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2013.05.30 初恋 5
【初恋】5

ヒチョルとイトゥクが食堂に着いた時には

ほとんどの席が埋まっていた

そして今回もA定食は品切れでカレーか麺類しか残ってなかった

「ヒチョル~今日もジャージャー麺なの~?」

イトゥクは嬉しそうに激辛ちゃんぽんをトレーに乗せた

「げっ・・・お前それ・・地獄の辛さって評判じゃん」

「い~の僕が食べる訳じゃないもん♪」

「お前じゃなかったら・・誰がそれ食うんだよ」

ヒチョルの疑問に答える事なく

イトゥクは誰かを探してキョロキョロしている


「あっ♪ いた~♪カーンイーン♪」

イトゥクはカンイン達を見つけると

トレーを持ってそそくさと移動する


「あっA定食とっといてくれたんだね~ありがとう~」

イトゥクがトレードマークのえくぼを見せながら

にこやかにカンインに礼を言う

カンインは嬉しそうに「場所とり大変だったんだから」と

全然大変そうじゃない声で答えた


ヒチョルはそのやりとりを見つめながら

(ナイト・・って・・やっぱパシリじゃん)と心の中で密かに思う

「今日もそれだね・・・君はそのジャジャ麺・・好き?」

急に声をかけられてヒチョルは声の方を振り向いた



どきん・・・


自分の定食を食べ終えたハンギョンが

ヒチョルの方を見つめて微笑んでいる


急にヒチョルの心臓がバクバクとし始めた


な・・・なんだ・・・急に・・


ヒチョルは自分の心臓が自分のものじゃないように感じた


「遅かったから・・こいつしか無かったんだよ」と答えて

一心不乱にジャージャー麺を口に運びはじめた

そんな様子をハンギョンはニコニコしながら眺めている

(なんだ・・こいつ・・・じっと見てたら食いづらいじゃないか)

ヒチョルがハンギョンを意識して顔を上げられずに

ひたすら麺を食べている横で

イトゥクはカンインに激辛ちゃんぽんを薦めていた

「カンインにちゃんぽんを選んだよ~僕が選んだんだから食べてね」

そう言うとちゃんぽんのトレーをカンインの前に置いて

自分はちゃっかりA定食を食べ始めるイトゥク・・・


カンインは苦笑いをすると激辛ちゃんぽんを食べ始めた


ヒチョルが顔を上げられないまま

食事をしている様子に気付いたイトゥクが

「そこの留学生~そんなに見つめていると食べづらいってよ~」

笑いながら声をかけた

「ハンギョン~何そんなに凝視してんだよ・・」

カンインも気付いて笑いながら突っ込んでくる


(え? ハンギョンだって?)

カンインの言葉にヒチョルは驚いて顔をあげた

するとヒチョルを見つめているハンギョンと視線が合った・・

ハンギョンはどんな女性をも虜にしてしまう綺麗な顔でニッコリと微笑むと


「ヒチョル・・・可愛い・・・食べてる姿もおんなのこ・・・」


ハンギョンのひと言にヒチョルの胸の動悸が止まらなくなり

自分でもどうしたらいいか分からなくなったヒチョルは

「俺・・・おんなのこじゃない!!!!!」と叫ぶと

席を立ってその場から走り去ってしまった




「僕・・・韓国語まちがえた? ヒチョル怒った?」

ハンギョンは訳が分からないという顔をして

イトゥクとカンインの顔を見つめた


「う~ん・・おんなのこ・・というフレーズが良くなかったかな?」

イトゥクがカンインの方を向いて首をかしげると

「ハンギョン・・・また「みたい」が抜けたよ」

カンインがハンギョンに言うと

「おんなのこ・・みたいに・・かわいい」とハンギョンが言いなおしをする

「でもあんなに怒る内容でもないと思うけどな・・・」カンインがハンギョンを

慰めるように言った



ふーん・・・

イトゥクは何か思い当たる節があるのかニヤリと笑うと

A定食を食べる速度を速めるのだった











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2013.05.26 初恋 4
【初恋】4

「今日も生物室での実験だよ~」

イトゥクに言われてヒチョルは慌てて教科書を手にした

「じゃあ今日も学食はジャージャー麺だな」

ヒチョルが呟くとイトゥクはニコニコしながら

「今日はねぇ~カンインに席取りたのんだから大丈夫♪

僕のA定食も頼んであるんだ~」


(ナイトって・・・騎士じゃなくて下僕のことか?)

