとか

いろいろと思う事はあるかと・・・・

私が書くとこんなハンチョルになってしまいます

ドSのヒチョルを書く時にはホンギ君たちに出てもらう事になりますね~

創作ハンチョルにしばらくお付き合いください

【ボム事件その後~大学編】番外編 ジョンモの憂鬱


メジャーデビューを約束していた音楽関係の事務所が

ヒチョルのビジュアルを見て「バンド形式」にしてデビューするといいだした

当初の約束では自分とジェイだけだったのにベースも用意しろという

仕方なくベースのオーディションをしてバンドの形式を作った


ジョンモにしてみれば、芸能界に興味のないヒチョルを巻き込むつもりはなかったが

ここに来て巻き込まざる負えない状況となり心苦しい日々を過ごしていた


同じような危機感をハンギョンも感じていたらしく

ベースのオーディションを受けにきた

技量てきには合格点には達していたけど凄く上手いというわけではなかった・・・

ジョンモ達の立場も理解した上でヒチョルを守るために

オーディションを受けにきたハンギョンの気持ちも受け取ってメンバーとして受け入れる事にした



しかし・・・ジョンモはまだヒチョルへの気持ちをふっ切ったわけではない

ハンギョンがいなかった時は、メンバーの一員としてヒチョルの笑顔を独占したりできたのに

そこに本物の恋人が加入してくるとなると・・・自分は見ていられるのだろうか


ジェイに言わせると、メジャーデビューのためにヒチョルへの思いを断ち切れ!!!!!

確かに分かってはいるが・・・自分のものであっても気持ちのコントロールは難しい・・・



ハンギョンはバンド活動中はヒチョルに対してはメンバーとして接すると約束した

あいつは約束は守るだろう・・・・


だけど・・・問題は・・・・・





ジョンモが練習スタジオに先に入って物思いにふけっていると

ヒチョルが楽しそうに入ってきた

「ジョンモ~おはよう♪」

ヒチョルの笑顔を眩しそうにジョンモは見つめる

(ああ・・・今日もなんて可愛いんだ~)

「ジョンモ~どうしたの? 何かおっかねー顔してるよ」

「あれ~2人とも早いね~」ジェイが後から入ってくる

「ジェイ~なんかジョンモおっかねー顔してんだけど」

ヒチョルが心配そうにジェイに言う

ジェイは笑いながら

「こいつはいつもそうだよ・・・心配ごとが無くなる時はないから

そしてこんな顔している方が女にもてると思ってるし」

ジョンモはジェイを睨みつけると頭を叩く

「お前のドーベルマンはどうした?授業か?」

最近ジョンモはハンギョンの事をドーベルマンと呼んでいる

それが可笑しくてヒチョルはクスっと笑うと

「教授に呼ばれて教授室に行ったよ・・・遅れてくるって」


あれ?


ジョンモがヒチョルの姿に違和感を感じた

何だ??

良く見るとヒチョルの左手の薬指に指輪が光っている

昨日までなかった指輪だ・・・


これって・・・・


「遅れて悪かった・・・ちょっと野暮用で・・・」

ハンギョンが入ってきた


「ハンギョン~」ヒチョルがハンギョンに抱きつく・・・


「こらっ!!!!!!ヒチョル!!!!!バンド活動中はいちゃつかない約束だぞ!!!」

ヒチョルは文句ありそうに頬をぷうっとふくらましてジョンモを睨む



可愛い・・・可愛すぎる・・・・


ヒチョルの睨む顔を見て思わずニヤケそうになる所を必死で顔をつくり

ジョンモはヒチョルに説教を始める

「バンド活動中はメンバーとして接すると約束しただろう・・・

なんでお前は守れないんだ・・・」


「ヒチョル・・・今はT-LUCKYの一員だから・・・約束は守らないと」

ハンギョンが優しくヒチョルに囁く

ヒチョルは不貞腐れた顔をして、やっとハンギョンから離れた

その不貞腐れた顔もすごく可愛い・・・とジョンモは思う

くそっ・・・ハンギョンなんかメンバーに入れなきゃ良かった・・・・


ジョンモの憂鬱はしばらく続きそうだった


2012.07.11 Eternal~番外編

【Eternal~番外編】

(この話は丘の上の洋館より以前のep0の番外編となります)


