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突然思いついてしまいました・・・

おバカver.と言う事で・・・・

ギャルソンヒチョルが建築士ハンギョンと共に

アメリカに出発した後の「cafe 賛美歌」のお店が舞台です


【cafe 賛美歌×パールサファイアの夜】



ホストクラブ パールサファイアは今夜も大盛況

そこのナンバー1ホストのヒチョルは常連のマダムから

今話題のcafe の噂を聞かされた



「テレビのワイドショーとか雑誌とかで取りあげられててね

何か気になって娘といってきたのよ~」

ヒチョルの母親と同年代と思われる有閑マダムが楽しそうに口を開いた


「建物が教会でね・・まずそこが面白かったし

それにそこのマスターが

ワールドバリスタチャンピオンシップで賞をとった人でね

コーヒーがすっごく美味しかったのよ」


何気なく聞き流していたヒチョルは

「コーヒーがすごく美味しかった」のフレーズだけ覚えていた


(俺・・コーヒー飲まないけど・・ハンギョンは好きだよな)

ソウルで一番おいしいコーヒーを入れてくれる

教会風の変わったcafe があるという話がヒチョルの記憶に残った




ハンギョンは前の職場で横領事件が発生し

同期が行方不明になっていて

その件で心を痛めたりしていた

最近寝付きも悪く、夜中にうなされたりしている・・

ヒチョルの前では平静さを装っていたが

一緒に生活をしているヒチョルは心配で仕方ない


今度の休みには、うんとおしゃれして

ハンギョンとそのcafe に行こう・・・

ヒチョルは密かに計画を練っていた






「ドンヘ~ちょっと聞いていいか? 最近話題の教会風のcafe って

お前知ってるか?」

ヒチョルが店が終わった後、ウニョクと一緒にいたドンヘに声をかけた

「教会風のcafe ? あー知ってる!!!!!この間同伴の時にユリちゃんと前を通ったな」

「どこにあるんだ? 場所教えろよ」

ドンヘが思いだしながらその場所をヒチョルに告げると

横にいたウニョクが突然会話に割り込んできた

「俺も教会風のcafe 知ってる・・見たよ・・でもその場所じゃなかった」

「テレビや雑誌で取り上げられてんだって・・二か所もあるのかな?」

「チェーン店じゃん?」深く考えないドンヘが軽く答える

「そうかな?」ヒチョルは首をかしげながら2人に礼を言うと

ロッカー室で待っているハンギョンの元に行った




「リョウク行ってくるね~♪」

可愛いポンチョを着て、タイトなパンツにもこもこのブーツを履いて

真っ白なふわふわのニット帽を被ったヒチョルは

いつものスーツと違い黒のレザージャケットに

黒の細身のパンツをはいたハンギョンと仲良く腕を組んで玄関を出ていった


「ヒチョル・・今日は完全に女の子だね・・」

ハンギョンはその可愛らしさに嬉しくて目じりが下がる

自分でもデレデレした顔をしていると自覚したのか

ジャケットの内ポケットからサングラスをとりだすと

急いでかけて誤魔化した


ヒチョルは今日は思いっきりイチャイチャしたかったので

女の子まがいの服装を選んだのだった

「お前のそのサングラスって・・明洞のWHYstyleのだろう?

マフィアみたいにカッコいいよ」

そう言うとハンギョンの頬にキスをする

バカップルはドンヘに教わった店を目指してタクシーに乗り込んだ


教わった場所で車を降りると確かに教会風の建物はあった・・・・


「ヒチョル・・・ここって本当にcafe なの?」

ハンギョンが疑わしそうな顔をしてヒチョルを見る

「ドンヘが言ってたのがここなんだよ・・・多分・・そうなんだろう」

ヒチョルは思い切って、その重そうな扉を身体全体を使って押しあけた


ハ~レルヤ♪ハ~レルヤ♪ハレルヤハレルヤハレ~ルヤ~♪

突然大音響で賛美歌が響き渡った


「うわっハンギョン!!!!ここって何だ?」

ヒチョルは隣のハンギョンに抱きつく

「ヒチョル・・・奥から誰かくる・・・」

「牧師さん? ここはcafe じゃないのか? ハンギョン!!!!逃げよう」

2人は大慌てで扉をしめると走って逃げる


「くっそードンヘの奴・・嘘教えやがって!!!!!

ウニョクの言った店に行って見るか」



「ヒチョル・・・ここ?」

教会風の建物がそこに建っていた・・・

がその扉には「臨時休業」という看板が貼ってある

「店はやってるみたいだけど・・・」

ヒチョルは斜め前にある花屋に入っていって

ヒマそうに店番をしていた中年の女性に声をかけた

「あの・・・前の店ってcafe ですか?」

女性はハンギョンの顔をみて「あら・・いい男ね」と嬉しそうに微笑み

「一応cafe やってんだけど、臨時休業が多くてね・・

近所の常連さんしか行かないわね」と言うと

ハンギョンの手を突然に握りしめ

「お花買って行かない? 安くしておくわよ」と強い口調で言ってくる

うっ!!!!ハンギョンはひきつった笑顔で女性を見つめ

「すみません・・あの花束をひとつください」と言って財布をとりだした




「リョウク~cafe 賛美歌が見つかんない!!!!ドンヘもウニョクも

違う店教えやがった!!!!!」

せっかくおしゃれして意気揚々と出かけて来たヒチョルは

こうなったら意地でもcafe 賛美歌に行ってやると

リョウクにSOSの電話をした

「ちょっと待って下さいね~先週のソウルwalkerに特集ありましたから・・」

やっぱりリョウクは頼りになるな・・とヒチョルはホッとする

「弘大にありますね・・駅の東口を出て弘益大学に向かって左側の通り沿いみたいです

雑誌の地図では・・日本風居酒屋がたくさんある所を過ぎて右側にあるそうです」


「リョウク~ありがとう♪ 愛してる~♪」

「雑誌にはワッフルが美味しいって書いてありますよ」

「よしっ!!!ワッフル買ってきてやるからな~リョウガ~サンキュ♪」


電話を切った後でリョウクは雑誌の写真を見ながら


「このワッフルって・・・多分テイクアウトできないと思うんだけど・・・」

ぼそりと呟く


写真に映っているワッフルは

フルーツ盛りだくさんの上

アイスクリームと生クリームでトッピングされたもので

どう見てもテイクアウトは出来そうもない


「でもヒチョル兄さんが嬉しそうだからいいか~」

リョウクも楽しそうにクスクスと笑っていた






すみません・・・思った以上に長くなりました・・ので前後編にします
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【Eternal 番外編】使い魔 Last


「ハンギョン・・この子の時間って俺達と違うの?

数日前に拾ってきたつもりなのに・・もう大人の大きさになってるよ」


ヒチョルは自分の胸に抱いている猫を優しくなでながら

ハンギョンに向かって不思議そうな顔をして聞いてくる


「僕? おとななの?」

子猫とはいえないサイズに成長したチビが不安そうな顔をした


ハンギョンはそんな2人を眺めて眉間にしわをよせると

「外から拾ってきたから人間界の時間で成長してるな・・・

でも森の中だから俺達と一緒に過ごしてるから・・・

体の成長と中身の成長がずれているみたいだな・・・」

「チビはまだまだ赤ちゃんだよね~」

ヒチョルがチビをあやすようにニッコリと笑う


「そいつどうする? 俺達はそろそろ外の世界に戻るぞ

いつも言ってるけど旅している俺達は動物を飼う事はできない」

ヒチョルは黙ってチビを抱きしめる


「僕・・・おとなになったら・・ひちょると一緒にいられないの?」

「なんでそんな事聞く?」ハンギョンがチビにむかって聞くと

「オウルさんが・・僕はおとなになったら、ひちょると別れないといけないって」


それを聞いてヒチョルはチビをギュッと抱きしめながら言った

「チビは生まれつき障害があるんだよ・・1人で生きていけないよ」


チビを拾ってきて世話をしながら

ヒチョルは人間だった時の自分を重ねて見ていた

生まれつき心臓に欠陥があり

ただ死ぬのを待っているような毎日

ハンギョンと出会って

ハンギョンの一族となって

普通の生活を出来るようになったが

三本脚のチビを見るたびに昔の自分を重ねてしまっていた


チビを抱きしめたまま涙をながすヒチョルを見て

ハンギョンはしばらく黙っていたが

真剣な顔をしてチビに聞いてきた

「ヒチョルはお前が心配で離れたくないみたいだが

お前の気持ちはどうだ?」


チビはハンギョンに聞かれて即答する

「僕は・・ひちょると一緒にいたい」

その言葉を聞いたハンギョンは空に向かって声をかけた

「オウル・・そこにいるんだろう・・でてこい」

何もなかった空間が歪んだと思ったら

そこから白いフクロウが現れる


「はいハンギョン様・・ご用はなんでしょうか」


ヒチョルがチビを抱きしめている姿を指さすと

「話は聞いていただろう?