ヒチョルはそんなことをぼんやり考えながら生物室まで来た

顕微鏡実験の時は授業のチャイムが鳴る前に

顕微鏡を取りに行って用意をしておく

ヒチョルは顕微鏡を手にして席に着くと

顕微鏡使用カードを手にして苦笑した

前回の実験の時に 汚い字の横に「へたくそ」といたずらしていたが

その汚かった字が綺麗に書きなおされていた

そして前回のヒチョルの名前の横に 可愛い と書かれていた

「書きなおした字・・上手じゃん」

可愛いと書かれていたのでヒチョルは嬉しくなって

今日の日付で自分の名前を書きながら

上の段に書いてあるハンギョンの名前の横に ありがとう と書いた



ハンギョンってどんな奴なんだろう・・・

実験中もずっとヒチョルはその事ばかり考えてた

(こいつ・・俺の事知ってるんだ・・・俺は知らないのにな)



「今日のゾウリムシは元気だよ~ちゃんと見てないと見逃しちゃうからね」

生物教師のドンヨプの声が遠くに聞こえる

ヒチョルは授業中ずっと顕微鏡を覗いたまま

意識は他の事に集中していた



「ヒチョル~ゾウリムシ見れた?」

授業が終わり顕微鏡を片付けているとイトゥクが寄ってきた

「ゾウリムシ・・ほれ・・こいつだろう」

提出する用紙に元気なゾウリムシの絵が書いてある

「ヒチョルって・・絵が上手だね~」

顕微鏡でゾウリムシを見つけてなかったが

ゾウリムシは子供の頃に見た図鑑で形を覚えていたので

見なくても描けるようになっていた

「ちょ・・・イトゥク・・お前って・・・」

ヒチョルはイトゥクの用紙を取りあげて唖然とする


「お前・・・絵・・へったくそだな」






「カンイン・・なんで4人分の席とってるの?」

学食で4人分の席を確保して

周囲に睨みをきかせているカンインに

ハンギョンは不思議そうに尋ねる

自分の分として取ってきたA定食も食べずに置いたままだ


「うん・・イトゥクに席取り頼まれたから」

イトゥクという名前を聞いて

ハンギョンは眉をぴくりと動かした


カンインはハンギョンの表情に気付いて

「ハンギョンの好みのあの子も一緒だよ」とニヤリと笑った


ハンギョンは自分の定食を食べながら

ヒチョルの顔を思い浮かべていた


ヒチョル可愛いな・・・どんな性格なんだろう・・・



「あー腹減ったよ~早くイトゥク来てよ」

カンインが待ちきれなくてテーブルに突っ伏した

その姿をハンギョンが笑いながら見て

「ナイトって・・・召使いなんだね」と呟く


「召使いじゃないよっ!!!姫を守る騎士なんだよ~」

カンインの訴えを聞こえなかったふりをして

ハンギョンは自分の食事を続けていた・・・・
2013.05.23 初恋 3
【初恋】3

「ハンギョン? どうした? ロング眠かったな」

カンインが隣の席でぼーっとしている中国からの留学生に声をかけた

「ロングホームルーム・・眠かった・・遠足は山登り?」

カンインに声をかけられて、ハンギョンと呼ばれた綺麗な顔立ちの青年は

言葉を探しながらゆっくりとした口調で話をする


ハンギョンは中国からの留学生なので

まだ韓国語が達者ではない・・時々分からない事があると

英語を交えたり身振り手振りで確認をする

なのでどうしてもゆっくりした話し方になってしまうのだった

「あの・・女の子・・カンインは名前知ってる?」


話の内容が飛ぶのにもカンインはもう慣れた

遠足の話から突然女の子と言われて

カンインは頭の中をフル回転させて

ハンギョンの言わんとする事を推測した


「あの子・・・入学式に見た子・・僕顔を覚えた」

「ああ・・・女の子じゃなくて

女の子みたいな子・・だね・・・

イトゥクのルームメイトでヒチョルって言うらしい」


ハンギョンは入学式でヒチョルを見かけ

どうして男子校に女の子が紛れているんだと

カンインに質問してきたのだった

カンインがあれは男の子だよ・・と説明しても中々納得しなかった

そんな一カ月前の事を思い出してカンインは

「そうだね・・ハンギョンが入学式で女の子だ~って

そう思った子と同じだね・・・ヒチョルは美人だから」と小さく笑いながら答える


「ヒチョル・・・可愛い・・・」

「ハンギョン・・好きになったとか?」

「あの子・・女の子・・みたいな子・・僕の好きな顔」

「へえ~ああいうのが好みなんだ」

カンインはそう言うとハンギョンの端正な顔立ちをまじまじと眺めながら

「お前・・中国にGFとかいなかったの?」と興味深そうに尋ねて来た

「ガールフレンド? いたよ・・留学するのでお別れしたよ」

「え?」

「遠く離れるとめんどくさい・・だから全員とお別れした・・」


げ・・・・

全員って・・・・何人と同時に付き合ってたんだ?