ハンギョンはベットに寝ているヒチョルをずっと眺めていた

仲間に入れてすでに一週間目を覚まさない・・・

今にも起き出しそうな肌のつやに頬の赤み

微かに上下に動く胸の鼓動で、ヒチョルは眠っているだけと言う事が分かる

しかし・・・一週間このままだ・・・


何がいけなかったんだろう・・・ハンギョンは何度も頭を抱えながら悩んでいた



今まで長い時間を1人で生きてきた・・・どのくらいか忘れてしまう位長い間

ずっと人間社会の隙間を上手くすりぬけながら・・人間に特別関心もなく・・・


しかし窓辺にたたずんでいたヒチョルを一目見て恋に落ちた

こんな気持ちは初めてだった

なんとか近付く事ができて話をしていくうちにどんどん魅かれていく・・・

ヒチョルは生まれつき心臓に欠陥があり長く生きられない運命だった

2人がこころを通わすようになって・・・すぐにヒチョルに発作が起こり

死の瀬戸際に立たされ・・・ハンギョンは決断した

もうヒチョルとは離れられない・・・2人で生きていくために仲間にする・・と・・




そして一週間眠ったままのヒチョルの横でハンギョンは辛そうな表情でヒチョルを見つめている


「俺・・死ぬの怖くなかったけど・・今はハンギョンと離れたくない・・死にたくない」

ヒチョルの言葉がよみがえる

あの時ヒチョルと初めて口づけをかわした・・・柔らかい唇だった・・・

ハンギョンはヒチョルの唇に顔を近づけ、そっと自分の唇を重ねてみる・・・・


ん・・・


ヒチョルの表情が動いた・・・


静かに瞳がひらく・・・ハンギョンがずっと見たくてたまらなかった美しい瞳が自分を見つめている


「・・ハ・・ン・・ギョン・・・俺・・」

ヒチョルの唇から自分の名前が呼ばれる

ハンギョンは泣きべそをかいている子供のような顔でヒチョルを見つめていた

「なんで・・泣きそうな顔してるの?」

「うん・・・やっと起きたんだね・・・待ってたよヒチョル・・・」

「俺・・・お前の仲間になったの?」

ヒチョルはそっとベットから起きあがると立って歩いてみる

「なんか・・・違う・・・体が軽いよ・・心臓がバクバクしない」

そう言うとハンギョンに向かって微笑んだ



ヒチョルが外に出たいというので

2人は宿の近くの湖の畔に来ていた

「ハンギョン~不思議だよ~俺走っても何ともないんだ」

ヒチョルは嬉しそうに畔を走り回る

そのうち湖の中に服を着たまま入ってしまった

「ヒチョル!!!!濡れちゃうだろ? 何やってんだよ」

「あっ雨が降ってきたよ~雨だ~」

ハンギョンはあわてて湖の中からヒチョルを引き上げた

「俺・・雨なんて濡れちゃいけないって・・いつも窓から見てただけだったんだ」

嬉しそうなヒチョルにハンギョンの顔も嬉しそうに綻んでいる

「もう十分楽しんだろう? 宿に帰ろう?」


ヒチョルを胸に抱くとハンギョンは驚異的な力で空を跳びはねながら宿にもどった

「ハンギョン・・すごい・・俺の事抱いたままジャンプが半端ない」

「空も飛べるんだぞ・・ただ2人分の重さでは飛べないけど」

「いつか・・・俺を抱っこして空を飛んでね」

ヒチョルのお願いにハンギョンは笑顔で答えた




「すっかり濡れちゃったね・・・でも楽しかった・・俺今まで寝てばかりだったから」

ヒチョルは宿にもどるとハンギョンに抱きついて恥ずかしそうに囁いた

「ハンギョン・・・ありがとう・・俺の事好きになってくれて」

「ああ・・・体がすっかり冷えてしまったね・・お風呂に入ろう」

ハンギョンは湯船にお湯を張るために服を脱ぎながら風呂場にむかう

「一緒に・・・入る・・の・・・?」

ハンギョンのたくましい胸板を見てヒチョルは急に恥ずかしくなる

胸がドキドキして止まらない・・でもこのドキドキは初めて体験する・・・

甘く疼く胸の痛みをヒチョルは頬を染めながら感じていた




そしてその夜2人は恋人同士になった・・・



これからはハンギョンとずっと一緒に生きていくんだ・・

ハンギョン・・・愛している・・・

俺の側から離れないで・・・・


ハンギョンの胸に抱かれてヒチョルは初めて未来への希望を持つ事ができたのだった


たとえ・・それが・・神様に忌み嫌われた存在になったとしても・・・

ハンギョンがいれば・・・ハンギョンだけいてくれれば・・・俺は幸せだ・・・


自然に流れてくる涙をハンギョンはやさしく指で拭ってくれる

「ヒチョル・・ずっと一緒にいような・・俺はもう1人じゃ生きていけない・・」

「うん・・・・絶対に離れないからね」

ハンギョンはその言葉をきいて嬉しそうにヒチョルを抱きしめるのだった












明日からソウルに行ってきます

ヒチョルのお姉さんのお店行って

ハンチョルコーナーを拝んできます←?