お前の意見はどうだ? 最善の方法ってあるのか?」


オウルは2人の様子をじっと眺めると

「方法は一つしかありませんね・・・

このままでいても数日後には寿命が来ますし・・・」


ハンギョンはオウルの意見を聞くと

ため息をひとつついてヒチョルに優しく言った

「残された方法としては

チビをお前の一部にするしかないな・・・」

「?」

「チビをお前の使い魔にするんだよ・・・それならずっと一緒だ

ただ・・チビと契約しないとだめだけど」


「チビが・・・俺の使い魔に?」

ヒチョルは予想しなかった言葉にぼんやりと答える


「チビ・・使い魔となったら今までのような関係じゃなくなるぞ

主従関係だからな・・・ただヒチョルが死ぬまで一緒にはいられる」


「僕・・・一人ぼっちだから・・ひちょると一緒にいたい」

「使い魔は結構ハードなお仕事ですよ・・チビさんは大丈夫ですか?」

「ひちょるのために働くなら・・僕・・・使い魔になる」


「ヒチョルも了解なのか? だとしたら青年期の体の今

使い魔にするのにちょうどだな」


そう言うと使い魔にする儀式を行うために

オウルやバット達に指令をとばした・・・


「チビ・・・俺とずっと一緒にいてくれるの? 俺の使い魔になってくれるの?」

「ひちょる・・・僕・・一人ぼっちだから・・ひちょるの為に働く」


ハンギョンに助けてもらいながら、ヒチョルはチビと使い魔の契約を結ぶ

チビを自分の体の一部とするために、力をチビに分け与える


チビの体が光の環に包みこまれた

しばらくすると生まれ変わったような美しい猫がそこに姿を現した


「チビ・・・足があるよ・・・」

ヒチョルに言われてチビは自分の足を見る

ちゃんと四本揃って大地を踏みしめていた


「ヒチョル様・・・」チビの声も今までと違って落ち着いた麗しい声となっていた


「体と心のずれが調整されたんだな・・これが本来のチビの姿なんだろうな」

ハンギョンはそう言うとオウルに向かって

「オウルから使い魔の仕事を教えてやってくれ・・・・

ヒチョルは俺の生涯の伴侶だから・・・お前達もチビと生涯を共にすることになるしな」


ヒチョルはニッコリと微笑むと

「もうチビって呼んじゃだめだね・・・名前つけないと・・」

そう言ってしばらく考え込むと

「ヒボム・・・ヒボムに決めた」

ヒボムとなったチビを両手でぎゅっと抱きしめると

「これからずっと一緒だよ・・俺と一緒に生きていくんだね

ヒボムよろしくね」

微笑みながらヒボムの頬にキスをした

「ヒチョル様・・・ずっとお守りしていきます」

ヒボムは大きな瞳に涙を浮かべながら微笑む




美しいヒチョルの

美しい使い魔ヒボムの誕生だった


ハンギョンと出会ってヒチョルが生まれ変わったように

ヒチョルに助けられたヒボムもまた生まれ変わったのだった


この後ヒボムは何度もヒチョルの窮地を救う事になるが

それはまた後での話となる
【Eternal 番外編】使い魔 4

「チビ~こっちだよ~ほれおいで!!!」

ヒチョルが森の中心部近くにある原っぱで子猫と遊んでいる

毛糸を丸めてボールのようにして

転がしながらチビと競い合いながら取り合いをしている


チビと呼ばれている子猫は足が三本しかなかった

正確には左前脚が途中までしかなく

四本足で大地を踏みしめる事ができない

最初に気付いた時に

ヒチョルはリハビリで何とかしようと考えていた

そこで遊びながら走れるように

自分も一緒にボールの取り合いをしながら

訓練をしていたのだった


おかげで子猫は三本の足を器用に動かして

走る事もできるようになった


原っぱの隅では、ハンギョンが地面に敷いたシートの上に座って読書をしている

ヒチョルが子猫と本気でじゃれ合っている姿をチラチラと横目で見つめ

とっても愛おしそうな表情で見守っていた


「ハンギョン様・・・口元が緩んでいますよ」

使い魔のオウルがいつの間にかハンギョンの横にきてニヤリと笑った

「なんだ? お前ら静養中だろう? 俺の側で仕えなくてもいいんだぞ」

「いえいえ・・・ヒチョル様が心配で・・・・

ヒチョル様はあの泉の件いらい、すっかり使い魔の間で評判となりました

今日もたくさんの使い魔達が隠れてヒチョル様を見に来てます」

ハンギョンは使い魔達の放つ気を感じていたが

まさかそこまでとは知らなかったので、オウルの話しを聞いて不愉快になった


「ハンギョン様・・みんなヒチョル様を見てウットリしているだけですから

そんな・・殺気立った気を放たないでください・・・」

オウルの指摘にドキっとしたハンギョンは苦笑する


ヒチョルはそんな事にきづかず、子猫と楽しく遊んでいた

「チビ~お前すごく走れるようになったね~良かったぁ」

子猫を抱き上げるとゴロゴロと原っぱを転がっていく

「僕じょうずに走れるようになった・・ひちょるのおかげだ」

子猫は嬉しそうにヒチョルに抱きつくと2人でゴロゴロ転がって笑いあった


原っぱのあちこちから

使い魔のため息だけが聞こえてくる

ハンギョンはそんな様子を眺めて

改めてヒチョルの魅力について考えていた

「ヒチョル様の笑顔・・・見た人の心を熔ろかすような魅力がありますね

ハンギョン様・・あそこの木の影にチャンミン氏のクロウが隠れて見てますよ」

オウルは面白そうに木の影を指さす


「ハンギョン~!!!!」

ヒチョルが子猫を抱き上げたまま走ってくる


ああ・・森の妖精のようだ・・・なんて可愛いんだ・・・


ヒチョルを見つめるハンギョンの顔が緩んでくる

目じりも下がりっぱなしでデレデレ状態だ


オウルはそんな主を見つめていた

(本当にハンギョン様は変わった・・ヒチョル様を生涯の伴侶としてから

今まで人間らしい感情なんてなかったのに・・今では本当の人間の様に

喜怒哀楽まで分かりやすくなって・・・私は今のハンギョン様の方が好きだな)