こいつ・・・こんな爽やかなイケメン面して・・すっごい女ったらしなんだ・・・


カンインがイトゥクに熊さんみたいで可愛いと言われるつぶらな瞳を

驚愕のあまり大きく見開いてハンギョンを見つめていた


「カンイン・・君の目はぬいぐるみと同じで可愛いね」

ニッコリと微笑みながらハンギョンはカンインにむかって言った


うわっ・・こんな顔で迫られたら・・女はイチコロだな・・・・


「ハンギョン・・・授業終わったけど・・部活いいのか?」

ハンギョンは体育の授業でその身体能力の素晴らしさが判明されたため

あちこちの運動部からいろいろと勧誘をされていた

ハンギョン本人はまだ言葉がうまく話せないと言う事で

なかなか一歩踏み出せずに躊躇している

今日も運動部の見学に行かずに寮に帰ると言った

カンインはもったいないな・・・と思いながらも

「まずは韓国語の勉強が重要だしな」とハンギョンの肩を軽く叩いて

「韓国人の彼女を作れば必要に迫られて、韓国語があっという間に身につくぞ」と

ハンギョンの顔を覗き込んでニヤリと笑った

「あ・・・そういう手があった」

ハンギョンもいい考えだとばかりに

カンインの方を向いて

女性なら誰もが虜になるイケてる顔でニッコリと微笑んだ
2013.05.23 初恋 2
【初恋】2

「ああ~やっぱり遅かった~!!!!席ないよ~」

ヒチョル達が生物室から大急ぎで学食に来たが、

高等部の学食はすでに満杯状態だった

「あああっ・・・A定食品切れだし~ジャージャー麺しか残ってなかった」

「ぐちぐちうっせーぞ・・仕方ないだろう・・」


ぐちぐちと文句を言うイトゥクを軽くいなして

ヒチョルはトレーを持ったまま学食の隅に立っていた


「どっかないかな~あっみっけた~!!!!」

イトゥクは空席を探そうとキョロキョロする

そして知り合いを発見したようで大きな声を出した

「カンイン~!!!!みっけた~!!!ヒチョル行くよ~」

イトゥクに促されてヒチョルはトレーを持ったまま移動する


「やった~カンイン!!!!俺達に席ゆずってね~」

「まだ途中ですよ・・・イトゥク・・ちょっと・・待って・・」

カンインと呼ばれたがっしりとした青年が

イトゥクに急かされて慌ててご飯を口に詰め込んでいる

「僕・・・カンインの膝の上でもいいんだけど~」

「グボッ・・・・」

イトゥクのひと言にカンインは真っ赤になってむせた


「うわっ何やってんの~もう・・・カンインってば!!!!」

カンインとイトゥクの騒ぎをぼんやりと眺めていたヒチョルに

カンインの隣に座っていた青年が声をかけて来た

「僕・・・食べ終わったから・・君座って」


うわっ・・・超イケメン・・・


ヒチョルに席を譲った青年は超のつく位のイケメンだった

ヒチョルは自分の美貌を嫌という程認識していた・・・が

自分以外でここまでのイケメンを見るのが初めてだったので

思わず大きな瞳を見開いて見つめてしまった


見つめられた青年は、ニッコリと微笑むと

「カンイン・・・次・・体育だから先に行ってる・・」と

空の容器を持って素早く去って行く

「そうだ・・体育だった・・・イトゥク悪ぃけどもう行くね」

カンインも大慌てで

食べ終えた食器を持って青年を追いかけていった


「やれやれ座れたね~まだ30分あるからゆっくりできるね」

イトゥクがほっとしながら席に座ってヒチョルに話しかける

するとヒチョルはカンイン達の後ろ姿をぼんやりと見つめたままだった


「ヒチョル!!!!どうしたの?」

イトゥクはヒチョルの様子に驚いて視線の先をおった

ヒチョルがカンイン達を見ていた事に気付いて

「カンインはダメだからね!!!!僕のナイトだから!!!!」と文句を言った


聖SJ学院は伝統ある男子校

男子ばかりの特殊な状況下の中

女の子ばりの可愛い男の子に

不埒な考えを持つ輩も出てくるため

騎士(ナイト)制度というものが設けられていた


イトゥクも女の子のように可愛い容姿を持っていたので

中学時代からカンインと騎士契約を結んでいたのだった

ヒチョルは入学してまだ一ヶ月なので

その制度の事は詳しく知らなかった


「ナイトかなんか知らねーけど・・・

イトゥクの熊見てたんじゃない熊の隣を見てたんだ・・・」

イトゥクはヒチョルが

カンインに興味を持ったわけではない事にホッとした


「ああ・・あのイケメン? カンインの同室の留学生だって」

「留学生?」

「中国からの留学生・・だからまだ韓国語は上手じゃないみたい