更新はしばらくお休みします

ハンチョルパワーをたくさんもらってきます
【ボム事件その後~大学編】番外編 お誕生日



7月に入る・・・カレンダーを見ながらハンギョンは焦っていた

7月はヒチョルの誕生日がある

去年は知り合って間もなくだったのでお互いに好きと言う気持ちはあっても

まだそんなに深いつながりがあるわけではなく・・・みんなと友達としてお祝いをした


しかし


今年はそうはいかない・・・・お互いにとても大事な相手だと実感している


「あーどうすれば・・・ヒチョルは喜んでくれるんだろう・・・」



ヒチョルもカレンダーを見つめていた

7月に入れば自分の誕生日がくる・・・・

ハンギョンは何も言わないけど・・・何か考えてくれているのかな


去年はドンヘやシンドン、キボムやカンインらの中にハンギョンも入って

みんなで誕生日パーティをしてくれたっけ・・・あの時からハンギョンが気になってた・・・



ハンギョンの誕生日の2月は少し日にちは遅れたけど2人でスキー旅行に行ったっけ・・・

もちろんプレゼントは・・・「自分」

ヒチョルはその時の事を思い出して1人で真っ赤になって手で頬をかくす



「ハンギョン・・・俺はお前と一緒にいるだけでいいのに・・・・」



ヒチョルは誕生日の朝ハンギョンからメールで呼び出された


待ち合わせ場所は清渓川

人工的につくられた川は夜になるとイルミネーションがすごく美しくなる

夜はカップルが多かったが朝の時間帯は散歩をしている年配者や

会社に向かうサラリーマンの歩いている姿が多く見える


先日ヒチョルはここのベンチで眠ってしまい

ハンギョンに家まで背負ってもらった事を思い出していた

ハンギョンの背中は暖かくて・・・ずっとずっと背負ってもらいたかった

一生一緒にいたい・・・それだけ・・・他に何もいらない・・・



「ヒチョル・・・ごめん・・・待った?」

ハンギョンの声がして振り向くと

きちんと正装をしたハンギョンが立っていた


「なに? その姿・・・」ヒチョルは驚いてハンギョンに聞く・・

ヒチョルは今日は正装ではないけど

ユニセックスの服装でボーイッシュな女の子に見える


ヒチョルの服装をみてハンギョンもほっと息を吐いた

「そこのベンチに座って・・・」

ヒチョルをベンチに座らせるとハンギョンは地面に肩膝をついて

「ヒチョル・・・誕生日おめでとう・・・

どうやってお祝いしたらいいか悩んだんだけど・・・

俺の気持ちをきちんと伝えてなかったよね・・・だから・・・」


「だから?」


「キム・ヒチョルさん・・・俺と正式にお付き合いして下さい・・・

一生一緒にいる予定として・・・本当は結婚を前提にって言いたいけど・・

これ・・・受け取って下さい・・・・」


ハンギョンが花束と小さな箱をヒチョルの手に乗せた

「うそ・・・・」

ヒチョルが箱を開けるとペアリングが入っている


「ヒチョルが連絡をくれなかった時があっただろう・・・・

あの時いろいろと考えたんだ・・・そしてやはりヒチョルじゃなきゃダメだって結論でて・・

だから・・・大学卒業したら一緒に住もう・・・そのためにいろいろ準備している」

ヒチョルの瞳から涙が溢れてくる

もう言葉が出てこない・・・その瞳でハンギョンを見つめる・・・・


ハンギョンはそんなヒチョルを愛おしく見つめ優しく抱きしめた

「俺・・・男だよ・・・きっとお前に迷惑かけるよ・・・」

「そんなのとっくに覚悟してるって・・・何回言わせるんだ」

ハンギョンは少し怒ったように言った

「うん・・・・」

ヒチョルはハンギョンの胸に抱きつくと幸せそうに微笑んだ

その笑顔を見てハンギョンは一生守って行こうと心に誓った・・・


「ねえねえ・・この指輪つけて・・はいっ」

ヒチョルが左手を差し出す

ハンギョンはその薬指に指輪をはめた

満足そうにヒチョルはその指輪を見つめると・・・・


「今度は俺からね・・」ハンギョンの指に同じデザインの指輪をはめる

2人はお互いの指を見せあいながら嬉しそうに微笑みあった






2012年7月9日23時半ごろ

ヒチョルはツイッターのアカウントを消しました

彼の最後のメッセージは追っかけファンに対して

もう自分を静かにしておいてほしい・・・というものでした

明日は30歳・・という時に彼は決断しました


1年間静かにすごすそうです・・・・

彼は本当は入隊時にアカウントを消そうとしてました

ラジオでシンドンに残して行ってほしいと言われて考え直したようです



ヒチョルが今何をどう思っているのか・・・この話を書きながらツイッターを見ていて

驚きと悲しみで自分のコメントがぐちゃぐちゃです・・ごめんなさい

ヒチョルの望んだように私も大人しく1年間待ちたいと思います


腐ってますけど・・・ごめんなさい・・・ひちょ・・・







2012.07.07 七夕伝説
【七夕伝説】パラレルおばかver.


