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【想定外】おまけの話



「サンチュ・・お前・・鼻血でてる」

サイモンがサンチュにテッシュを箱ごと投げつけた


城東警察署の捜査二課の部屋で

メンバーがヒチョルの放つフェロモンにノックダウン状態だった


最近ふさぎこむ事が多くボーっとしていたヒチョルが

今朝は打って変わって

大輪の華がその魅力的な香りを振りまいているかのように

美しさで輝いていた


本人の態度は今までの異端児ヒチョルは全く変わっていないというのに


「ホンギ・・・ヒチョルに何かあったのか?」

刑事課長のイトゥクがおそるおそるホンギの近くにきて耳打ちする

「僕もよく分からないのですが・・・恋ですかね・・・」


周囲がヒチョルの放つフェロモンにノックダウン状態なのに

本人は全く気付かず、時々何かを思い出したかのように頬を赤く染めて恥ずかしがっている


ぶっ!!!!!!

「課長~!!!!鼻血~!!!!」

ヒチョルの様子を観察していたイトゥクが鼻血をだした

横にいたホンギがあわててテッシュを渡す


二課の様子が変だとの噂を聞きつけて

交通課のソンミンとリョウクが覗きに来た


2人はヒチョルの様子をみてニコニコと笑っている

「ミミちゃん・・・ヒチョルさんやっちゃったんだね~」

「ウク~すごいね・・抱かれてあんなに綺麗になるんだ」

ドアの所でキャピキャピと騒いでいる2人にヒチョルが気付き

2人のそばまで笑顔でやってきた


「サンキュ・・お前らの助言のおかげで想いが通じた」

「ヒチョルさん幸せオーラすごいですよ~」

リョウクの言葉にヒチョルはキョトンとする

「周囲を見て下さい・・・ヒチョルさんの放つフェロモンで

みーんなやられちゃってます」

ソンミンの言葉にヒチョルは周囲を見回して驚いた


頬を赤く染めてグッタリとしているサイモンに

ティシュを鼻につめて鼻血を抑えているサンチュとイトゥク

何故かサングラスをかけているホンギと

いつもの二課のメンバーの様子が変だった


「お前・・・部屋の中でなんでサングラスかけてんだよ」

ヒチョルがホンギの背中を長い脚で蹴りあげて言うと


「兄さん・・・眩しすぎます」と恥ずかしそうにホンギが答えた



「ヒチョルさん!!!!昨日愛する人とヤったんでしょ?

その幸せオーラとフェロモンの大放出でみーんなダウンしちゃったんですよ~」

「僕たちは部署に戻ります~お幸せに~」

リョウクとソンミンがキャッキャしながら走り去って行った




「俺のせいか~???????」

ヒチョルが怪訝そうな顔をしてホンギに問いかける

ホンギはサングラスをしたままコクコクと頷いた


ちょうどその時、捜査一課に用事のあった本店のシウォンが

刑事課の部屋に入ってきた


「一課の奴らいないんだが・・出払ったのか?」

肩越しにヒチョルに声をかける

「今さっき出ていきましたよ」

ヒチョルが振りむいて答える




ドキン


シウォンはその瞳を大きく見開いてヒチョルを凝視する


(なんだ? こいつバズ・ライトイヤーみたいな顔しやがって)

自分を見つめたまま何も言わないシウォンに

「どうかしましたか?」と微笑むヒチョル



ぶっ!!!!!!!


「シウォン警視~!!!!!鼻血~!!!!!」


鼻の穴にティシュをつめた姿のイトゥク課長から

テッシュをもらったシウォンは

あわててティシュで鼻血を抑える



すっかりヒチョルのフェロモンにあてられたシウォンは

頬を赤く染めたまま近くの椅子に座りこんだ


「俺が何したんだよ~!!!!!!!」

ヒチョルの視線でバタバタと人が倒れていく・・・


愛する人に抱かれた翌日に

その幸せさからフェロモンを大放出するヒチョル

自覚がないから余計に困った存在となっている


そして新たなる「伝説」を作り上げていく


それもまたヒチョルの人生の中で「想定外」の出来事だった






おしまい



くだらなくてすみませんでした・・・・








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いつも遊びに来て下さってる方々

お付き合い下さりありがとうございました

想定外 一応終わりました

話の途中でいつものワンパターンのハンチョルになってしまい

ラストはぐだぐだになってますね(笑)

文章力がなくてすみません・・・・・

刑事とヤクザの恋を書こうと思ったんですけど

途中で長くなりそうな予感がして

端折ってしまいました・・・・・・

ヒチョルの捜査一課時代の『伝説』は皆さんの想像にお任せします



こんな私の素人話を読んで下さる方なんているのかな・・

いつも自己満足の話ばかり書いてますが・・

コメントやメッセを頂けると励みになりますので

感想など残していって下さると嬉しいです♪


リアルハンチョルの妄想が辛くなりつつあって

ハンギョンとヒチョルがドラマの役になっている・・

そんな妄想にいつの間にか代わってきました

ハンチョルしか書けない私ですが

これからもヨロシクお願いいたします


次は珍しくハンチョルではない話を書こうと思ってます

私の拙い話を読んで下さりありがとうございました
2013.02.26 想定外 Last
【想定外】Last



ヒチョルはとても満たされていた

心が安らいだ状態で眼が覚める


ん?

目を開けると天井は自分の部屋のじゃない・・・

え?