カンインは身振り手振りで会話してるって言ってたな・・・」

イトゥクはそこまで言うと

「ほら・・早く食べよう」とぼんやりしているヒチョルに声をかけた

「うん・・・」


中国からの留学生・・・・カッコいい顔していたな・・・

あの人・・・名前なんて言うんだろう・・・・


ヒチョルにむかって微笑んだ顔が思い浮かぶ


キュン・・・ヒチョルの胸が甘く疼いた



俺・・どうしたんだろう・・なんか顔が熱くなってきた


ヒチョルは初めて覚える感情の変化に

どう対処していいのか分からず戸惑っていた

2013.05.18 初恋 1
最近少しSHINHWA に寄り道してしまいましたが

久々のハンチョル妄想の新作です

それもよくある設定のよくある話・・・

ってBLをあまり読まない人だから・・・

よくある話になるのかな・・・分かりませんが・・


しばらくお付き合いください・・・



【初恋】 1


新学期が始まって一ヶ月が過ぎた

桜の季節も過ぎて梅雨入り前の夏を思わせる強い日差しの中

ヒチョルはクラスメイトのイトゥクと一緒に登校していた

ここはソウル郊外にあるキリスト系の全寮制男子校 聖SJ学院

ソウル大学合格者数が毎年一位という進学校で有名だった

ヒチョルは高等部からの編入組でイトゥクは中等部からの持ち上がり組

1学年は6クラスあり、その半分が中等部からの持ち上がりだった

たまたま寮の部屋が同室だった事や

もともとの世話好き体質のイトゥクにとってヒチョルは格好の相手だった事もあり

2人は一ヶ月の間に親友と呼べるほど仲良くなっていた


「今日は生物の授業・・・顕微鏡実験って言ってたな」

ヒチョルは綺麗な顔をちょっとしかめてイトゥクに言う

「うん・・ヒチョル生物室初めてだよね~迷子にならないように

ちゃーんと僕についてきてね~特別教室は中等部でも使ってたからさ」

話しかけられたイトゥクは笑うと出来る魅力的なえくぼを見せながら

ヒチョルの肩を軽く叩いた



ヒチョルは肩まである長い髪と

女性と間違えそうな美しい顔で入学式から目立っていた

一緒にいるイトゥクも女性ぽい可愛い風貌なので

2人で歩くとだれもが振り向く

男子校という特殊な状況下で

2人の存在は一種の清涼剤の役割をしていた


ヒチョルは地方出身だったので大学進学にむけて

できればソウルの進学校に入学して良い大学に入りたいと思っていた

ヒチョルの両親は人口の少ない地方の都市で

芸能人なみに美しい顔で有名になりすぎた息子の将来を心配し

校則の厳しい全寮制の学校に入学させようと思っていた

お互いの利害が一致して、

ヒチョルはこの春から聖SJ学院の一員となったのだった


小さい時からその美貌で

周囲からちやほやとお姫様扱いされていたヒチョルは

全寮制の生活に失敗したと後悔したが

面倒見の良いイトゥクに助けられて

ようやく慣れて来た所だった



「ヒチョル~早く早く~生物室は少し離れているから

チャイム鳴っちゃうよ~」

3時間目が終わってイトゥクがヒチョルを急かす

「ちょっと・・・待てよ・・」

中等部からの持ち上がり組はみんなそそくさと教室を出ていく

イトゥクは他にも高等部編入組に声をかけて

大急ぎで生物室にむかっていった


「げ・・・がいこつがある・・・」

ヒチョルは生物室の入口に飾ってある骨格標本と人体模型に少しビックリした

イトゥクはその様子にケラケラと笑いながら

「この子はジェウク・・この子はボンナム」と指をさしてヒチョルへ教える

「な・・名前ついてんのかよっ・・・」

「うん・・・生物のドンヨプ先生が、よく呼びかけてたよ~」

生物室には他に水槽がいくつもあり

イモリやグッピーなどの熱帯魚などがいた

隅の方にはハムスターもいるようだった


ヒチョルは久々に人間以外の生き物を見た気がして

少しほっこりした気分で自分の席に着く


チャイムが鳴って中年の生物教師が入ってきた

出席を取った後に「ドンヨプ」と自己紹介をする


ああ・・・あの骸骨に名前つけた先生か・・・

ヒチョルはぼんやりと教師の顔を見つめながらそう思った


「では~顕微鏡は自分の出席番号のついたのを使ってね~

一緒にカードが付いてるから日付と自分の名前かくんだぞ」


「せんせ~い!!!なんでカード書くんですか~」

「顕微鏡は高いからな・・

何か不具合が合った時に誰が使ったか分かるようにだ」

みんな不満そうにぶつぶつ言いながらカードの名前をかき始める


ん?