「ヒチョル織姫さま~今日の天気は雨みたいですよ~」

侍女のソンミンが織姫の読み散らかした雑誌をまとめながら言った

「ヒチョル織姫さま~お茶がはいりました~」

侍女のリョウクが笑顔でお茶を運んでくる

「うわ~いい香り~リョウク~このお茶ってミーミオンニの?」

「はい!!!!ミーミオンニの特製のハーブティです~」

侍女の2人がきゃっきゃっと騒いでいる横で

ヒチョルが物憂げな表情で、窓から外を眺めている


なんで・・なんでいつも雨なんだよ・・・バカ・・・


ヒチョル織姫は合コンで一目ぼれした人がいた

相手も自分に一目ぼれしてくれていて

2人は一気に盛り上がり愛し愛される関係となった

しかし2人はひと時も離れることができずに

毎日いちゃついてばかりの生活に溺れてしまっていた

そして父親である天の神の怒りを受けてしまい

2人は離れ離れの生活を強いられた

愛する人と離ればなれになった織姫は毎日泣いて暮らしていた

ヒチョル織姫のあまりの悲しみにさすがの父神も

一年に一度だけ会う事を許してくれた



それが七月七日・・・今日だった


雨が降ると2人の住んでいる間を流れる天の川の水かさが増し

わたりづらくなる・・・そして何故か最近は2人の再会を邪魔する輩も現れてきた


「ヒチョルさま~彦星さまとは何時のお約束ですか?」

「ん・・10時に橋の所で待ち合わせ・・それから映画みて食事して・・」

「毎年代わり映えしないですね~」ソンミンがヒチョルの着ものを取り出して並べながら

「今日はどれをお召しになりますか? 私はこのオレンジ系が合うと思います」

「この薄紫も似合うと思います~」リョウクが横から口出しをする

「なんでもいいよ・・お風呂入ってくるから・・コーディネイトしておいて」

ヒチョル織姫はそう言い放つとお風呂場に向かって行った

「なんか元気ないね~」「そうだね~」

「最近、橋の番人のカササギウニョクの悪い噂聞いたわ」

突然2人の侍女の話に割り込んできたものがいた

「ミーミおんに~♪」「おかえりなさい~♪」

チョウミが偵察から戻ってきたのだった

「再会を邪魔する人達って分かりましたか?」

「天候を司るところのシウォン神がどうやら織姫に懸想したようだわ」

「そういえば・・姫様のところにディナーの御誘いがありましたね」

「そしてカササギウニョクを買収して、彦星の足止めを企んでいるようね」

「え~橋が渡れなかったら2人は再会できないじゃないですか~」

ガタン・・・

風呂から上がったヒチョル姫は三人の話を偶然に聞いてしまった

「会わせないつもりなんだ・・・こっちにも考えはある・・・」

ヒチョル姫は電話を取り出すとどこかに電話をかけた





「どうして橋が通行止めなんですか」

ハンギョン彦星が橋のふもとで押し問答をしていた

「今日は工事中だから誰も渡れないんだよ」

あきらかに嘘と思われる言いわけにハンギョンはブチ切れた

約束の時間に間に合わなくなる・・・ヒチョル姫はへそを曲げるだろうか

それとも悲しそうに泣いているだろうか

「ヒチョル姫~待ってて下さい!!!!必ず会いに行きます!!!!!」


ハンギョンは橋を渡るのを諦めて

川幅の一番せまそうな場所まであるいてきた

こうなったら泳いで渡るしかない・・・・

途中で足がつっては大変と念入りに準備運動をしていた時だった



バララバララ・・・・


空から凄い音が聞こえてきた

ハンギョン彦星が空を見上げるとヘリコプターがこっちに向かっている

「ハンギョーン」

ヘリコプターを操縦しているのはヒチョル織姫だった

「そのロープにつかまって~!!!!!」


ハンギョン彦星はヘリから下がっているロープにつかまると

腕の力を頼りに本体まで登ってきた

その間ヘリコプターは同じ場所でホバリング中だ

ハンギョンが助手席に落ち着くとヘリコプターは上昇をはじめた


「ヒチョル姫・・あなたがヘリを操縦するとは・・驚きです」

「ここ2年間かけて操縦免許を取得したわ・・・この日の為に・・・」

ヒチョル織姫は美しい笑顔をハンギョン彦星に向けると

「やっと会えた・・・」

ハンギョンは操縦の邪魔にならないようにヒチョル姫の手を握る

「私も会いたかったです・・・愛してます・・・」

「ハンギョン・・・私の為に全てを捨てることはできる?」

「え?」

「このまま全てをすてて2人で駆け落ちでもする?」

「ヒチョル・・・私はあなたのためだったら何でもできます」


ハンギョンの言葉にヒチョルは満足げに微笑むと

ヘリコプターをまだ見ぬ知らない遠国にむけて方向転換をしたのだった







川のほとりにいたヒチョル姫の3人の侍女たちは


「ひちょるさま・・・本当に行っちゃった~」

「駆け落ちするためにヘリの操縦を習っていたなんて・・」

「姫様~最高~!!!!!!」

ヘリコプターが見えなくなるまで手を振り続けていた・・・・・




おしまい


去年の7月7日はM&D活動でしたね・・・唯一のテレビパフォーマンス・・・
一年って早いです・・・・



Eternal~丘の上の洋館

一応終了しました

この話について少し書かせて下さい

実はこの話はエピソード0なるものがありまして

ヒチョルとハンギョンの出会いの話になりますが