「ヒチョル・・・起きたの?」

声のする方向に顔を向けるとハンギョンの顔が目の前にある

ヒチョルを愛おしくてたまらないという瞳で見つめている


あっ・・・

ヒチョルはゆうべの事を思い出すと恥ずかしさで頬を染めた





昨日はハンギョンが退院した日

ヒチョルは退院祝いのワインを持ってハンギョンの家に来ていた


ヒチョルが病室で眠りこんでしまった日

お互いの気持ちを確認しあう事が出来たが

いくら個室とはいえ病院で口づけ以上の事は理性が許さず

退院した日にやっと2人は恋人同士となった


恥ずかしそうに目を伏せたヒチョルに

ハンギョンは後ろから優しく抱きしめる


「身体は大丈夫? 辛い思いさせてごめん・・・」

「大ジョーブだよ・・・お前が悪いんじゃねーよ」

ヒチョルはそう言うと体の向きを変えて

ハンギョンの胸に抱きついた



あああ・・・なんてこの場所は落ち着くんだろう

心が満たされている・・・幸せってこんな事なんだな・・・

ハンギョン・・・お前の肌の温もり・・お前の匂い・・お前の心臓の音

全てが俺のものだ・・・俺だけの・・・ハンギョン・・・


ヒチョルの瞳から涙が一筋ながれた

胸に冷たさを感じたハンギョンが驚いてヒチョルの顔を覗きこむ


「ヒチョル・・どうしたの? なんで泣いてるの?」

ヒチョルはハンギョンの瞳を見つめて微笑むと

やさしい口づけをした

「俺・・今まで知らなかった・・悔しい時、悲しい時・・

それ以外の・・嬉しい時にも涙って流れるんだな・・・」

「・・・・・・」

「同性のお前に魅かれ始めた自分に・・戸惑っていた時・・・

『抱かれてみればいいんです』って助言した奴がいたんだ」

「ほんとうにあいつの言うとおりだったよ・・・・・

女みたいに抱かれて・・どうなるかと想像してたけど・・・

お前に抱かれて今まで味わった事がないくらい幸せに満ちている」


「ヒチョル・・俺も男性を抱いたのは初めてだ・・だけど

今までのどの女性よりも・・ヒチョルを抱いた後に幸せを感じている」



ヒチョルはハンギョンの言葉を聞いて満足げに微笑むと

「ハンギョン・・・お前・・ヤクザやめろ」と言った

ハンギョンはふふっと笑う

「まあ・・・その件は時間をかけて解決しましょう」


「俺は刑事辞めないからな・・・

刑事の恋人がヤクザじゃしめしつかないじゃないか」


ヒチョルの言葉をきいてハンギョンは微笑む

ハンギョンの微笑みを見てヒチョルは自分の胸が甘く疼くのを感じた


ヒチョルは恨めしそうな顔をしてハンギョンを睨みつけ

「俺をこんなにしたお前がにくい・・・

お前の事考えると気がおかしくなりそうだ・・・

俺をこんなにしやがって・・・責任とってもらうからな」

そう言うとハンギョンの唇に自分の唇を重ねる



そんなヒチョルの様子をハンギョンはとろけそうな瞳で見つめ

「ああ・・・責任とるさ・・・アメリカ国籍とって籍を入れたいくらいだ」と

ヒチョルの髪を優しくなでながら囁いた




ハンギョンと出会う前は自分がこんなになるとは思わなかった

『伝説』を残した異端児な刑事の自分が

同性と愛し合うなんて夢にも思わなかった

だけど・・・幸せに満ちている自分を感じているのも事実だ




クククククク

ヒチョルが突然笑いだす


ハンギョンは不思議そうにヒチョルを見つめる


「あのさ・・人生って・・想像通りにはいかないもんだなって・・・

俺の人生って想定外の繰り返しだよ」

ヒチョルのその言葉を聞いてハンギョンは答える

「それもまた面白い人生じゃないか・・これからは一緒に楽しめるな」

「ああ・・一緒に楽しんでくれ」


2人は見つめあうと唇を重ねて2人だけの世界に入って行った




fin

2013.02.24 想定外 17
【想定外】17


「ヒチョル兄さん・・大体終わりましたね」

城東警察署の2階の休息室で

足を投げ出してグッタリしているヒチョルにホンギが声をかけた

「ああ・・・2日も缶詰状態だったな・・」

ホンギから水のペットボトルを渡され、ヒチョルはひとくち飲む・・・



若獅子会の事務所が対抗勢力の組織に襲われた

ヒチョルとホンギが現場にいたので、犯人は現行犯で捕まり

さっきまで取り調べなど行っていて

おかげでヒチョル達は2日間も家に帰る事ができなかったのだ



「兄さんを庇ったハンギョンさんの術後の容態は、良好だそうです」

「ふん・・・」

ヒチョルは関心のないふりをしてスマホをいじっている

(本当にこの人って素直じゃないな・・・

心配で心配で眠れなかったくせに・・・・)