ヒチョルのカードは

今日の1時間目に使用したクラスの子の名前が書かれていた


汚い字で「ハンギョン」と書かれていた

「きったね~ハングルだな・・・ガキみたいな字だ」

ヒチョルはそう呟くと

その名前の下に自分の名前を書いてから

ハンギョンという名前の横に矢印を書いて、

「へたくそ」と落書きをした



「顕微鏡の使い方のレクチャーは終わったからな~

明日は続けてプレパラートを見るぞ!!!!!!」

「プレパラートは何ですか~」

「まあ元気な奴だ・・・明日の楽しみにしとけ~」

生物教師のドンヨプは豪快に笑いながら

「お前ら早く食堂に行かないと、昼休み終わっちまうぞ」と生徒に声をかける

「うわっ・・・やばっ」

生徒達はみんな大慌てで顕微鏡をしまうと

食堂にむかって一斉に走り出す

「ヒチョル~早くしないとA定食がなくなっちゃうよ~」

イトゥクに急かされてヒチョルも速足で生物室を後にした
2013.05.18 最近・・・
いつも遊びにいらして下さる方々ありがとうございます

最近・・・リア充(リアル充実=実世界が充実している)ならぬ

リア忙(リアル多忙)な宗文です


Eternal の続きを書こうと思ったのですが

なかなか話がまとまらず・・・妄想はしてもPCを開くまでに時間かかり

気付くと妄想を忘れてしまう・・ととんでもない状況でして・・

などと言いわけをしています


べつの話が先日突然浮かんできたので

まずそれから書きたいと思ってます


ヒチョルが芸能界復帰するまであと少しとなりました

ヒチョル不在の寂しさから始めたこのブログも

気付くと2年近くとなりました

相変わらずの内容ですが

ぼちぼち書いていきたいと思ってます

これからもよろしくお願いいたします
【思い出のシナワールド】後編

「うわぁ・・・すっかり変わっちゃったね」

高速宇宙バスを降りて

ヒチョルは辺りをキョロキョロしながらハンギョンに言った


「たしかに・・・昔は、ドーンと遊園地入口があったけど

今は入り口までの間にいろんなお店が並んでいるね


昔一世を風靡した星間アイドルのシナ

彼らがアイドルを引退した時に共同出資して星を買って

そこに子供たちが笑顔で過ごせる場所「シナ・ワールド」を建設した


シナのメンバーはそれぞれ個人活動していたが

基本はここの遊園地経営という揺るぎない信念をもっていたので

ファン達からも支持されて黒字経営となっていた

開園してから気付けば30年近くが過ぎていて

そこここ老朽化が目立ってきたために

遊園地だけではなくリゾート施設としてのシナワールドとして

リニューアルを果たしたのだった


あくまでも噂だったが

メンバーは相変わらず仲が良すぎて

次は老人ホームの建築という晩年計画まであるらしい・・・


遊園地は前回カンインやイトゥクと一緒に行ったっきりだったので

ヒチョルとハンギョンは少し照れながらも

子供たちに混じって入場券を購入した


2人は手をつなぎながら奥にある遊園地ゾーンまで歩いていく

途中プールゾーンの横を過ぎる時にヒチョルはハンギョンの腕を掴んで叫んだ

「あの人・・・まだあんなことやってる・・・」


ウォータースライダーも昔よりもリニューアルされていて

数段高い場所からの落下になっていた

その乗り場の所にちらちらと動く麦わら帽子と

微かに聞こえてくるおなら体操の歌・・・・