ヒチョルの腕から子猫が飛び降りる

ハンギョンはヒチョルを強く抱きしめて耳元で何かを囁く

ヒチョルは真っ赤な顔をして「ば・・か・・」と呟いた

ハンギョンはヒチョルの唇に自分の唇を重ねる


ざわざわ・・・・

隠れて見ていた使い魔達の気が乱れている


ふんっ

ハンギョンはその気の乱れに見せつけるように深い口づけをする

ヒチョルはその甘美な口づけに力が抜け、立っていられなくなり

ハンギョンの胸にしがみつく・・・

2人の唇が離れると頬をほんのりと赤くしたヒチョルが

「ハンギョン・・・好き・・・」と囁いて自分から抱きついてきた



「ハンギョン様・・・分かりやすいなぁ・・・あれだけ見せつけられたら

誰もヒチョル様に近付こうとは考えないよなぁ・・・」

オウルは小さくため息をつくと足元にいた子猫に微笑む

「あっという間に大きくなったね・・君の時間は人間界の時間だから

私達とは違うんだなって・・もう大人になっちゃうね」

「僕・・・もうおとなになるの?」

「ヒチョル様とは・・いつまで一緒にいられるのか・・・」

「おとなになったら・・一緒にいれないの?」

子猫は悲しそうな瞳でオウルを見つめる


こればかりは何とも言えない・・・とオウルは答えると姿を消した


子猫はハンギョンに甘えるヒチョルを

寂しそうに見つめ続けていた

【Eternal 番外編】使い魔3


森の中心部に泉が涌き出ている場所がある

そこは使い魔達の湯治場のようになっている

その泉に浸かる事によって

傷や疲れその他もろもろが修復されるパワースポットになっていた


今日もたくさんの使い魔達がその泉に浸かりに来ていて

露天風呂を楽しんでいる人間と変わりのない風景だった


「おやっ・・・そこにいるのはハンギョンさんの所のオウルさんじゃないですか?」

ハンギョンの使い魔であるフクちゃん事フクロウのオウルは

コウちゃん事コウモリのバット達と一緒に泉に浸かってのんびりしていた

突然声をかけられて首だけを真後ろにまわして相手を確認し

ニッコリと微笑みながら返事をした


「チャンミン氏のクロウさん・・今日はどうされましたか?」

チャンミンはハンギョンの仕事のパートナーなので

使い魔同士も顔を合わせる事が多い

特にクロウは仕事の依頼の連絡係をしているので

ハンギョンの元にいつもやってくるためにオウル達と親交があった


「いや~今日はちょっと昔の傷が痛みましてね・・・

主に休暇頂いて私だけここに来させてもらったんですよ」

人懐っこい笑顔でクロウは話しを続ける

「オウルさん達がここに来てるって事は・・・

主であるハンギョンさん達も来てるって事ですか?」


くすっ・・・・

2匹の会話を聞いていたコウモリ達はこっそりと笑う

クロウがヒチョルに懸想しているのに気付いているので

これからヒチョルの事に話を持ってくるんだろうと予想ができたからだ


「ええ・・ご主人たちは南側のコテージにいますよ・・・

今回は私達の湯治が目的なので、好きなだけ滞在できるんですよ」

オウルの返事を聞いてクロウは少し頬を赤らめた

多分ヒチョルの事を思っているんだろう・・・と周囲が思っていたその時



「あれ? カーちゃんがいる~!!!!!」とヒチョルの声がした


突然カーちゃんと呼ばれたクロウは驚いて泉の中にもぐってしまった

「ヒチョルさま・・・どうしました?」

オウルが泉のほとりに立っているハンギョンとヒチョルに気付いて声をかけた

見るとヒチョルの腕の中には子猫が大事そうに抱えられている


「すまない・・お前たちは今休暇中だから・・俺達の事に構わなくていいぞ

それよりチャンミンのカーちゃんはなんでここにいるんだ?チャンミンも来てるのか?」

ハンギョンの問いかけに泉にもぐっていたクロウは慌てて顔を出す

「私の名前はカーちゃんではありません。クロウです。

残念ながら主は来ておりません・・・人間界で美人とよろしくやっております」

ツンとすました顔をつくってクロウは答える

ハンギョンはその姿が可笑しくてたまらないのだが

必死で笑いをこらえていた


「カーちゃん!!!!久しぶりだね~元気だった?」

ヒチョルがニコニコしながらクロウに声をかけると

あれだけカーちゃんじゃない・・と言っていたのにも関わらず

クロウは嬉しくて顔が綻んでいる

「ヒチョル様もお元気そうで・・その子猫はどうされたんですか?」

ヒチョルは自分の抱えている子猫に一度視線を落とすと

「うん・・森の入口に捨てられてたの・・

この泉に浸かると元気になるかなって思って連れて来たの」

そう言って子猫を泉に浸そうとするが

子猫は水を怖がってヒチョルにしがみついて離れない

ヒチョルは困ってハンギョンに向かって訪ねた

「俺は・・この泉に入っちゃだめなの?この子と一緒に入ってあげたいんだけど」

「ダメって事はないけど・・使い魔達のための泉だから・・

使い魔は主と同じだと気が休まらないと思って

俺達はここは利用してないだけだ・・お前の使い魔はいないから

大丈夫だと思うが・・・」

ハンギョンの説明を聞くと

ヒチョルは静かに服を着たまま泉の中に入っていく

「泉に入ってるみんな・・ごめんね邪魔して

この子のために俺も少し浸るから・・・湯治の邪魔してごめん・・」

ヒチョルが泉で静養中の使い魔達にむかって笑顔で言うと

初めて出会った使い魔達はドキドキしながらヒチョルの笑顔を見つめ返した

みんなヒチョルの魅力に引き込まれていく


クロウはヒチョルと同じ泉に浸かっているという事で

黒い顔を赤くしてドギマギしている


ハンギョンはこの様子を眺めていて

ヒチョルが使い魔達まで魅了した事に驚き

ドギマギしている使い魔達を見て思わず微笑んでいた


こいつは・・他の能力はまだまだでも

使い魔を操る事はできるようだな・・・


ヒチョルの腕の中の子猫は泉からパワーをもらい

目に見えて回復していく・・・


ヒチョルはその様子を嬉しそうに見つめていた


周囲の使い魔達はそのヒチョルの笑顔を見て

幸せな気持ちになっていくのだった
【Eternal 番外編】使い魔2


森での生活はヒチョルにとって快適だった

ハンギョンの説明では森からの生気で

いつもよりパワーアップできるらしい・・


「ハンギョン~!!!散歩してくるね~」

ヒチョルは薄いパステルピンクの

ふんわりとしたワンピースを着て

はだしのままコテージを飛び出して行った・・・


楽しそうに走っていくヒチョルの後ろ姿を

ハンギョンは優しい瞳で見つめながら

「森の中は一族しか入れないから大丈夫だろう・・」そう呟くと

「森から外にでるんじゃないぞ!!!!」ヒチョルに向かって大声で叫んだ




パタパタ・・・・

ヒチョルの背中の羽根の羽ばたく音がする

いつもよりも軽やかに空を飛べるので

ヒチョルは楽しくて仕方なかった


『こんにちは~』

『いいお天気ですね~』

小鳥などの森の動物たちが話しかけてくる


ヒチョルがハンギョンの仲間になって

なかなか力を上手く使う事が出来ないでいたが

動物たちとの意思の疎通の能力は早くから芽生えていた

いつもは街に住んでいるので、犬や猫たちと会話しているが

今日はいつも話さないような小動物達と会話を楽しんでいた


ヒチョルが空の遊泳を十分堪能していると

どこからか子猫の鳴き声が聞こえてきた

耳を澄ますと森の入口あたりからだった


ヒチョルは地面に降りると聞き耳を立てながら

鳴き声のする方向を探し始めた


みゃあ・・・みゃあ・・・


「こっちの方からするんだけど・・・どこだ?」

子猫の声はだんだんとか弱くなってきている

ヒチョルは焦ってきてあちこち探しまくると

森の入口あたりに小さな箱を見つけた


あっ!!!!

ヒチョルは気が付いてその箱まで走っていく


みゃあ・・みやぁ・・・

やはり箱の中から声がする

ヒチョルが箱をあけると

中に生まれたばかりの子猫が入っていた

「お前・・・捨てられたの?」

『ママ・・ママ・・』

子猫は母猫を探して鳴いていた


ヒチョルは箱を大切そうに抱えると

コテージまで一目散に飛んで行った・・・・




使い魔に休息を与えるために

森に滞在をしているハンギョンだったが

ヒチョルに何かあったら大変だと

森の動物たちにヒチョルの事を頼んであった

ヒチョルに異変があったら

すぐにハンギョンの元に連絡がくるようになっている


窓辺にリスが一匹姿を見せた

『ヒチョルさんが悲しんでます』

ひと言ハンギョンに報告して去っていった


ヒチョル・・・どうした?