えのこ様の企画に参加させて頂きそこで発表しました

その時にこの「リョウク編」も同時に完成してました


同じころに他のFFを書かれている方がバンパイヤものをあげていて

その話が素敵だったので、私の話はしばらくお蔵入りとなりました

ほとぼりが冷めたからいいかな・・・って思ったところ

仲のよい方もヒチョルバンパイヤの話を書き始めていたので

どうしよう・・・と悩んだのですが

その方が大丈夫だよ・・って言って下さったので

お蔵入りした作品をかなり加筆修正してあげることにしました


結果


バンパイヤもの・・・じゃなかったですね

私が書くとこうなる・・・自分でも笑ってしまいました

耽美さも何もまったくありません

夜のバンパイヤヒチョルもすごく美しくていいけど

私はお日様の下で元気に活動してほしかったのでこんな風になりました

ヒチョルとハンギョンは世界中を旅します

なのでこの話はしばらく続きます・・・ぼちぼちですけど・・


現実妄想が無理になってきているので

こんな感じのハンチョルになってますが

私の話を読んで下さる方々本当にありがとうございます

感想やリクエスト(創作ヒント下さい!!!)いつでも受け付けております


ワンパターンのハンチョルですけど

これからもよろしくお願いいたします

【Eternal~丘の上の洋館】Last


「やっと晴れてきたわね~あのうっとうしい雨季ももう終わりね~」

リョウクの母親は洗い終わった洗濯もののカゴを抱えて嬉しそうに言った

リョウクはコミンを抱き上げると

「ちょっと友達の所に行ってくるね~」と母親に手を振って走って行く



「ヒチョルさん達・・まだいるよね・・・お別れの挨拶しなくちゃ」


リョウクは腕にコミンと自分の作ったお菓子をしっかりと抱えて

丘の上の洋館に向かって走って行く


洋館の門扉の前に車が停まっている

すでに荷物は全て積み込まれた後のようだった


「ヒチョルさ~ん」リョウクが大きな声を出して手を振ると

「あっ!!!!リョウクが来た~」ヒチョルも嬉しそうに手を振ってくれる

ヒチョルの隣にはハンギョンが笑顔で立っている


「コミン~おいで」

ヒチョルはリョウクの腕からコミンを受け取ると

「コミン・・お前ともお別れだね・・うわっ・・くすぐったいよ~」

コミンに顔をペロペロ舐められて大笑いしている


「あの・・・これ・・・僕が作ったアップルパイです・・

持って行って下さい」

リョウクはハンギョンに包みを渡すと

ハンギョンは笑顔で受け取りながら「ヒチョル・・」と呼びかけた

「俺達からもリョウクに渡すものあるんだ~」


リョウクの手の上にマグカップがのせられた

いつも遊びに来ると専用で使っていたもので

リョウクがキリンが好きだと聞いたハンギョンが

街の雑貨屋さんで探してきたキリンの柄のカップだった


「もうリョウクとはお茶飲めないけど・・・

これでお茶飲む時は俺達を思い出して・・・・

あとハンギョンの作ったお茶も貰ってね」


あ・・・・

リョウクの瞳から涙が溢れてくる

今日は泣かないで笑顔で送り出そうと思ったのに・・・・


「リョウク・・・俺の初めての『友達』・・・ありがとう

たまには手紙かいてもいい?」

ヒチョルの言葉にリョウクは泣きながらヒチョルにしがみついた

「もう・・・会えないの? 何十年後でもいいから・・・・

僕に会いに来て・・・・」


その言葉をきいてヒチョルは笑顔で答える

「うん・・・いつになるか分からないけど必ず会いにくるよ」

「ヒチョルさん達は変わらないけど・・・僕・・お爺さんになったら・・見つけてくれないよね」

ヒチョルはちょっと考えるとハンギョンに耳打ちをする

ハンギョンは頷くとリョウクにむかって

「リョウク・・そうだね・・ちょっと印つけてもいいかな」

ヒチョルがリョウクの首筋に唇を近付ける・・ふわりと花の香りがリョウクを包んだ


「リョウクの首に俺の印つけた・・印だけだから・・バンパイヤになってないから・・

ただ・・その印は人間には見えないけどバンパイヤには見えるんだよ」

「じゃあ・・僕がお爺さんになっても印は残って分かるんですね」

「うん・・・一発で見つけてあげるからね」


ヒチョルはリョウクを抱きしめると頬に優しく口づけをした


「俺・・・リョウクの事絶対に忘れないから・・・ありがとう・・・」

ヒチョルの綺麗な瞳から一筋涙がこぼれる


「ヒチョルさん・・・ヒョンって呼んでいいですか?」

リョウクの言葉にヒチョルは驚いたがすぐに笑顔になって

「うん・・ありがとう」

「ヒチョル兄さん・・元気でいて下さいね

ハンギョンさんもヒチョル兄さんをずっと守っていってください」

「ああ・・・リョウク・・また会おうな」

ハンギョンはそう言うとヒチョルと共に車に乗り込んだ





「リョウク~元気でね~」

車の助手席からヒチョルが身を乗り出していつまでも手を振っている

リョウクも洋館の前でずっと手を振り続けていた

車が見えなくなるまで・・・ずっと手を振り続けていた



「ヒチョル兄さん・・・・絶対に会いに来て下さい

そして僕のつくったお菓子を食べて下さいね・・・・・・

いくつになっても僕は待ってますから・・・・・」


「クゥン・・」


リョウクの足元にいたコミンが寂しそうに鳴いた