長年付き合いのあるホンギは、ヒチョルのそんな様子に微笑みながら

「調書もまとまったので、とりあえず家に帰っていいそうです」と

自分も水をひとくちのんで、イトゥクからの伝言を伝えた








「ハンギョン・・具合はどうだ?」

「毎日ヒマで死にそうだ」

ハンギョンの病室にカンインが見舞いにきていた

背中の刺し傷もすっかり良くなり

後は退院を待つだけとなっている


「今日は警察署に事情聴取で呼ばれたよ

ウチは完全な被害者だからな・・・・・

事務所はぐちゃぐちゃになってるから後片付けが大変だ」

「・・・・・・・」

「オヤジさんが心配してたぞ・・大したことないって伝えておいた

お前の家の方にも大事ないと伝わるだろう」

「ああ・・・助かるよ」

「この件で現場にいあわせたヒチョル刑事は

取り調べ等で警察署に缶詰状態らしい」

ヒチョルと聞いてハンギョンの瞳が一瞬ゆらいだ




トントン

ノックの音がしたかと思うと病室のドアが静かにひらく

2人が振り向くとヒチョルがそこに立っていた


「おや・・ヒチョル刑事・・わざわざ来ていただいて

まさか・・けが人相手に事情聴取じゃないですよね」

カンインが笑顔で話しかけると

「ちげーよ」

ヒチョルは苦々しい顔をしてカンインを睨んだ


襲撃事件の時に着ていたスーツのままのヒチョルの姿に

ハンギョンは事件解決のために今まで仕事をしていたのだと気付く


「ハンギョン・・・お前・・怪我は大丈夫なのか?」

ヒチョルが小さい声で呟く


ハンギョンは突然のヒチョルの訪問に

嬉しさを隠せず小さく微笑んだ


「あっ・・俺・・用事あったんだ~また明日くるから・・・

何かあったら電話でもしてくれよ」

カンインが突然大声でそう言うと

2人に笑顔を向けて病室から出ていった




「ヒチョル・・来てくれたんだ・・ありがとう

傷はもう大丈夫です・・・」

ハンギョンの笑顔にヒチョルは安堵のため息をついた

ベットの横の椅子にすわると

「お前・・なんでヤクザなんだよ・・・」とぼそりと言った


「またその話しですか? 私はヤクザの家に生まれたので

仕方なかったんです・・・大人になってから職業選択の自由を行使しようとしてますけど」

「お前・・・実家がヤクザなのか・・・」

ヒチョルは驚いたようにハンギョンを見つめた

「俺なんか助けてくれてありがとう・・・お礼言ってなかったな」

大きな瞳でハンギョンを見つめたまま礼を言うヒチョルに

ハンギョンは甘い疼きを感じていた

「なんかお礼しないとな・・・退院したらメシでも・・・」

話し終わらないうちにヒチョルはその唇をハンギョンに奪われていた

突然の口づけにヒチョルは驚いて身動きがとれないでいる


あ・・・俺・・・この唇を知っている・・・

何度も夢の中で繰り返された口づけと同じ・・・・・


ヒチョルの身体から力が抜ける

ハンギョンはその身体をしっかりと抱きしめた


「俺は・・・ヒチョルが好きだ・・初めて会ったときから」

ヒチョルの耳元でハンギョンが囁く


ハンギョンの告白に嬉しくて心が震える自分に

ヒチョルは驚いた

そして自分もハンギョンを好きなんだと改めて実感する


「ありがとう・・・俺も・・ハンギョン・・お前を・・好き・・」

そう言うとヒチョルはハンギョンに身体を預けた


しばらく抱き合ってハンギョンは不思議な感覚を感じ

ヒチョルの顔を覗き込んだ



すーすーすー


ヒチョルはハンギョンに身体を預けたまま眠っている


驚いたハンギョンは、とりあえずヒチョルの身体を抱き上げて

ベットの自分の隣に寝かせた


「それにしても・・・いつもいつもこんな展開で・・・

とりあえず個室で良かったな」

ハンギョンはそう呟いてヒチョルの寝顔を見つめる


子供の様に無防備な寝顔に愛おしさが溢れてくる

「多分・・こんな顔を知ってるのは俺だけなんだろう」

「刑事の仕事って・・・体力勝負で大変なんだろうな・・・」


(俺も・・お前が好き・・)

睡魔に襲われながらもそう答えたヒチョル


ハンギョンは自分の隣に眠っている愛しい人と

気持ちが通じ合った嬉しさで

いつまでも寝顔を見つめ続けていた


2013.02.22 想定外 16
【想定外】16


「はい・・・ハンギョン様の怪我は思ったよりは軽かったそうです。

身体を鍛えられていたおかげで、肺までナイフは到達してなくて・・・

はい・・・出血の割には大丈夫です・・・今は術後なので眠ってます

はい・・・分かりました・・私はこちらで付添してます・・組長には連絡お願いします」



病院の片隅でキボムはカンインに電話報告をしていた

ヒチョルを庇って背中を刺されたハンギョン

救急車で病院に運ばれて今は事なきを得ている・・・・


「それにしても・・ヒチョル刑事が取り乱すのを初めて見たな・・」

キボムは若獅子会の秘書的な仕事をしていて

ヒチョルが捜査二課に移ってからの付き合いだが

捜査一課の伝説もいろいろと聞いて知っていた


ハンギョンがヒチョルと知りあいだったのは知っている

嘔吐物で汚れていたスーツをクリーニングした時に

見た事のあるスーツだったので想像はしていた

あの2人は密かに魅かれあっていたんだろうか・・・


病室に戻ると

ハンギョンがぼんやりと天井をながめていた

「ハンギョン様・・・目が覚めましたか」

キボムの呼びかけにハンギョンは弱々しく微笑んだ

「ヒチョルは? 大丈夫だったのか?」

「はい・・犯人も捕まえて警察署に連行しました」

ヒチョルが取り乱した事を話そうかと思ったが

何となくキボムはその事に触れずに話しを続けた


「ウチを目の敵にしている新興勢力の組が

見せしめのために事務所を襲ったようです・・・・

威嚇のために発砲したので銃での怪我人はいませんでした」

「俺だけか・・・ヒチョルを庇ったためとはいえ

ナイフで背中を刺されるとは・・・まったくな・・・」

ハンギョンは自虐的に笑うと

傷口が痛むのか顔を少し歪めた


「もうキボムは気付いていると思うけど・・」

ハンギョンは天井を見つめたまま話し始める

「俺は・・・ヒチョルに魅かれている

刑事だと知っても・・・忘れられない・・・」

キボムは黙ったままハンギョンを見つめている

「とっさに身体が動いた・・・ヒチョルの為なら

自分の命さえ投げだせると確信した」

「俺は・・今まで男を好きになった事はない

だから戸惑っているのも確かだ・・・

俺の勝手で迷惑かけたな・・・すまない」


キボムはそんなハンギョンを優しく見つめ

「ヒチョル刑事って魅力的な方ですよ

ウチのチンピラどもも密かに憧れている奴らもいます」

そう言って微笑んだ


「あの人のことだから・・・ここにも来ますよ

自分を庇って怪我したハンギョン様を気にしているはずです」


「・・・会いたい・・・」ハンギョンの切ない呟きをキボムは聞いた


「ハンギョン様・・ヒチョル刑事の『伝説』お聞きになりたいですか?」

ハンギョンがキボムの顔を見つめる

「私が知ってるだけしかお話できません・・・

それに都市伝説化されてるかもしれないので

どこまで本当の話かは分かりませんが」

「ああ・・話てくれ・・・あいつの全てが知りたい」


切なそうな顔をしているハンギョンに

キボムは笑顔でヒチョル伝説を話し始めた・・・・
2013.02.19 想定外 15
【想定外】15



若獅子会のチンピラのコンヒは

カンインからの言いつけで

組事務所の建物の前の大通りを見はっていた


「ブラックイーグルの奴ら・・・本当に襲って来るのかな」

チンピラ仲間のミヌと一緒に物蔭に隠れて様子を伺っている


「お前~ら!!!!何やってんだよ!!!!」

突然お尻を蹴られて、コンヒは驚いて振り向いた


ヒチョルが腕組みをしてコンヒを睨んで立っている

「ヒ・・ヒチョル刑事・・・ど~も・・・」

コンヒは愛想笑いを浮かべてヒチョルに挨拶をした


城東警察で暴力団担当になってから

ちょくちょくと事務所に顔を出すヒチョルを

組のチンピラの中には

密かに憧れをもって眺めている輩も多かった


コンヒもそんなチンピラの1人で、

今もヒチョルの美貌にすっかり魅了されている


「カンインはいるか?」

「は・・はい・・・」

ヒチョルはコンヒの返事を聞き終わる前に事務所への階段を上る

すぐ後をホンギがぴたりと付いていった



階段をドシドシと上がってくる音にカンインは

「お姫様が来たようだな・・・」とハンギョンに向かって囁いた


バン!!!!!!