ハンギョンはコテージの窓から外を眺めると

箱を抱えて今にも泣きそうな顔をしているヒチョルの姿を見つけた

ヒチョルが戻ってくるのが待ち切れずに

大きな羽根を広げてヒチョルの元まで飛んでいく


「ハンギョン・・・」

ヒチョルはハンギョンの胸に抱かれながらコテージまで戻った

箱の中を見せながら

「この子・・死にそうなの・・助けてあげて・・」


箱の中の子猫はぐったりとしていて

今では鳴く事すらしていない

ハンギョンは箱の中から子猫をそっと取り出すと

テーブルの上に敷いたタオルの上に寝かせた


「足が・・・」

子猫は左前脚が半分の長さしかなかった

「だから捨てられたのか?」

ヒチョルはぽろぽろと涙を流しながら

ハンギョンの顔を見つめる


「大丈夫だ」

ハンギョンはそう言うと

自分の手のひらにエネジィを集めて光の玉を作り

子猫の体の中に挿入する


みゃあ・・・

子猫は小さく鳴く

するとそれまで荒かった息使いが治まってきて

落ち付いてきたようだった



「ハンギョン・・ありがとう・・・」

ハンギョンの背中にヒチョルは抱きついて礼をいう

ハンギョンは背中にヒチョルを感じながら

「この猫どうするんだ?」と聞いた

「わかんない・・・でも元気になるまで世話してあげたい」

ハンギョンはそんなヒチョルを愛おしく思い

「お前らしいな・・」と言って

背中のヒチョルを自分の方に向かせてやさしく口づけした
【Eternal 番外編】 使い魔1


「ハンギョン~ずいぶん遠くまで来たよ~

なんか森が見えてきた!!!!絵本でみた森みたい」


ハンギョンの胸に抱かれてヒチョルは空を移動中だった



今夜は満月で月明かりが2人を照らしている


ヒチョルはハンギョンの首にしっかりと自分の両手を回し

ハンギョンは両腕でしっかりとヒチョルを抱きしめ

大きくて立派な羽根を使って空を飛んでいた


「あの森に降りるぞ・・しっかりつかまってろ」

そう言うとハンギョンは急降下で森の入口に向かう




「この森の中にコテージがあって、宿泊できるようになってるんだ

無人だけど予約は入れてあるから俺達だけの貸し切りだ」


ハンギョンはそう言うと大事そうにヒチョルを地面に下ろす

ヒチョルは物珍しそうに森の中をキョロキョロと見回している


「ここではどのくらい滞在するの?」

「うーん・・・今回は使い魔たちの為に来たからな・・予定は未定だな」


ハンギョンの一族は動物と意思の疎通ができた

そして高度な技量をもつものは

動物を自分の意志のままに操る事もできた


「使い魔」はハンギョンの一族だけが持つ

自分の意のままに操れる動物の事だった

使い魔と主は強固な信頼関係で成り立っていて

一度契約を交わすと主が死ぬまで一緒に生き続ける


ハンギョンにはコウモリの一団とフクロウが使い魔として存在している

今日はそのコウモリとフクロウの日頃の働きに対して

ねぎらう意味で森のコテージにやってきたのだった


ハンギョンが意識を集中すると目の前にフクロウとコウモリが現れた

「ふくちゃんとコウちゃんだ~」

ヒチョルが嬉しそうに叫ぶと

「ヒチョル様・・お久しぶりです」ふくちゃんと呼ばれたフクロウが答える

「ハンギョン様・・われわれに休暇をありがとうございます

たっぷりリフレッシュさせて頂きます」

コウちゃんと呼ばれたコウモリはそう言うと

あっと言う間に森の中に消えていった


「私も失礼します」フクロウもそう言って森の中に消えていった


「使い魔って・・・人によって違うんだよね」ヒチョルがハンギョンに尋ねる

「ああ・・・大体は空を飛べるものが多いな・・仲間に連絡したりするから」

「チャンミンさんは、カーちゃんだったよね」

ヒチョルの言った「カーちゃん」とはカラスの使い魔の事だった

チャンミンは使い魔としてカラスを数羽操っている


(ウチのクロウが・・カーちゃんと呼ばれるのが嫌みたいなんだ・・)

以前チャンミンが笑いながらハンギョンに言った言葉を思い出して小さく笑う

(ヒチョルにカーちゃんと呼ばれるのが嫌なくせに、

お前の所への連絡係はほかのカラスにはやらせないんだよ

何だかんだ言ってもヒチョルと会いたいんだよね・・・)


ヒチョルにはまだ使い魔はいない

ハンギョンの仲間になって100年経つというのに

最近やっと羽根が生えた位だから、まだまだ力量が足りない

本人は不満には思っていないが、ハンギョンは心配のあまり

自分の使い魔のコウモリを一羽、密かに護衛させていた


「ハンギョン~コテージってあれのこと? 結構立派じゃん」

森の中をしばらく歩くとコテージが見えてきた

今日から使い魔の静養がすむまで2人で過ごす場所だった


鍵の代わりに玄関の前で手のひらをかざすと鍵が自動であいた

2人で中に入ると

毛足の長いじゅうたんで床は敷き詰められていて

リビングには暖炉が暖かそうな火を燃やしている


「すっげ・・・誰もいないのに火がついてた・・・」

「この森は俺達一族の発祥の地に近いものがあるらしくて

ここに来ると力がいつもの倍以上使えるんだ」

「へぇ・・・俺もいつも出来ない事が出来るかな?」

そう言うとヒチョルは背中の羽根をはばたかせてみた


「うわっ・・マジだ・・いつもより楽々飛べるよ」

リビングの天井まで飛んで見せたヒチョルは

笑顔でハンギョンの腕の中に戻っていく


「お前も少し力の訓練をするといい」

ハンギョンはそう言うとヒチョルを力強く抱きしめる

「ハンギョン・・・疲れてないの? 俺を抱いたまま何時間も空飛んでたじゃん」

ヒチョルがハンギョンの瞳をみつめて不思議そうに尋ねると

ハンギョンは優しく微笑み

「ヒチョルが俺の癒しだ」そう言ってヒチョルの首筋に唇をはわす



ハンギョンが指を鳴らすと

コテージの明かりは全て消え

暖炉の炎だけが2人を照らす


ハンギョンは大事にヒチョルを絨毯の上に寝かせると

服のボタンをひとつずつ外していく



使い魔がいない今

ハンギョンは心おきなくヒチョルを愛する事ができた

使い魔は見えない状態でいても自分のそばに待機しているから

恋人との情事を見られている事になる

さすがに恥ずかしいものだった


とはいえ見られていてもする事はしているハンギョンだったが・・・




ハンギョンとヒチョルの甘い夜が今から始まる・・・


満月の夜の明かりと暖炉の炎のあかりのみが

美しい恋人達を照らし続けていた・・・・
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【cafe 賛美歌】 番外編 女子力アップ