「キリンさんのカップもらっちゃった・・・もったいないから飾っておこうかな」

リョウクは嬉しそうに微笑む

「コミン・・・おうちに帰ろうか?」

約二カ月の間通い詰めた洋館を眺めると、リョウクはコミンのリードをもって

家に向かって歩いていった





【Eternal~丘の上の洋館】6


「俺の血をはやく飲め!!!!!」

ハンギョンに怒鳴られてヒチョルは小さく頷いた

瞳を閉じて悲しそうな顔をしてからハンギョンの首筋に唇を寄せる

リョウクと話していた時には見えてなかった小さな牙が見え

その牙を首筋に突きたてるとコクコクと血を飲み始めた



リョウクは今自分の目の前で起きている事が信じられなかった

(ヒチョルさんが・・・ハンギョンさんの血を飲んでいる・・・これって・・・)

血まみれだったハンギョンの血も止まりいつの間にか傷口が乾いている

(この驚異的な回復力は・・・人間じゃない????)


血を与えているハンギョンはとても愛おしそうな瞳でヒチョルを見つめている

その姿を見てリョウクは2人の絆を嫌という程感じさせられた


(ハンギョンさんは・・自分の命をヒチョルさんに分け与えているんだ)

しばらくするとヒチョルの顔いろが元にもどり、頬にも赤みが差してきた

ヒチョルの唇がハンギョンの首筋から離れる

ハンギョンはほっと息をひとつはくとヒチョルを力強く抱きしめた

「なんで・・なんでお前はいつもギリギリまで我慢するんだ・・・・

ふたりで生きていくために・・・ずっと2人でいるために仲間にしたのに・・・・」


「ハンギョン・・・ごめん・・・俺・・・エネジィ集めるのが下手なだけだよ」

そういうとヒチョルはリョウクの方を見つめて寂しく微笑んだ


「リョウク・・・ごめん・・驚いたよね・・・」


ヒチョルに声をかけられてリョウクはハッとして2人を見つめる


「人間じゃない・・・バンパイヤ? 」

リョウクの問いかけにハンギョンは答えて

「そういう呼び方もある・・・でも俺達は人間世界で言われているバンパイヤとは少し違う」

リョウクは黙ってハンギョンの話の続きを聞く

「俺達は日中活動することもできるし、十字架だって怖くない・・・

人間の血は手っ取り早い補給方法だけど、ヒチョルが嫌がるから人間は襲った事はない

人間の血の変わりのエネジィは、他からいくらでも取り入れて生きていくことが出来る・・・

君たちよりは長生きする種族だけど・・・不老不死ではない・・・・」


ハンギョンの説明を聞いてリョウクは少しほっとした

「バンパイヤって知って・・・俺達に襲われるって思っただろう?」

ヒチョルは寂しそうに笑うと

「俺・・・人間の時に病気で・・・バンパイヤになってもうまく変化できなかったんだ

だから・・・ハンギョンには出来る事でも俺は出来ない事が多い・・・・

生きていく糧としてエネジィを集める事もへたくそで・・・

時々ハンギョンから血をもらってるんだ・・・・」

「・・・・・・・・」

「今までありがとう・・・楽しかったけど・・もう無理して来なくていいよ」

リョウクは自分でも気付かないうちに涙があふれてきた

そしてヒチョルに駆け寄って抱きつくと

「僕は・・・ヒチョルさんの友達です・・・これからもずっと・・・」

ヒチョルとハンギョンの正体を知っても少しもこわくない・・・

不思議だな・・・とリョウクは思う


「そうだ・・・今日はシフォンケーキを焼いてきたんです・・・

あとね・・・学校で面白い事があって・・・絶対に面白いから聞いてもらいたいなって」

リョウクは笑顔でヒチョルに話しかける

「俺達のこと・・・怖くないの?」

リョウクはニッコリ微笑むと

「ヒチョルさんの笑顔が僕好きです・・・ヒチョルさんもハンギョンさんも全然怖くないですよ」


「ヒチョル・・・良かったな・・・お前が選んだ友達だけある・・・

ケーキがあるんだから・・お茶でもいれよう・・・」

ハンギョンはヒチョルの肩を叩くとキッチンに向かって行った

あれだけ流れていた血もすっかり乾き怪我の形跡も全く残っていない


ヒチョルは涙を手の甲で拭いながらリョウクに向かって

「リョウク・・・・いつまでも俺の友達でいてね」

「はい・・・次にハンギョンさんが留守の時にこの間の恋話の続きしましょうね」

2人はお互いの顔を見合わせて笑いあった・・・

【Eternal~丘の上の洋館】5


「まったくいつになったらこの季節は終わるのかしらね・・・

洗濯ものが乾きやしないわ・・・」


リョウクは母親が空を眺めながら文句を言っているのを聞いて

くすっと笑った

(ヒチョルさんもこの湿り気の多い天気は苦手だって言ってたな・・)


「あら・・・リョウク・・この天気なのに出かけるの?」

「うん・・・友達の家に行ってくるね~」

リョウクは傘をさすと玄関を元気に飛び出して行った


この2週間は定期テストがあって

リョウクはヒチョルの元に遊びに行けなかった

音楽学校だから実技テストなどもあるので勉強も忙しく

その事は事前にヒチョルに伝えてあったけど

リョウクはお詫びも兼ねてシフォンケーキを作って持参していた


「ヒチョルさん・・・学校で面白い話あったから聞いてくれるかな」

リョウクはドキドキしながら玄関のチャイムを押す


あれ?