事務所のドアが足でけられてヒチョルが入ってきた

「おうっ!!!!カンイン久しぶりだな!!!!!」

「ヒチョル刑事・・うちのドアは安普請なんで・・

できれば手で開けて欲しいんですけどね~」

カンインは人懐っこい笑顔で

すまなそうにヒチョルに向かって言った


「それよりお前~ら大丈夫か!!!!

どっかの組が若獅子会を狙ってるって聞いたぞ」

ヒチョルは近くにあったがっしりとしたテーブルに腰をかけて

心配そうに言った

「わざわざ心配して下さってありがとうございます」

キボムはそう言うと、ヒチョルとホンギの前に紅茶を置いて下がって行った


「江南ではかなりヤバい雰囲気なんだってな・・・

お前んとこのオヤジ(組長)は狙われてんじゃねえのか?」


「コンヒ達を見はりにしてますけど・・・ここの事務所は大丈夫でしょう」

カンインの返事にほっとした表情でヒチョルは机の上に座り直す


すると

自分の後ろから押し殺した笑い声が聞こえてきた

ヒチョルは自分が今座っている場所を思い出し

机から降りて後ろを振り向いた


「気に障ったなら失礼・・・謝ります」

「お・・お・・お前!!!!!なんでここにいんだよ!!!!」


そこにはハンギョンが笑いをこらえながら座っている


「あれ? ヒチョル刑事・・もうハンギョンとお知り合いですか?

中国からうちの組に研修で来ているハンギョンです」


「お前!!!!!ヤクザだったのかよ!!!!

なんで黙ったんだ!!!!俺のこと騙したのかっ!!!!!!!」

カンインの説明の終わらないうちに

ヒチョルはハンギョンの胸倉を掴んで大声でどなった


「騙してないですよ・・・」

「お前IT関係の研修で来てるって・・・ヤクザだって言ってないじゃないか」

「初めて会う人に自分からヤクザって言う人いませんよ」

「・・・・・・・・」

「あなた達刑事だって・・・合コンで公務員って言うじゃないですか」

「うるせぇ!!!!!!!」



ヒチョルの激怒ぶりに

カンインとホンギは驚いて固唾をのんで見守っていた




すると外で大きな物音がしたかと思うと

仮面で顔を隠した2人組が発砲しながら事務所に飛びこんできた


「あぶないっ!!!!」

ハンギョンはとっさにヒチョルを自分の身体で庇う

カンインとホンギも椅子の影に隠れて様子を伺った


2人組は威嚇のつもりか事務所の部屋中に発砲をしている



その様子を見たヒチョルがハンギョンを振り払い

男たちに飛びかかって行く


ホンギは銃をホルスターから抜くと男たちに向ける

ヒチョルの長い脚で蹴られた男は手にしていた銃を落とした

カンインがすばやく足でけってキボムにパスをする


もう一人の男にハンギョンの投げた分厚い専門書当たり

カンインによって後ろ手にされて抑え込まれていた

ホンギはその男の落とした銃をひろってヒチョルに見せた


「ふん・・・大したことのない鉄砲玉だな」

ヒチョルはそう言うとホンギ達の方を向いてニヤリと笑う



ヒチョルに最初に蹴られた男がジャックナイフを取り出した事に気付かず

背中を向けたまま立っていた


「あぶないっ!!!!!」

ハンギョンがその様子に気付いてヒチョルに飛びついた





「うわっ!!!!!」

ヒチョルを庇ったハンギョンの背中にナイフが刺さる


キボムがその男の手を蹴りあげて抑え込んだ









「大丈夫ですか?」

ハンギョンは自分が抱きしめているヒチョルに向かって問いかける

「俺は・・・大丈夫だ・・・」

ヒチョルはそれだけ言うとハンギョンの顔を見つめる

「良かった・・・」

ハンギョンはそう言うとヒチョルに向かって微笑んで

意識を失った

その背中から出血が止まらない



うそだ・・・・

ヒチョルは目の前の出来事を受け入れる事ができず

ぼんやりとハンギョンの身体を支えていた


「ばかやろーなんで・・なんで・・・俺なんか助けるんだよ」

「ハンギョン!!!!!ハンギョン!!!!!死ぬな!!!!!!」


ホンギは初めて取り乱した姿のヒチョルを見た・・・



救急車が到着するまで

ヒチョルはひたすらハンギョンの名前を叫び続けていた



2013.02.16 想定外 14
【想定外】14


「ふわぁぁぁぁぁぁぁ」

城東警察署の刑事課の部屋の中

PCの前で、サンチュが大あくびを連発していた

「本当に事件ないですね~」ホンギが伸びをしながら暇そうに答えた



「本店の友達の話では、江南地区ではどうやら若獅子会と新興勢力のグループの間が

一触即発の雰囲気だそうだよ」


隣のシマの企画課のギュヒョンが2人に向かってそう言った


城東警察では暴力団関連は捜査二課の仕事となる

なのでギュヒョンのその言葉を小耳にはさんだ刑事課長のイトゥクは

大慌てで捜査二課のシマまで走ってきてヒチョルの前に立って

「ヒチョル・・・分かってるよな・・・江南はここの管轄じゃないからな

お前の出番はないからな・・・」優しい口調で言った


最近物思いにふけっているヒチョルは

ぼんやりとした顔でイトゥクを見つめる


「お願いだから・・・他所轄の事件に首を突っ込まないでくれよ」

イトゥクの言葉にムスっとしたヒチョルは

「他の所轄にしゃしゃり出なけりゃいいんだろ!!!!!」

とイトゥクをひと睨みして席を立ち


「ホンギ行くぞ~!!!!!」と上着を手にして出口に向かって歩き出した

「ヒチョル兄さん~どこに行くんですか?」ホンギが慌てて後を追う


「刑事課長さんたっての希望により、城東の管轄の組事務所に行く」

ヒチョルは振り向いてそう言うと、イトゥクの顔を見てニヤリと笑い

そのまま部屋を出ていった


うっ・・・

イトゥクは何も言えずに救いを求めるようにホンギを見た

ホンギは小さくうなずくと、ヒチョルを追って部屋を出ていった




「くっそ~どいつもこいつも俺のこと・・・」

警察署の玄関を速足に歩くヒチョルの後ろをホンギが走って追いかけて来た

「ヒチョル兄さん・・・若獅子会の事務所に行くんですか?」

「そうだよっ!!!俺の管轄内での暴力団はあの事務所しかねぇーよ」

ヒチョルの言葉にホンギは事務所の人達に同情しながらも

くすりとしながらポケットから車の鍵を取り出した

「今車出しますから・・・そんな顔しないでください」

「あ゛ーっなんかスッキリしね~事務所ついたらカンインでも一発殴ってやるか」

そういうとヒチョルは車の助手席に乗り込む



(カンインさんに、キボムさん・・・

今日の午後は賑やかになるけど・・・ごめんなさい)