*これはまだ鍵話ではありません・・・おバカverです・・すみません・・・



「ミミヒョン~ヒチョル兄さんの引き出しから出てきたパック使う?」

リョウクが風呂上がりのソンミンに向かって

パックを見せながら聞いてくる


ソンミンはリョウクが持っているマスクシートの束を嬉しそうに眺めて


「この間使っていいって言ってたよね」リョウクに確認する


ヒチョルがアメリカに行ってから

リョウクとソンミンは週に何回かskypeでヒチョルと話をしている


ヒチョルが滞在しているロサンゼルスとソウルの時差はマイナス17時間


ソンミン達が寝る準備をしている夜の11時半ごろには

ロスでは朝の6時半となる

ちょうどヒチョル達が出勤の支度をしている時間帯なので

お互いに都合が良いとこの時間でのskypeの会話が定例化してきた


この間ヒチョルが使っていたベットサイドの引き出しから

たくさんのマスクシートが出て来たのをリョウクが話すと

ヒチョルは笑いながら2人に使っていいよ・・と許可してくれた


2人はパックの種類をあれこれ眺め始めた


「ヒチョル兄さん・・ハンギョンさんの事を好きだって自覚してから

すごくスキンケアし始めたよね~」

「うんうん♪必死に美容雑誌読んでさぁ~

僕なんてこのパック一緒に買いに行ったんだよ」


ヒチョルはリョウクに付き合ってもらい

明洞のネイチャーリパブリックに行って

販売員のお姉さん相手にいろいろ相談をして

大量の化粧品を買ってきたのだった


「あの時は雑誌とかテレビとかの取材の後だったから

お店のほとんどの人がヒチョル兄さんの事知ってたな・・・」

リョウクは懐かしそうに遠い目をして当時を思い出す


「リョウガ~どれ使う? 僕は・・・ハニーにしようかな?」

ソンミンは可愛い笑顔でパックを選び始めると

「僕はねぇ・・・・パールにしようかな~」とリョウク

2人は顔を見合わせるとふふふと小さく微笑んだ



「やっほ~ソンミナ~リョウガーおはよう♪」

PCの画面越しにヒチョルの笑顔が映った

「ヒチョル兄さん~こんばんわ♪」


ブーッ

ヒチョルは飲んでいたミルクを思わず噴き出す

「ソンミナ~リョウガーお前らなんだよ!!!!その顔!!!」

「僕たち寝る前のパック中です~」

「パックしてると口もとが動かせないから

あまりはっきりとしゃべれない・・・」

ヒチョルの見ているPC画面にパック中の2人の顔が映っている

「なんか・・・不気味な画面になってるな・・・・

時差考えるとお前ら寝る前だもんな・・・例のパックは全部使ってもいいぞ」


しばらく3人はPCを通じてあれこれと楽しくおしゃべりしていた

「そう言えば・・・ヒチョル兄さんの抜けた後に新しい子が入ってきたんです」

ソンミンがヒチョルに向かって話出す

「なんと・・・高校生・・・でヒチョル兄さんに似ているの」

リョウクが楽しそうに割り込んでくる


「俺に似ているの? じゃあ絶世の美女で我儘だろう」

ヒチョルは少し自虐的に笑った

「ううん・・・兄さんよりは大人しくて可愛いよ」

「オーナーがね・・・兄さんいなくなってため息ばかりついてたけど

テミンが来てから毎日ニコニコなの」


ソンミンのその言葉を聞いてヒチョルはニコっと微笑んだ

「オーナーに笑顔もどったんだ・・良かった・・」


「なんたってテミンは高校生でしょ・・・

僕たちに比べるとお肌ぴちぴちなんだ・・・」

ソンミンの説明にヒチョルは大声で笑う


「で・・お前ら必死こいてパックしてんだ

まあパックしないよりはした方がいいだろうけどさ」

おかしそうにゲラゲラと笑い続ける


「ヒチョル・・・何大声で笑ってんだ? またソンミン達と話てんの?」

ヒチョルの後ろからハンギョンの声がした

ハンギョンはいつもしているように

ヒチョルを後ろから抱きしめ首元にキスをする

「バカ・・・」

ヒチョルはそう言いうと後ろを向いてハンギョンと濃厚なキスをする



「うわ・・・ミミヒョン・・すごい・・・」

「美男美女の濃厚キスシーン・・・映画みたいだね」



「朝飯できてるからな・・」ハンギョンはそう言うと

PCの画面に映っているソンミンとリョウクに手を振って

後方に去っていった


「先に食べてていいよ」後ろを向いていたヒチョルが

PCのほうに振り向いて微笑むと


ふわり・・・


ソンミン達は

PCを通して花の香りがしたような気がした

2人は画面を見つめてゴクリとつばを飲み込む



ヒチョルはどんどん綺麗になっていく

それは愛する人に愛されているという

内面の自信から来るもので

見る人を魅了してはなさない・・・


「来年の春ぐらいには

まとまった休みが取れるんだって

そしたらソウルに戻るからね・・・

その前にお前らが遊びに来てもいいぞ」


ヒチョルがキラキラと輝いている

ソンミンは眩しそうに見つめると

「ヒチョル兄さん? 今しあわせ?」と聞いた


ヒチョルは少し恥ずかしそうに下唇をかむと

「うん・・・これもソンミナとリョウガのおかげだよ

ありがとう・・感謝してる・・」というと

最高の笑顔を2人に見せてくれた





2人はパックを外してベットに入ると

綺麗になるためには「恋」が一番なんだなと実感し

女子力アップするには「恋」を大切にしなくちゃ・・・

そう言いながら幸せなヒチョルにあやかりたいと

ヒチョルのベットで2人で仲良く眠りについた・・・・







*ヨジャ3姉妹のお話でした・・・
海音さん

sakoさん

宗文

この三人による連動企画のcafe 賛美歌は

私の所では一応終了しました


突然のお二人からの御誘いに

戸惑いながらも楽しく話を書いていくことが出来ました


私だけがハンチョル派なのでこのような感じになりましたが

みなさんいかがだったでしょうか


本当に文章をおこすのが難しくて

妄想はたくさんあるのに文章にできなくて・・・自分にイライラしたり

素敵な二次小説を読んだりすると落ち込んで話が中断したりして

結構大変な作業でした

でも三人三様で本当に面白かったです


この話は番外編があります・・・まだ書いてませんが

その話は申し訳ありませんが鍵付きとなります



ヒチョルの誕生日数字だけで表す8ケタのものになります・・・・


宗文初の試みなので時間がかかるかと思います・・・・すみません・・


今回のcafe 賛美歌の感想やご意見コメントなどありましたら

是非お願いいたします・・・・

本当にお付き合い頂きましてありがとうございました


sakoさん海音さん失礼しました
文章訂正いたしました
2012.11.12 cafe 賛美歌 Last
【cafe 賛美歌】Last ソンミンside



ヒチョル兄さんがアメリカに行って一カ月が過ぎた

今日はクリスマスイブ・・・

世の中はクリスマス一色に染まっている



ヒチョル兄さんがアメリカに行く時に

僕たちは仁川まで見送りに行った

あまりにも急な出発だったから兄さんはほとんど荷物もなく

ハンギョンさんと仲良く出発ゲートにやってきた

僕はその時の事は忘れられない

前の日まで僕たちと一緒に生活していた兄さんは

そこにはいなかった・・・・

体の中から愛の喜びで溢れている兄さんがいた

今まで見た事のないとても美しい姿で

僕たちは目眩を起こしそうなくらいだった


「はは~ん・・昨夜は一緒にお泊まりだったから

ハンギョンさんにたっぷり愛されたんだね~分かりやすい奴」

イトゥク兄さんのその言葉にリョウクが怒って背中をつねる

その痛がる様子をみんなで見て大笑いをしたっけ・・・


僕たちに手を振りながら飛行機に乗り込んでいくヒチョル兄さんは

本当に新婚旅行に行く花嫁さんのように輝いていた




ヒチョル兄さんがいなくなって

オーナーは寂しそうに毎日ため息ばかりついている

僕たちはオーナーが兄さんを密かに好きだったのを知っている

でも信仰心の厚いオーナーは兄さんが同性だったと言う事で

告白できなかったのではないか・・というのが僕たちの推測


イブの今夜は、オーナーはずっと教会でお祈りでもするのかな


僕はオーナーが早く幸せになってほしいと思ってる


そんな時にcafe 賛美歌にアルバイトの応募があった

募集記事は出してなかったので不思議に思っていたら

応募してきた子のお姉さんがここの常連で

「ギャルソンの1人が結婚して辞めた」と聞いてきて

自分の弟に進めたとのことだった


そう言えば、以前特集を組まれた雑誌をもってくるお客さんはまだいて

その人達にヒチョル兄さんの事を聞かれると

イトゥク兄さんは必ず「結婚してアメリカに行った」と説明していたっけ

まあ・・ニュアンス的には間違ってはいないけど・・・・


そしてその子が今日から働き始めるとオーナーに聞かされて

僕たちはずっと待っている



「その子って高校生なんだって・・学校終わってからとか土日の勤務になるそうだよ」

リョウクがオーナーから聞いてきた話を僕たちに教えてくれた

「ずっとここのギャルソンにあこがれていたって・・」

ドンヘもどこからか仕入れた話をする


「みんな・・待たせたね・・」

シウォンオーナーが連れてきた男の子を見て、

みんな目を丸くしザワザワとし始める


似てる・・・ヒチョル兄さんに・・雰囲気がすごく似ている


だからオーナーは朝からずっとご機嫌なんだ・・今日はため息ついてないもんね

(ヒチョル兄さんよりも大人しそうだね)

(ヒチョル兄さんの方が冷たそうだったよね)

みんながこそこそと話をしている

「天使がいなくなったと思ったのに・・・また天使が舞い降りてきたよ」

イトゥク兄さんが小さな声でつぶやいた


たしかに天使の羽根を持っていてもおかしくない風貌だな・・僕は実感する


「自己紹介して」

ニコニコのシウォンオーナーに促されてその子は自己紹介を始めた


「今日からお世話になります

僕・・・ずっとここのお店に憧れてました

ここで働く事ができるなんて夢みたいです

まだまだ不慣れですけど・・・いろいろ教えてください」と言うと

ぺこりと頭を下げる


僕たちもあわてて頭を下げた

あれ?名前って? まだ言ってない・・と僕が思うのと同時に

「ねぇ・・名前は? まだ名乗ってないよ」とドンヘが訪ねてくる


あっ・・・

男の子は自分がまだ名乗ってなかったのに気付いて

真っ赤になりながら名前をなのった





「テミンです・・・」








cafe 賛美歌からヒチョルと言う天使が旅立って一カ月

今度はテミンという天使が降臨してきた


今日はクリスマスイブ

僕たちギャルソンも天使になれるのかな?