いつまでたっても返事はない

玄関の鍵はかかったままだ・・・

部屋の明かりは付いている・・・

「変だな・・・・」


妙な胸騒ぎを覚えたリョウクは庭の方をまわってキッチンの方に行った

キッチンに隣接したリビングの庭に面した窓の鍵は開いていたので

リョウクはそっと開けて中を覗いた・・・


「ヒチョルさん!!!!!!!」

ソファの足元にヒチョルが倒れているのが見えた


リョウクは急いで中に飛び込んでヒチョルを抱き起こす

「ヒチョルさん!!!!!大丈夫ですか?」ヒチョルの肩をゆすって叫んだ

「あ・・・リョウク・・・」


ヒチョルの意識がある事がわかりリョウクはホッとする

ヒチョルはひどくやつれていて涙の後が頬に残っていた

「ハンギョンが・・・戻ってこないんだ・・1週間って言ったのに

もう・・・2週間なのに・・戻ってこないんだ・・・俺・・・」

ヒチョルは力なく小さな声で呟いた


ハンギョンさんが・・? 何かあったの?


リョウクはヒチョルを抱えるとソファに座らせた

キッチンを探して暖かいお茶を入れ、ヒチョルに飲ませる

ヒチョルの顔は土気色になって座っているのがやっとだった

精神的な動揺がかなり伝わってくる・・・

「何かあって遅れているだけですよ・・大丈夫です

ハンギョンさんはヒチョルさんを1人ぼっちにしません!!!!!」


「俺・・・その時が来たと思って・・・用意したんだ・・・」

見るとテーブルの上に懐中時計と護身用の小さな拳銃が置いてあった


「時計についてるのはハンギョンの髪の毛を編んで作った紐なんだ・・・

ハンギョンに何かあった時は・・・この髪の毛も灰になる・・・・・

そうしたら・・・・俺は・・・これを使って自分を打つ・・・」


リョウクはこの拳銃が自害用のものだと理解し、ヒチョルの届かない場所に移した

ヒチョルの言っている意味がよく分からないけど

なんとか落ち着かせようとリョウクはヒチョルに向かって力強く言った

「ハンギョンさんの髪の毛が灰になってないなら・・何も起きてないって事です

ハンギョンさんを愛しているなら、信じて待ちましょう」

「あ・・・」

ヒチョルは涙の溢れる瞳でリョウクを見つめ、懐中時計を手にして

「そうだね・・・リョウク・・ありがとう・・・・」

よわよわしく微笑むと、息をひとつはいた・・



ガタン!!!!!!


2階の窓がすごい音を立てた

リョウクはビックリしてヒチョルを抱きしめた


階段をミシミシと音を立てて何かが降りてくる


音のする方を見ると



そこには頭から血を流して立っているハンギョンの姿があった

「ハンギョン!!!!!」

ヒチョルが悲鳴に似た叫び声をあげてハンギョンの元に駆け寄る

ソファにあったタオルを傷口にあてがいながら

「大丈夫だ・・・ちょっとまずったけど大事ない・・・すぐに血は止まるから」

ハンギョンはそう言うとヒチョルの顔をみて

「それより・・ヒチョル!!!!なんだ・・お前・・その顔色!!!!!」驚いて叫ぶ

ハンギョンは自分の事などお構いなしに、ヒチョルを抱きしめると

リョウクがそこにいる事など忘れたように叫ぶ

「早く!!!!!俺の血を飲め!!!!!!」


リョウクは自分の目の前で何が起きているのか理解できないでいた・・・・・





【Eternal~丘の上の洋館】4


「今度一週間ほど留守にするから・・ヒチョルいい子で待ってるんだよ」

愛し合った後で、ベットの中でヒチョルを腕枕しながらハンギョンが囁いた

ヒチョルはちょっと寂しそうな顔をしたが、すぐに笑顔を作って

「最近ね・・リョウクが遊びに来てくれるから・・大丈夫だよ」

「そうだな・・リョウクとは『友達』になったんだろう? 良かったな」

ハンギョンは優しい瞳でヒチョルを見つめる

ヒチョルはその瞳に蕩けそうになってハンギョンに抱きついた


「そう言えば・・・ヒチョルは甘いお菓子って苦手だったのに・・・

リョウクのは良く食べるよな・・・」

ハンギョンは意外そうな顔をして聞いてきた

ヒチョルはふふっと小さく笑うと

「あの子の作るお菓子は・・・愛が溢れているんだ・・

だから食べると気持ちが暖かくなるんだよ・・・こんな俺でも・・・」

「でも半分以上は俺が食べてるんじゃないか・・俺達は食事しなくてもいいのに」

ハンギョンが自虐的に笑うとヒチョルは

「俺達も人間みたいに太るの? 太ったハンギョンは嫌だ・・・・」と真面目に聞いてきたので

「どうだろうな・・・せいぜい太らないように頑張るよ」

ハンギョンは苦笑しながらヒチョルを抱き寄せる


(ハンギョンの心臓の音が聞こえる・・・こんな俺達でも生きているのは同じなんだ・・)