ホンギは心の中でそう謝ると建大方向に車を走らせた
2013.02.14 想定外 13
【想定外】13


「運転手さん♪ そこの携帯ショップの前で停めて下さい!!!」


ヒチョルは、勤務終了後

リョウクとソンミンと3人で城東警察からタクシーに乗って

リョウクが行きたがっていたcafeに向かっていた


「僕がタクシー代は払いますから」

リョウクはそう言って運転手にお金を払う


先に降りたヒチョルは後ろを振り返ってビックリした


「げっ!!!!ここって・・・・組事務所の前じゃん」


3人が降りたところは

若獅子会の事務所がある雑居ビルの前だった


「えっと・・・この携帯ショップの前の細い道を入って行って・・」

リョウクはヒチョルの様子などお構いなしに

cafeへの道をずんずんと進んでいく

大通りから細い道を入ったところにそのcafeはあった


ヒチョルは組事務所が気になっていたが

ソンミンに腕をひかれて渋々リョウクの後をついていく


「ねずみとうさぎ????なんだぁ?」

看板を見ながらヒチョルが不思議そうに呟いた

その店はとてもお洒落なつくりになっていて

店の中も可愛い装飾などが施されている

「きゃ~可愛い~♪」ソンミンの口から感嘆の声が漏れた


1階で飲み物を受け取ると3人は2階に上がって行く

通りを見降ろす窓側の席に3人は座った


「ここのオーナーの干支がねずみとウサギなんですよ」

リョウクの説明を受けて

「ふーんそれでマウスラビットなのか・・まんまじゃん」

ヒチョルが笑いながら「俺はブタだけどな・・・」と言った


「で・・・ヒチョルさんの話ってなんですか?」

ソンミンがコグマラテを飲みながら聞いてくる


「う・・ん・・あのさ・・・夢判断してもらいたいんだけど・・」

ヒチョルは言いにくそうに目を伏せてぼそぼそと話しだした


夢の中で自分は眠り姫

そしてやさしいキスで目覚めさせてくれる王子様がいて

その王子は毎回同じ人物

最近出会ったばかりの人・・・・

そんな夢を毎日見るけど・・・それってどんな意味なんだろうか・・・


ソンミンとリョウクはヒチョルの話を黙って聞いて

その後2人で顔を見合わせるとニッコリと微笑んだ


「それって・・・恋です」2人は声をそろえて宣言する


「こ・・・恋??????」

「はい・・その王子様にヒチョルさんは恋しています」

「バカな・・・俺は男だぞ・・そして相手も男だ・・・・

それに俺はゲイじゃない!!!!!!」

ヒチョルは2人の判断に驚いて思わず声を荒げた


「男だから・・・女だから・・・じゃなくて

人間だから・・その人に魅かれちゃったんじゃないんですか?」

ソンミンはニコニコしながら答える


「ヒチョルさん・・・僕とミミちゃんはこんなんだから

恋の相手はいつも男性だって思われるけど・・・・

女の人を好きになる時もあるんですよ~」

リョウクはキャラメルマキアートを一口飲んで話しを続ける

「僕の初恋の相手もミミちゃんの初恋の相手も女の子だったしね~」

「え? そうなんだ・・・」

「僕たちは男だから女だからって意識してるんじゃなくて

人間として魅力ある人に魅かれて好きになるんですよ」

ソンミンは少し恥ずかしそうにヒチョルに語る


「でもさ・・・ギュは違ったよね~」リョウクが楽しそうに話し続ける

「ギュ・・・って企画課のギュヒョンか?」

「ギュはね・・ミミちゃんがワイン好きだって知って

ワインを理由に誘って酔いつぶして・・・・頂いちゃったんですよ~」

「え?」

「ケダモノ~!!!!!」リョウクはソンミンに向かって笑いながら言うと

「ほんと・・・ケダモノだったよ」ソンミンも笑う

「でもそのケダモノを好きになっちゃったんだから・・・ねぇ~」

「僕とギュの事は置いてといて・・・ヒチョルさんの話だろう?」

「あ・・・そうでした~」

リョウクはヒチョルの方を向くと

「毎日夢に出てくると言う事は、

ヒチョルさんはその人の事を大好きか大嫌いかのどっちかです

愛情と憎しみは裏表ですからね~

僕は、ヒチョルさんは王子様の事を愛し始めていると思います」

「でも・・・俺・・・男相手に・・・」

ヒチョルがまだ納得いかないと言うように

ぶつぶつと言うと


「一度抱かれてみればいいんです」

ソンミンから爆弾発言がおきた


「!!!!!!!!!!!!」

ヒチョルは思わず飲んでいたコグマラテを吹き出しそうになる

リョウクも驚いてソンミンの顔をみつめた

「ヒチョルさんの事、相手の人もきっと好きですよ

だからさっさと抱かれてみて、思った通りか違っていたか

再確認すればいいんです」

「ミミちゃん・・・過激すぎるけど・・・何かあった?」

リョウクが心配そうにソンミンの手を握ると

ソンミンの瞳から涙がはらはらと落ちて来た

「あの浮気者のケダモノが~」

ソンミンは泣きながら

ギュヒョンの浮気をリョウクに訴え始めた


(こいつら・・・ヨジャっぽいと思ったけど

やっぱりヨジャだ・・・)


「ソンミン・・・泣くな・・・俺がギュヒョンに良く言い聞かせておくから」

ヒチョルはそう言って慰める



(どっちにしても一度ハンギョンに会わないとダメか・・・・)


わーわーと大騒ぎしている2人をよそに

ヒチョルはぼんやりと窓から外を眺めた


え?

cafeの前の細い道から大通りに出た所に

ハンギョンの姿が見えたような気がして

ヒチョルの心臓は急に早鐘の様にドキドキし始めた



なんだ・・・この気分は・・・

俺・・・どうなっちゃったんだ・・・

(一度抱かれてみればいいんです・・・)