僕はそんな事を考えながら開店準備をはじめた・・・・・








テミンが降臨してきたおかげで

cafe 賛美歌は、また雑誌やテレビの取材が多くなってきた

それはまた後日の話となる


今日もcafe 賛美歌は明るく元気なギャルソンと

バリスタの腕はソウルでも一二を争うオーナーの美味しいコーヒーで

賑わっているのだった


あなたもソウルの弘大に行ったら是非cafe 賛美歌で

美味しいコーヒーと可愛いギャルソン達に会ってきてください




おしまい





2012.11.12 cafe 賛美歌 13
【cafe 賛美歌】13


クリスマスまであと一カ月となった11月下旬

すっかり寒くなったソウルにあるcafe 賛美歌は

ほとんど室内客ばかりで

外のテーブル席は誰も座らなくなっている


ギャルソン達も制服が寒くて仕方ないのに

いつも笑顔を絶やすことなく接客をしていた


今日はハンギョンが会いに来てくれる日・・・・

知りあってから毎日のように会っていた2人が

ここ一週間連絡を取り合っていない

ヒチョルは自分なりに考えて返事を用意していた


一年・・・たった一年・・・多分きっとすぐに過ぎるだろう

この間ウニョクに頼んでskypeもPCで使えるようにしてもらったし・・・

顔が見られて声が聞ければ・・・大丈夫だろう・・・


「ヒチョル兄さん!!!ハンギョンさんが来たよ」

ハンギョンは外のテーブル席にすわり

ヒチョルに向かって優しい微笑みを送る・・・


あ・・・

ヒチョルはその微笑みを見て胸が苦しくなる

「キリマンひとつ・・・」

ハンギョンはオーダーをとりに行ったウニョクにそう告げると

寒そうに身震いをひとつする



「おまたせしました」

ヒチョルはハンギョンにコーヒーを持っていくと

辛そうな顔をしてこの間の返事をする

「ごめん・・・やっぱ・・俺・・アメリカに行けない」

ハンギョンは驚いた風もなく

「そうか・・・」とだけ言った

「でもハンギョンが嫌いになったわけじゃないよ

ただアメリカに行っても言葉わかんねーし・・・

この店やめたくない・・って・・・

この間 skypeセッティングしたんだ・・

だからあっちでハンギョンが連絡してくれたら

毎日顔をみて話す事はできるから・・・」


「うん・・多分そうなるだろうって思ってたから

ヒチョルはこの店と仲間と

離れることはできないって感じてたから

別に驚いてないよ・・・・」

ハンギョンはそう言うとヒチョルの手を握ってニッコリと微笑んだ


ドキン・・・

ハンギョンに握られた手がものすごく熱くなってくる

「明日の・・・夕方の便でロスに発つから・・

せめて・・・仁川までは見送りに来て欲しいな・・・」

ハンギョンはコーヒー代をテーブルに置くと

悲しそうな瞳でヒチョルに微笑んだ



あっ・・・・


去っていくハンギョンの後ろ姿を見ながら

ヒチョルの胸が押しつぶされそうに苦しくなってくる


「ヒチョル兄さん・・・本当にこれでいいの?」

いつの間にかヒチョルの横にきたソンミンが険しい顔をして聞いてくる

「・・・・・・・」

「ヒチョル兄さん・・・skypeはハグしたりキスしたりしてくれないよ」

リョウクのひと言にヒチョルの肩がピクリと動いた

さっきハンギョンに握られた手が熱い・・・


もうあの胸に抱かれる事も優しいキスをされることもしばらく出来ない・・



「いやだ・・・」ヒチョルの口から言葉がもれた

一度言葉が漏れるとハンギョンへの気持ちがあふれ出て

止まらなくなってくる


助けてもらった時に自分を見て微笑んだハンギョン

病室で自分を笑わせようと必死になっていたハンギョン

自分の事を好きだと言って優しくキスをしてくれたハンギョン


いままでの2人で過ごした思い出がヒチョルの頭を駆け巡る

もう・・会えない・・抱きしめてもらえない・・・キスしてもらえない・・


「いやだ・・いやだ・・ハンギョン・・・

俺を置いていかないで・・・・」




ヒチョルの言葉にハンギョンは驚いて振り向く

自分に向かって泣きながら走ってくるヒチョルの姿をみて

ハンギョンは嬉しさと愛おしさで笑顔をむけて両手を広げた


ヒチョルがハンギョンの胸に飛び込むと強く抱きしめ

「一緒に来てくれるのか?」とヒチョルの耳元でささやく


「俺は・・・ハンギョンがいないと生きていけない・・

アメリカでもどこでも連れて行って・・・・俺を離さないで・・」


ヒチョルの顔は涙でぐちゃぐちゃになっている

そんな顔をとても愛おしいとハンギョンはやさしく指で涙をすくう

「もう・・・離さないから・・・覚悟して・・」

ハンギョンはそう囁くと

ヒチョルの顔を両手で大事そうに覆う・・・

そしてその愛おしい唇に自分の唇を重ねた

ヒチョルは体中を駆け巡る甘美さに酔いしれ

ハンギョンを心の底から愛していると実感した






cafe 賛美歌にいた天使は

自分の幸せを求めて愛する人の元に旅立って行った
2012.11.12 cafe 賛美歌 12
【cafe 賛美歌】12


「ヒチョル~お帰り~」

「イトゥク兄さん~明日の朝ごはん当番ですよね~」

「あードンヘ!!!!ずるした~!!!」

「ヒョクお前が気付かないのが悪いんだよ~」


ヒチョルが帰宅してリビングを通ると

相変わらずギャルソン達が大騒ぎをしていた

ヒチョルは少し立ち止まってその様子を眺めると

眩しそうに目を細めた

そして「寝るわ・・・」とひと言呟いて自分の部屋に入って行く


「あれ?ヒチョル兄さん・・・今日デートだったのに・・喧嘩でもしたのかな?」

リョウクが心配そうにヒチョルの後ろ姿を眺めていると

「ハンギョンさんに迫られて、抵抗して喧嘩でもしたんじゃん」

イトゥクが楽しそうに言う

「イトゥク兄さん!!!下世話な推測しないでくださいっ!!!」とリョウクが怒った

「だって・・あの2人・・まだキスどまりだろう? よくハンギョンさん我慢してるよ」

「本当に大事な相手だからこそ、ハンギョンさんは我慢できるんです」

リョウクはイトゥクを睨むと

「すぐに手を出すイトゥク兄さんとは違います」と言い残してヒチョルの後を追って行った






「ヒチョル兄さんお帰りなさい・・・デートどうでしたか?」

スケッチブックにケーキのデザインを書きながら

ソンミンが訪ねてくる

最近、ソンミンとリョウクはワッフルだけでなく

ケーキ類もメニューに入れようといろいろと試行錯誤している所だった


「うん・・・楽しかったよ・・・」

言葉とは裏腹な沈み込んでいるヒチョルの声に

驚いてソンミンは顔を上げた


「ヒチョル兄さん・・・ケンカでもしたの?」

「・・・・・・」

ソンミンがヒチョルに理由を聞こうとしたその時

突然部屋のドアがあき

リョウクが息を切らせて入ってきた


「ヒチョル兄さん・・・ケンカでもしたの?」

ソンミンとそっくり同じ質問をしてきたリョウクを見て

ヒチョルは思わず吹き出した

「2人とも・・・俺の心配してくれてありがとう・・・

でも喧嘩はしていない・・・デートもすごく楽しかったよ」

ヒチョルの笑顔を見て2人はホッとする