ハンギョンの胸に頭をのせたヒチョルは、規則正しい音を聞きながら

涙を流していた・・・・

胸に冷たい気配を感じたハンギョンは

「ヒチョル・・・どうしたの? 何が悲しいの?」と優しく聞いてきた

「悲しくないよ・・・嬉しいんだ・・・ハンギョンとずっと一緒にいられて

あのままだったら・・俺・・ハンギョンに愛されずに死んでたもん・・・

愛して愛されて・・・幸せすぎて涙が止まらないんだ・・・・」


ハンギョンは黙ってヒチョルの頭をなでる

「俺も・・・ヒチョルに出会わなかったら一生涯愛を知らないままだったな」


(うん・・・俺達は神様に見捨てられた存在かもしれないけど

ハンギョンに出会えたのは・・・神様に感謝したいくらいだ・・・)


ヒチョルは嬉しそうにハンギョンの胸で微笑んでいた・・・



【Eternal~丘の上の洋館】3


小雨が降っている中リョウクは傘をさして

洋館の門扉の前にたたずんでいた

お手製のアップルパイの包みを抱えてしばらく悩む


遊びに来てね~って言われたけど・・・本当に来ても良かったのかな・・・

ドキドキしながらチャイムを押した・・・・



しばらくして

「はーい」玄関があくとヒチョルが出てきた

「うわぁ~♪リョウクだ~遊びに来てくれたんだね~」

満面の笑みでリョウクを見つめる

「雨で濡れちゃうから早く入って~!!!!!」

ヒチョルに歓迎されてリョウクはホッとして息をひとつはく


洋館のリビングに通され、リョウクは勧められた椅子に座った

シャンデリアがとても豪華でアンティーク調の家具に思わず見とれる

「あの・・・これ・・僕が作ったアップルパイなんですけど・・・」

リョウクは手にしていた包みをテーブルの上に置いた

「すげ~!!!!リョウクってお菓子つくるんだ~」

ヒチョルが驚きながら包みを開ける

「うわ~旨そう~今お茶入れるから待っててね」



出されたお茶は薔薇の香りがした

初めて口にするけど美味しいとリョウクは思った



「リョウクって学生さんでしょ? 今日は学校ないの?」

ヒチョルの質問にリョウクは笑いながら

「今日は日曜日だから・・学校は休みですよ」と答えると

ヒチョルは少しさびしそうに

「ごめん・・・俺・・学校に行った事ないから良く知らなくて・・・」

え?

「俺・・・生まれた時から病弱で・・自分の部屋と病院しか知らなかったんだ

部屋に家庭教師が来てくれて・・それで勉強してた・・・」

「でも・・今は普通に見えますけど・・病気は治ったんですか?」

リョウクの言葉にヒチョルは苦笑しながら

「うん・・・ハンギョンのおかげで前よりは良くなったよ・・普通の生活できるようになったし

ただ・・今頃の季節は体調がイマイチで寝てばかりだけどね」

「そう言えば・・・ハンギョンさんって・・今日は?」

リョウクは愛おしそうな瞳でヒチョルを見つめていた

ハンギョンの姿を探してキョロキョロする

「ここにいる間は、俺達が旅行するために資金稼ぎのお仕事している・・・

世界旅行はベットで過ごしていた時の俺の夢だったんだ・・・・

ハンギョンは・・俺の夢を実現するために何でもしてくれるんだ」

リョウクは2人の深い絆を感じて少し羨ましく思った


「ねえ・・リョウク・・・学校のこと話してよ・・・

俺・・・学校に行きたかったんだ・・・友達作りたかったんだ」

ヒチョルの寂しそうな瞳にリョウクの心がズキンと痛んだ

「僕の行っている学校は音楽学校なんです・・・・」リョウクは自分の学校の話を始めた・・・


2人はいろいろな事で気が合い、次から次へと話は尽く事がなかった

楽しい時間を過ごす事が出来てヒチョルはもう寂しそうな姿をみせることはなく

この日以来リョウクは、時間があればヒチョルのもとを訪れるようになった

ヒチョルは毎回のようにリョウクが手作りのお菓子を持ってくるので

そんなに気を使う事ないから・・と遠慮したが

2人でお菓子を食べながらのおしゃべりが楽しくて

だんだんそのお菓子を楽しみにするようになってきた

そのうちリョウクは恋の相談までするようになり・・・本当の兄弟のように深い繋がりが生まれていた

そんな穏やかな日々がしばらく続いた・・・

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