さっきのソンミンの言葉が頭の中でよみがえる

胸はドキドキしっぱなしで顔まで赤くなってきた



ヒチョルは自分がハンギョンに恋をしている・・・

その事実を嫌でも認識せざるおえなかった
【誕生日~おまけの話~】


久々にヒチョルと愛し合ったハンギョンは

自分の腕の中ですやすやと眠る愛する人を

優しく見つめていた


(無理してでも来て良かった・・・

相変わらず可愛い顔をして眠るんだな)


んんっ・・・

ヒチョルがハンギョンの胸に顔をこすりつけるようにして身動きをし

ぼんやりと目をあけてハンギョンを見つめた


「お前・・・いた・・・夢じゃなかったんだ・・・」

そう言うと子供の様に無邪気に微笑んだ


ハンギョンの胸に愛おしさがあふれてくる

「うん・・いたよ・・・ずっとヒチョルを見てた」

「・・・バ・・カ・・・お前・・今日はどうすんだ?」

「中国も正月だからね・・北京に戻るよ・・・親戚も集まってるし」

その言葉を聞いてヒチョルは少しさびしそうに瞳を伏せて

「うん・・・俺も・・実家に行くんだ・・・友達が迎えに来る」と呟いた


ハンギョンはヒチョルのおでこに優しくキスをすると

「もう起きないとね・・・」と自分に言い聞かせるように言った





2人が身支度をすませてソファに座っていると

ヒチョルの電話が鳴った

「おうっ・・・コンヒか? 今日は何時頃来るんだ?

お前の仕事はもうキリついたのかよ?」

「ああ・・・わかった・・・待ってるから・・・」

そう言うと電話を切る


ヒチョルはハンギョンに向かって

「江原道の友達と一緒に帰省するんだ・・・

あいつ仕事の関係で今日の帰省になって・・・

夜はそいつも一緒の中学のクラス会もあるんだ・・・」と申し訳なさそうに言った


「うん・・・俺も突然にきたから・・会えてよかったよ

ヒチョル達が出発する前に・・・もう仁川に行くよ・・」

ハンギョンの寂しそうな瞳にヒチョルは反応する

「やだ・・まだ一緒にいたい・・・」

「ヒチョル・・・・」

「次に会えるのはいつか分からないじゃないか・・・・」

そう言ってヒチョルはハンギョンの背中にしがみついた


「ごめん・・・・」ハンギョンは小さな声で謝る

「バカ!!!!!!謝るんじゃねぇ」

ヒチョルはそう言うとギュっとしがみついた



コンヒからの電話がくるまでぎりぎり2人は抱き合って

お互いの体温を感じあっていた





「コンヒ~悪ぃな~」

「おうっ!!!こっちこそ付きあわせて悪かったな」

マンションの前の道路に停まっていた車に向かって

ヒチョルは声をかけた


「でさぁ~ついでなんだけどさ~

仁川経由で江原道まで行ってくれない?」

「仁川・・・え゛????反対方向だろう!!!何考えてんだよ」

「俺の大事な人を仁川空港まで送りたいんだよ

いいよなっ!!!!!!」


コンヒはヒチョルの我儘に中学時代から振りまわされていたので

今回も仕方ないと諦め顔で、しぶしぶと承諾した


いつもは無理やりにでも助手席に乗るヒチョルが

今日はハンギョンと共に後部座席に乗っていた


見るとはなしに運転席からバックミラーで後ろを見てしまうと

ヒチョルはハンギョンと腕を組んで楽しそうに話をしている


(俺はタクシーの運転手か・・・・)

コンヒは自分達の知らないヒチョルの姿を見せつけられて

ハンギョンに対して軽い嫉妬を覚えていた


仁川空港に着くと

車から降りる時にハンギョンはヒチョルに軽く口づけをし


「このままでいいよ・・・ヒチョルが空港まできたらパニックになる」と言い残し


「反対方向なのに送ってくれてありがとう」とコンヒにお礼を述べて去って行った


後部座席のヒチョルは黙ってハンギョンの後ろ姿を見送っている


え???

ヒチョルの頬に一筋の涙を見つけてコンヒは戸惑った



しばらくヒチョルの方を見ないようにして運転席で煙草を吸っていると


「コンヒ・・・サンキュ」という声と共に助手席にヒチョルは移ってきた


それからはコンヒの知っているヒチョルで

江原道までの道のりはカラオケ大会で盛り上がり

コンヒも一緒になって車の中は大騒ぎだった




いつもと変わらない様子のヒチョルを見て

(俺の知らないヒチョル・・・初めて見たよ・・・)