「じゃあ・・・なんでそんなに落ち込んでいるんです?」

「すっごく暗いよ~別れ話したみたい」


ソンミンとリョウクがすごく心配そうに自分を見ている

その事がなんだか嬉しくて

ヒチョルはさっきハンギョンに言われた事を2人に教える事にした


「アメリカに行っちゃうんだ・・・」

「1年も戻ってこないの? えー寂しいじゃん」


ソンミンが気付いたようにぽつりと

「それってプロポーズだよね・・一緒にアメリカに行ってくれって・・」と呟くと

「絶対にそうだよ~プロポーズだよ」リョウクもそれに同意する


「でも・・・俺・・・突然そんな事言われても・・困るし」

ヒチョルが2人の話を聞いて恥ずかしそうに言いわけをする

「プロポーズって・・・普通は女にするんだろ?俺は男だし」

「俺が男って言う事でハンギョンにリスクを負わせたくないし」


「ヒチョル兄さん!!!!ハンギョンさんの事愛してるんじゃないの?」

突然リョウクが大きな声でヒチョルの話を遮った

「だって・・・来週には渡米するんだよ・・来週中には返事くれって」

「俺・・どうしたらいいか分かんない・・好きだけどアメリカなんて

言葉知らねーし・・知りあいいないし・・この店だってやめなきゃならないし」

ヒチョルは話しているうちに瞳から涙があふれてきた

そんなヒチョルをソンミンは優しく見つめながら

「今行けないなら1年間待つしかないよね・・・・

お互いの気持ちが揺るぎないという自信があるなら

待てるんじゃないの?」と言った


ヒチョルは黙って聞いている

「まだ1週間あるんでしょ?自分の気持ちに向き合って

よく考えればいいんじゃない?」

リョウクもヒチョルの涙をハンカチで拭きながらそう言った




自分の気持ち・・・・

俺はどうしたいんだろう・・・

ハンギョンと別れたくないけど

みんなとも離れたくない・・・・


ヒチョルは

頭の中はぐちゃぐちゃで何も考えられなくなっていた


ヒチョルが自分の気持ちをまとめられないうちに

1週間が経とうとしていた
2012.11.10 cafe 賛美歌 11
【cafe 賛美歌】11

夜景のきれいなホテルのレストランで

ヒチョルとハンギョンはディナーの時間を持った

2人はとても楽しい時間を過ごした


デザートを食べ終わったところで

ハンギョンが少し困ったような顔をしてヒチョルを見つめる

「ハンギョン・・何か話があるんだろう・・黙ってないで言ってよ」


2人での楽しい時間の中で

時々見せるハンギョンの憂いを帯びた表情にヒチョルも気付いていた


「弘益聖堂の仕事は昨日で全てが完了した・・・・」

ハンギョンはポツリと言った

「次の仕事は・・・・・アメリカなんだ・・・・」

ビクッ・・・

ヒチョルの肩が少し動く


「すぐに渡米して現場を見て・・・改修の設計をしなくちゃいけない」

ハンギョンはそこまで言うとヒチョルを優しく見つめながら話を続ける

「アメリカも一か所じゃないから・・・・しばらく戻ってこれない」

「しばらくって・・・どのくらい行ってるの?」

「1年か・・・もしくはもう少し延びるかもしれない・・・・」

ヒチョルは瞳をふせて、膝の上のナプキンをぎゅっと握った


ハンギョンは事故でヒチョルを助けてから

2人は毎日のように会っていた・・・そして心が通じ合うようになってからも

毎日一緒の時間を作って、気付けば3カ月愛をはぐくんできたのだった


(分かっていた事なのに・・今まで気付かないふりしてたんだ・・俺)

ヒチョルは下唇にぐっと力を入れて泣きそうになるのを我慢する

「い・・つ・・アメリカに・・行く・・の・・」

やっと言葉を振り絞って2人の時間の終了日を聞くヒチョル

「・・・来週には・・行かないと・・・」


え?


ヒチョルは伏せていた顔を上げてハンギョンを見つめる

その瞳には涙がもう溢れそうになっている


「来週・・・来週って・・・そんな・・・」


ヒチョルの顔を見てハンギョンは意を決したように

眉間に力を込めてヒチョルに言った

「だから・・・俺と一緒にアメリカに行ってほしい」


え?


ヒチョルが一瞬呆けたような顔をしてハンギョンを見つめた

テーブルに置かれたヒチョルの手を握ってハンギョンはもう一度言う


「俺は・・もうヒチョルなしでは生きていけない位

ヒチョルを愛している・・でもアメリカの仕事も

キャンセルできない大切な仕事なんだ・・・

だから・・・俺と一緒にアメリカに行ってほしい」


「そんなこと・・・突然言われたって・・・」

ヒチョルは茫然としてやっと言葉を紡ぎ出した


「突然なのは分かっている・・・

1週間待つから・・良く考えて返事して・・・」

「・・・・・・・」

「どんな返事だろうと俺がヒチョルを愛する気持ちは変わらないから・・」

ハンギョンのその言葉にヒチョルは小さく頷く


「渡米の準備でしばらく会えなくなる」

ハンギョンが辛そうな顔をしてそう言うと

ヒチョルはハンギョンの手を握り返して

「もう遅いから・・・俺帰る・・・送ってくれる?」

優しい声で言うと天使の微笑みをハンギョンにむけた・・・








ホテルから宿舎まで2人はずっと黙ったままだった

タクシーの中でもほとんど話さない

でも

2人の手はしっかりと握られている



宿舎の前までくると

やっとヒチョルが声をだした

「ありがとう・・・・」

そしてハンギョンの胸の中に自分から飛びこむ


「愛してる・・初めて人をこんなに好きになった・・

でも・・俺・・・今の仕事も好きだしギャルソンのみんなも大好きなんだ

だから・・今・・頭の中がぐちゃぐちゃで・・何も考えられない」


ヒチョルはそう言うとハンギョンに自分からキスをした

「ハンギョンを愛しているのは嘘じゃない」

「ああ・・・俺もヒチョルを愛している・・・一生そばにいて欲しい」

名残惜しそうに2人は離れると

「1週間・・待ってて・・・」ヒチョルがそう言い残して

玄関の中消えていった・・・



残されたハンギョンは辛そうな顔をして

しばらくその場に立ち続けていた・・・・

2012.11.07 cafe 賛美歌 10
【cafe 賛美歌】10


郊外の遊園地から江南に戻ってきたヒチョルとハンギョンは

まだディナーまで時間があるからと

COEXの水族館で時間をつぶす事にした


ヒチョルが少し寒そうにしていたので

ハンギョンは水族館に併設されているショッピングモールで

上に羽織るものを買ってあげようと思い

2人でショッピングモールを散策していた


すると可愛いポンチョを見つけて

「これ・・ヒチョルに似合いそうだよ」と

ヒチョルに声をかけた

「可愛い♪ このポンチョ似合うかな?」

ヒチョルは試着してみてすっかり気に入ったようで

店員さんに向かって「着て帰る」と伝えると

ハンギョンに向かって嬉しそうに微笑んだ


その微笑みを見てるだけで

ハンギョンの心は愛おしさで溢れそうになる



水族館の中では薄暗い事をいいことに

2人は腕を組んでぴったりと寄り添っていた

(ずっと・・・このままずっとハンギョンといたい・・・)

ヒチョルはハンギョンの温もりをすぐ近くに感じ

幸せってこういうものなのかな・・・と嬉しくて顔が綻んでくる


あっ・・・


水族館の角の暗闇でハンギョンがすばやくヒチョルの唇にキスをした


すぐに何事もなかったかのようなそぶりをしているハンギョンの横で

ヒチョルは胸のドキドキが止まらなくなり頬も赤くなってくる


ハンギョンの愛に包まれて最高に幸せな時間・・・

このような日々がずっと続いていくと・・・この時ヒチョルはそう思っていた
2012.11.07 cafe 賛美歌 9
【cafe 賛美歌】9


秋から冬へと季節が変ろうとしていた

陽射しは暖かいが風が冬を思わせる・・そんな時期に

ヒチョルとハンギョンは「エバーランド」に遊びに来ていた


ハンギョンの足もすっかり治り

やっと郊外へのデートが出来るようになったのだ

ヒチョルは嬉しさを隠しきれずに朝からハイテンションで

遊園地の中をハンギョンを連れて走り回っている


今日のヒチョルはニットのワンピースにスリムなパンツを合わせ

肩にはパステルカラーのストールが巻かれていた

どうみてもボーイッシュな女の子にしか見えない

ハンギョンは遊園地だというのにスーツを着ている

いつもよりはカジュアルっぽさのあるスーツだが

今日のディナーがホテルのレストランだという理由からだった


「ハンギョン~次はあれ乗ろうよ~」

ヒチョルがハンギョンの腕をひっぱってバイキングに向かっていく

「あれね~リョウクが怖がって大変だったんだよ」

ヒチョルが楽しそうにその時の事を話す

「『ぎやぁ~兄さん~怖いよ~』ってしがみついてきてさ

俺、絞殺されるかと思ったんだ~」

ケラケラと笑いながら話をする

ハンギョンは優しい瞳で、そんなヒチョルを見つめていた



一休みしようと2人は遊園地の中のカフェで暖かい飲み物を注文した

「あのお店のギャルソン達はみんな仲がいいんだね」

ハンギョンがそうヒチョルに尋ねると

「うん・・年に一回遠足があるんだ~みんなでロッテワールドに行ったりするの」

笑顔で答えるヒチョル

「オーナーのシウォンさんって超金持ちだから

 cafe 賛美歌がオープンする直前にはみんなでパリに勉強に行ったんだよ」

「へぇ・・パリにねぇ」

「俺含めてみんな初めての海外だったから大変だったよ

パスポート取得から大騒ぎだったんだ」

懐かしそうに当時の話しをするヒチョル

ハンギョンは少しさびしそうな表情をしたが

ヒチョルはその事に気付かずに話しを続けた

「シウォンさんの豪邸の空いた部屋が宿舎になってるから

ギャルソンはいつも一緒だから・・・・家族みたいなもんだね」


「そうか・・・家族なんだ・・・」

ハンギョンがぽつりと呟いた


「次はお化け屋敷に行こうよ~」

ヒチョルは笑顔でハンギョンの腕をとると

お化け屋敷の方に向かっていく


笑顔のヒチョルとは対照的に

ハンギョンは厳しい顔つきをして

何かを考えているかのようだった・・・
2012.11.04 cafe 賛美歌 8
【cafe 賛美歌】8


すっかり秋も深まり夜の帳の降りる時間が早くなってきた

cafe 賛美歌もパリの雰囲気を大切にしているので

外にテーブルとイスが設置されている

しかし冬場は昼間の陽のあたる時間以外は

ほとんどの客は店内の暖かい席を利用している

今日も夕がたの6時だというのにすっかり暗くなった弘大の街

外のテーブル席には寒そうに男性が1人座っているだけだった

男性はコーヒーカップを両手に持って暖をとりながら

店の中を元気に走り回るギャルソンを見つめて微笑んでいた


「ヒチョル兄さんが遅番って毎日定着しちゃったね」

今日は遅番のリョウクが店の中で

ワッフルを作りながらイトゥクに言った

「律義に毎日会社帰りに会いに来てくれるからなぁ・・」

イトゥクはよくやるよ・・っとため息をつくと

「いらっしゃいませ」と笑顔を作って新客の所に向かっていった


「リョウク・・お願いがあるんだけど」

いつも寡黙なオーナーのシウォンがリョウクに突然話しかけた

「?」

「ハンギョンさん・・・いくらなんでも外だと寒いだろう

カウンターに来るように声をかけてきてくれないか?」

「オーナー♪」

リョウクは嬉しそうにシウォンに微笑むと

作り上げたワッフルをカウンターに置いて

「イトゥク兄さん!!!これ2番テーブルですよ」と言い残して

外のテーブルに座っているハンギョンに向かって走っていく



「オーナーすみません・・・なんか気を使わせてしまって」

ハンギョンがすまなそうにカウンターに座ると

シウォンは今入れたばかりの暖かいコーヒーを差し出した

「これは僕からのサービスです・・いつもヒチョルがお世話になってます」

「いえ・・・そんな・・俺が勝手に好きになって・・仲良くしてもらってるだけです」

「ハンギョンさんの影響で、ヒチョルはすごくいい子になりましたよ」

シウォンの言う意味が分からずハンギョンが首をかしげていると

「ヒチョル兄さんってね~すごく我儘な人だったんですよ」

リョウクが話しに割り込んできた

「それに自己中だったし~」通りすがりにイトゥクも口を挟む

「イトゥク兄さん!!!!無駄口たたかないの」

自分の事は棚に上げた状態のリョウクに怒られて

イトゥクは苦笑しながら客の元に逃げていく


「今では笑顔の絶えない素敵な子になりました」

シウォンはそう言うと遠い目をして微笑む


「そう言えばヒチョルはオーナーに

すごく世話になったと言ってました」

ハンギョンが思い出したように言うと

「あの子が困っている時と

僕がこのcafe 賛美歌を開店しようとしていた時が

たまたま同時期だっただけです」

とシウォンは苦笑しながら言った


「そう・・この店の名前・・

cafe 賛美歌はヒチョルに出会ったから

浮かんだ名前なんです・・・

あの子の背中に天使の羽根が見えたんですよ」


この言葉を聞いてハンギョンは

シウォンのヒチョルへの秘めた思いを感じた


手元のコーヒーカップを黙って見つめた後

ハンギョンは思い切って口をひらいた

「あなたは・・その胸の中の思いは打ち明けないんですか?」

ハンギョンの言葉を聞いて

シウォンはコーヒーを入れようとした手を止める・・・

「今はあの子には・・・あなたがいる・・・

私はあの子が幸せならそれでいい」

そう言うとハンギョンを静かに見つめた

ハンギョンは何も言えずにシウォンを見つめかえす・・・


そばで聞いていたリョウクは

ヒチョルが戻ってきたのに気付き

「ヒチョル兄さん~お帰りなさい!!!!出前の回収お疲れ様~

ハンギョンさんはカウンターにいますよ~」と元気に言った


外から戻ってきたヒチョルは

ハンギョンの姿を見つけると途端に笑顔になり

カウンターにむかって歩いてくる



ふわり・・

その時に花の香りが周囲を巻き込むかのように広がっていった



ヒチョルの心からの笑顔に周囲の人々は目が離せない

その場にいた人々はヒチョルの背中に

大天使ミカエルを彷彿させるような

美しい白い翼を見たような気がした・・・・



2012.11.03 cafe 賛美歌 7
【cafe 賛美歌】7


「ヒチョル兄さん~お帰り~」

「ドンヘ兄さん~!!!!!今日の夕飯当番でしょ?」

「夕飯って・・・さっき届いたピザが夕飯なの~」

「オーナー 明日のごみ当番って誰だっけ???」

「あ゛ーっヒョクが俺のピザ食べた~」

「ドンヘ兄さん~!!!!ほんとに夕飯ってピザなの?」




ヒチョルが帰宅すると宿舎は

相変わらずの大騒ぎの最中だった

出前のピザがずらっと並ぶ中

ギャルソン達が好き勝手に騒いでいる


ヒチョルは脇目を振らずに

店の出勤表の貼ってある所まで歩いてきて

手に持っていたマジックで勝手に予定を書きかえた

「ウニョク来週の水曜日俺と遅番交代!!!!

イトゥク来週の木曜日に俺と交代!!!!」

「ヒチョル兄さん~勝手だよ~早番がいいって・・

ずっと早番にしたじゃん!!!!!!俺予定入れちゃったよ~」

ヒチョルに睨まれると思ってウニョクはドンヘに隠れながら文句を言うと

「だって遅番がいいんだもん」ヒチョルはニッコリと微笑みながら答えた


え?

今までなら凄い形相で有無を言わせない状態だったのが

今回は違う・・・ギャルソン達は想定外の反応に驚いた

「ヒチョル兄さん・・なんで遅番がいいの?」リョウクが尋ねると

「うん・・・ハンギョンが退院するから・・・仕事終わったら来てくれるんだ」

ヒチョルが恥ずかしそうに呟いた


ハンギョン・・????

それを聞いていたソンミンは

ヒチョルが「ハンギョンさん」から「ハンギョン」と

呼び方を変えた事に気付いてリョウクに目くばせをする

リョウクもそれに気付いたようでニッコリと笑顔で返して来た


「あ゛ーヒョクお前~1人でどんだけピザ食うんだよっ!!!!」

「ピザ以外の食べ物ないの~???」

「俺ラーメン作ろうか?」

「イトゥク兄さんのラーメンならいらない」


リビングの喧騒を後にヒチョルは自分の部屋に向かっている

ふわふわと雲の上を歩いているように見えて

思い出し笑いでもしているかのように、うっすらと微笑んでいる


「リョウク・・ヒチョル兄さんいい事あったみたいだね」

「あの感じだと・・ハンギョンさんと気持ちが通じ合ったのかな」

ソンミンはリョウクと顔を合わせるとニッコリしながら

「これは絶対に話聞きださないとね~もしかしてヒチョル兄さんの初恋かな」

「ミミヒョンは先に部屋に行ってて♪ 僕飲み物と食べ物持っていくから」


リョウクは楽しそうにキッチンに向かう

ソンミンはヒチョルが自分の恋に気付いてそれが実った事に喜んでいた


(ヒチョル兄さん~今日はオールで三人で話しましょうね)


ソンミンはクスッと笑うとヒチョルを追って自分達の部屋にむかった

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