「ん? 何だ? 俺の顔になんかついてるのか?」

ヒチョルが怪訝そうな顔をしてコンヒを睨む

「いいや・・・今日も絶好調だな~ってさ」


コンヒは辛い恋をしている幼馴染を

優しく見つめてそう言った






sakoさん・・こんな話になりましたけど~

どうでしょうか・・・



2013.02.10 誕生日

日にち変わってしまいましたが

昨日の2月9日はハン様の29歳のお誕生日でした

やっとひちょと同じ歳になりましたね

【想定外】の話はまだ途中ですが

誕生日記念としてのショートショートを書きました


【誕生日】



「くっそ~なんだよあいつ・・・スキー場で遊んでんなら

俺の所に電話くらいかけてこいよ!!!!!!」

ヒチョルはPCの前でweiboを見てイライラと頭をかいた


ハンギョンの誕生日だというのに

自分から電話をかけずに

イライラの原因をハンギョンのせいにして

ピンクのソファに八つ当たりをしている


「俺は公益勤務中だから勝手に海外に行けないし・・・・

そうじゃなかったら、スキー場に行って文句でも言ってやるのに

くそっ!!!!!!」


みゃあ~


ヒボムがヒチョルの足元に擦り寄ってきた

「大丈夫だよ・・・怒ってないからさ・・・」

そう言うとヒボムをやさしく抱き上げて頬にキスをする


ソウルは旧正月で人々はみんな故郷に帰省をしている

SUPERJUNIORの宿舎も

マネージャーからメンバーみんな実家に帰省して

今日はヒチョル1人しかいなかった

ヒチョルも実家に行く予定にはなっているが

今年はハンギョンの誕生日と旧正月が重なったので

なんとなく実家に行く日にちを一日遅らせて

だらだらと時間をつぶしている


シーンとする宿舎で

ひたすら誰かの電話を待っている自分に苦笑いして

「意地でも俺から電話しないからな・・」と呟いた




ピンポーン

突然宿舎のインターホンが鳴った

「誰だよ~リョウク忘れ物か? 食べ物でも持ってきてくれたのか?」

ぶつぶつ言いながらヒチョルはインターホンに出た


「うそ・・・・」

インターホンの受話器を持ったままヒチョルは言葉を失っている


「ヒチョル~寒いから早く中に入れてよ~」

画面にはハンギョンが映っている

「あ・・あ・・」

ヒチョルは慌ててロックを解除してハンギョンをマンションの中に入れた




「お前!!!!!!なんでこんなトコにいんだよ~」

ハンギョンは黙ったままニコニコと笑っている


「お前!!!!!スノボーしてんじゃねえのかよ~!!!!」

「ヒチョルweibo見たんだ~あれはね~アリバイ」

ハンギョンはそう言うと

荷物を置いて、勝手知ったるキッチンに入って

2人分のお茶を入れてソファに座った

「まあまあお茶でも飲んで・・・俺すっかり冷えちゃったから」

相変わらずのマイペースぶりと

久々に聞くぽわぽわした韓国語にヒチョルはすっかり毒気を抜かれて

「お・・おう・・サンキュ・・・」とお茶を受け取った


「スキー場にいたのは一昨日まで・・・今日はソウルに内緒できたよ」

「来るなら電話くらいしろよ!!!!俺・・ずっとお前からの電話待っていたのに」

ヒチョルがうっかり本音を話すと

ハンギョンは嬉しそうに微笑んだ


どきん・・・


ヒチョルの胸が疼く

「いつも電話するのは俺の方から・・・ヒチョルはたまにしかしてくれない」

ハンギョンはそう言うとヒチョルを後ろから優しく抱きしめる

「うっせーな・・お前は多忙な芸能人だから・・

かけるタイミングが分かんねーんだよ」


久しぶりのハンギョンの温もりに

ヒチョルは懐かしさのあまり泣きそうになった


鼻の奥がツンとするのを我慢しながら

「そう言えば・・・お前・・今日誕生日だったよな」

「うん・・やっとヒチョルと同じ歳になった・・・

誕生日のプレゼントはないの?」


ハンギョンはそう言うとヒチョルの首筋に顔を埋める

「お前・・・突然くるから・・・プレゼントは用意してないぞ」

「ここに・・・あるじゃん・・・俺の一番欲しいものが・・」

!!!!!!!!!

ヒチョルはハンギョンの方を振り向くと

その胸に顔を埋め「会いたかった」と呟いた


ハンギョンは優しく微笑むとヒチョルの頬に手をそえて

「ごめん・・・寂しい思いさせて・・・」といい

その魅惑的な唇に自分の唇を重ねる


ヒチョルはその口づけの甘美さに蕩けそうになり

ハンギョンの胸に抱きついた


離ればなれの恋人達は

失われた時間を取り戻すかのように

濃厚な口づけを繰り返す


名残惜しそうに唇が離れると

「誕生日のプレゼント・・・今から頂くから」

ハンギョンはそう言うとヒチョルを抱き上げる



我愛你


ヒチョルが耳元で囁いた言葉に

ハンギョンは喜びで顔をほころばす


愛している・・・愛している・・・

どんなに離れていても俺が愛するのはお前だけだ・・・・


恋人達の長い夜は

いまやっと始まったばかりだった・・・・・







*本当は誕生日に上げたかったのですが

書いている途中でドンヘのドラマの最終回にハマってしまって

(パンダとはりねずみ)こんな時間になってしまいました

ハン様~ごめんなさい!!!!!

2013.02.08 想定外 12
【想定外】12


~若獅子会 城東事務所~


「ほんとに ここは暇だな・・・おかげで別の勉強がはかどる」

ハンギョンはデスクで分厚い専門書を開いていた


「江南とはえらい違いだぞ・・・暇すぎて俺達の商売を忘れちまう」

カンインがソファに座って新聞を手にして笑いながら返事をした


「すぐそこに新しいcafeがオープンしたようです。事務所の前の細い道を行ったところですよ

さっきから若い女性がうろうろしてます」


キボムがそう言いながら手元の紙袋からカップを取り出した


「そこのcafeの目玉のコグマラテだそうです・・・・カップケーキも一緒に買ってきました」


ハンギョンとカンインの前に紙コップとカップケーキを差し出すと

しっかり自分の分も確保してキボムは隣の部屋へ下がって行った


「ハンギョン・・お前さっきから何の本読んでんだ?」

カンインが興味津々に覗きこむと

「ああ・・・韓国語でのIT関連の本は読解が難しいな・・・

内緒だけど・・実は俺は転職しようと思っている」


ハンギョンがカンインにウィンクしながら紙コップを手に取る


カンインはハンギョンの話に吹き出しそうになるのをこらえ

「転職だなんて・・・またまた・・正統マフィアの一家の御曹司が」

そういいながらハンギョンの肩をたたいた


「俺だって好きであんな家に生まれたんじゃない・・・・・

長男だからって決められたレールには乗りたくない・・・・」

(それに・・あいつは刑事だ・・・ヤクザにとって敵でしかない)

ハンギョンが急に顔を曇らせたので

カンインは人懐っこい笑顔で「違う人生も有りだろうね」と答えた


ハンギョンは紙コップに口をつけて

「コグマ?  甘藷のことか・・・やさしい味がするな」と囁くと

ぼんやりと物思いにふけっていった・・・・


あの日の朝

ヒチョルと顔を合わせるのが気まづくて

ハンギョンは先に家を出た

ヒチョルが出ていったのを確認して部屋に戻ると


「うまかった」という手紙と共に

食器は綺麗に洗われていた・・・もちろん鍵はポストに入っていた

綺麗に片づけられている部屋を見て

胸にぽっかり穴があいたように寂しく感じた・・・不思議な気持ちだった


あれから一週間すぎたが

ハンギョンの中のヒチョルの存在がどんどん大きくなっていく


キスなんてしなけりゃ良かった・・・・

ハンギョンは後悔しながらもヒチョルの唇の感触が忘れられないでいる


カンインはここに乗り込んでくると言ってたが

早くやってこい・・・俺がヤクザだと知って怒るだろうな・・・

怒った顔をも見たい・・・それよりも会いたい・・・・・


ハンギョンは自分の唇を指でなぞって

ヒチョルに想いを馳せていた


2013.02.06 想定外 11
【想定外】11


「なんかヒチョル、最近へんだよね・・」

城東警察の捜査二課のサイモンが、同僚のホンギにそっと耳打ちをした

「確かにこの一週間変です・・・・」

今日も2人の目の前でぼーっとしたヒチョルが椅子に座っている

この一週間、城東警察管内では大した事件も起こらず平和な状態だった

なのでヒチョルの出番もなく細かいデスクワークに勤しむ事となっていた

しかしPCの前で考え事ばかりしてぼーっとしているヒチョルの姿が

今まで見た事もない姿だったので二課のみんなは薄気味悪がっていたのだった




あの日スーツを取りに行き

ワインを飲んで、酔って眠り込んでしまったヒチョルは

翌朝目が覚めると

ベットに寝かされている自分に驚いた

起きて周囲を見回すと誰もいない

テーブルに手紙と朝食が置かれている事に気付いた


「用事があるので先に出ます。朝食は良かったら召し上がって下さい。

鍵はかけて、郵便受けに入れておいて下さい。ハンギョン」




あれから一週間が過ぎた

ヒチョルは毎晩のように夢を見る

誰かのやさしい腕に抱かれて

やさしく子守唄を歌ってくれて

とても心地よい気分の中

誰かに口づけをされて目が覚める

その口づけの主は王子様

自分はドレスを着たお姫様になっている

王子様の顔は良く見るとハンギョンだった・・・・



夢が意図する事が分からず

ヒチョルは戸惑っていた

もう一度ハンギョンに会いたかったが

会いに行く口実もなくそのままにしていた


俺は・・・男が好きなそっちの人間なのか・・・・


ヒチョルがずっと胸にわだかまっていた事を考えた時に

目の前にサンチュの顔のアップがせまってきたのに気付いた



うわっ!!!!!!!!!!

バッコーン!!!!!!



「ヒチョル兄さん!!!!!サンチュ!!!!!」


ぼーっとしているヒチョルを心配してサンチュが顔を近付けた時

本能的にヒチョルがサンチュの顔を殴ったのだった


「あ・・・悪ぃ~」

「なにもグーで殴る事ないじゃん」

サンチュは殴られた頬を抑えて涙眼になっていた


「もう悪かった・・・お詫びに昼飯おごるから・・・みんな行くぞ」

ヒチョルはそう言うとデスクのPCを閉じて

二課の部屋から出ていく


(俺・・もう自分の気持ちが良く分からない・・・

ハンギョンに魅かれているのか?)


歩きながらヒチョルは考える

考えても堂々巡りで結論は出ない


警察署の玄関から外に出ると

ちょうど路上駐車の取り締まりから戻った

ソンミンとリョウクがミニパトから降りて来た


!!!!!!!!!

(そうだ・・こいつらに聞いてみよう)


「おいっ!!!!交通課のミンウク!!!お前ら今日定時上がりか?」

ヒチョルの問いかけに2人はニコニコしながら

「はい!!!今日は定時で上がります~」と声をそろえて返事をする


「今日・・上がってからでいいんだけど・・・ちょっと話あんだけど

付き合ってくれるかな・・・・」

言いにくそうにヒチョルが呟くと


「わーい!!!!ヒチョルさんとデートだ~!!!!」とソンミンがはしゃぐ

「僕~行きたいcafeあるんですけど~連れてってくれますか?」リョウクがおねだりする

「お・・・おう・・・いいぜ・・・」


きゃ~どうしよう~♪

2人でキャピキャピと喜ぶソンミンとリョウクを見て

このヨジャコンビなら

今の自分の気持ちを説明してくれそうだ・・・


ヒチョルは藁にもすがりたい気分で2人を見つめていた

2013.02.02 想定外 10
【想定外】10


ピンポーン~♪


ハンギョンがマンションの玄関を開けると

ぶすっとした顔のヒチョルが立っていた

「悪りぃ・・・俺のスーツ取りに来た・・・」

ぼそっとヒチョルが言うと

「もうクリーニングは出来てますから大丈夫ですよ

どうぞ中に入って下さい」

ハンギョンがヒチョルを中に入るように促す

リビングのソファの上にヒチョルのスーツは置かれていた

「あ・・この今着ている服・・後でクリーニングして返すから」

ヒチョルの言葉にハンギョンはふわりとした笑顔を向ける

「その服・・・あなたに似合ってます・・

私には小さいからそのまま差し上げます・・・どうぞ座って下さい」


ドキン・・・

ハンギョンの笑顔に思わずヒチョルの胸は疼いた

な・・・なんだ・・・今のは・・

ヒチョルはその小さな疼きに気付かないふりをして椅子に座る

リビングのテーブルを見ると

ハンギョンは1人で飲んでいたようでワインが置かれていた

「いいワインを頂いたので、1人で飲んでました

ヒチョルさん・・・良かったら一緒にどうですか?」

ヒチョルはワインには興味はなかったが

流れ的に一緒にワインを飲む事になってしまった


ヒチョルが夕飯をまだ食べていないと聞くと

ハンギョンはキッチンに立って手際よくちょっとしたものを作ってきた


「うわっ・・・お前・・・魔法使いか?????」

ヒチョルの前にサラダとパスタが並べられる

「おほめ頂きありがとうございます」

ヒチョルが子供の様にはしゃいだのでハンギョンは嬉しそうに微笑んだ


「旨い!!!!お前すげーな!!!!パスタ・・・

カルボナーラなんて店で食うのと同じ味だ・・・・」

ヒチョルはすっかりくつろいでワインを飲みながら

ハンギョンといろいろな話をしてすっかり盛り上がった

「そう言えば・・江南のバーでもお前と話してて楽しかったな」

ヒチョルは急に思い出して笑顔を向ける

その笑顔が子供の様に無垢な感じでハンギョンは眩しく感じた

ワインから始まりいつの間にか2人でたくさんの酒びんを空にしていた


「まったく・・・・」

気付くとヒチョルはソファで眠りこんでいる

ハンギョンはテーブルの上を片づけると

ソファで眠りこんでいるヒチョルを横抱きにしてベットに運んだ

そっと寝かせると

すやすやと眠っているヒチョルの顔を辛そうに見つめる

「キム・ヒチョル・・・お前は俺を試しに来ているのか?

なんでいつもこうなるんだ・・・気持ち良さそうに眠りやがって・・

俺だっていつまでも我慢できる訳じゃない・・・・・」

壊れ物を扱うかのようにハンギョンは

ヒチョルの顔を優しく両手で包みこむ


そっとハンギョンはヒチョルの唇に自分の唇を重ねた

「今日の所は・・・キスだけで勘弁してやるよ」

そう言うとハンギョンはヒチョルの寝顔をいつまでも見つめていた

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