どんなに麦わら帽子が似合っていても

彼は間違いなく元アイドルだった

そして見せられたアイドル時代のライブ映像では

ものすごくカッコ良かった

「昔カッコ良かったけど・・・今のあの楽しそうな笑顔も素敵だな」

ハンギョンはヒチョルにそう言うと

「そうだね・・・今のシナの人達・・みんな素敵なおじさんだね」

ヒチョルは懐かしそうに微笑みながらハンギョンの腕をぎゅっと掴む


「今日はもちろんプールに入らないからね」

ハンギョンは優しく微笑むと

「もう少し先まで行くから・・・・」とヒチョルに言った



「うわっ・・・観覧車・・でっけ~」

「ヒチョル・・そんな見上げると、ひっくりかえるよ」

ハンギョンは体を反り返して観覧車を眺めているヒチョルを

あわてて支えながら

「リニューアルでこのあたりで一番の大きさになったようだよ」と説明する


2人はしばらく子供たちに混じって並んで、観覧車に乗り込んだ


「やった・・ピンクだ・・」ヒチョルが小さく微笑んだ

2人の乗った箱はヒチョルの好きなピンク色

カラフルな色とりどりの箱がある中でピンクが当たって

ヒチョルはちょっと得意そうな顔をして

ハンギョンの向かい側に座った


2人が恋人同士になって6年が過ぎた

前回のシナワールドに来た時に

ハンギョンは必ずやりたいと思った事があったのに

ずぶ濡れ事件ですっかり忘れてしまい

その後も遊園地に行く事もなかったので

やっとそのチャンスが今日巡ってきたのだった


「お前・・何きんちょーしてんだよ・・」

ヒチョルは楽しそうに外を眺めながらハンギョンに言う

「宇宙船は平気で操縦できんのに・・・高所恐怖症じゃねーだろ?」

「違うよ・・・ヒチョルみたいに2階の窓から飛び降りる事はしないけど」

ヒチョルがムッとした顔でハンギョンを睨む

「お前・・何、昔の事いってんだよ・・・俺・・軟禁状態だったんだぞ

部屋の窓から飛び降りなきゃアカデミーに入学できなかった・・・

お前と会う事も出来なかったんだからなっ」

今にも泣きそうな顔してハンギョンに文句を言うヒチョル


(そうだ・・そうだったね・・入学式で出会って・・・最初は友達だったけど

今では・・・僕は君がいないと生きていけない位・・

君は僕の中で一番大事な人になっていた・・・)

ハンギョンはヒチョルと出会ってからの事を思い出していた


「おっそろそろ・・てっぺんじゃん・・すっげーな」

ハンギョンはヒチョルの声を聞いて我に返った


そろそろ・・・頂上・・・・始めるとするか・・・


カタン

観覧車が頂上に到達したと同時に箱の中のランプが点灯する

これは観覧車に乗るカップルに向けてのサービスの一環だった


「ヒチョル・・」

窓から外を眺めていたヒチョルがハンギョンの方を向く


ハンギョンが真面目な顔をしてヒチョルを見つめていた

ヒチョルもハンギョンの様子に少し緊張して次の言葉を待っている


「キム・ヒチョルさん・・・僕はあなたを愛しています

一生かけて愛し続けます・・・初めて会った子供の頃から決めてました

僕は一生あなたを守り続けます」


「・・・・」

ヒチョルはハンギョンの言葉を大きな瞳を見開いたまま聞いている


「だから・・・あなたの残りの人生を全て僕に下さい」

ヒチョルの瞳から涙があふれ出てくる

ハンギョンはカバンから小さな包みをふたつ取り出し

ヒチョルの手のひらにそれらを乗せる

ヒチョルは涙をぼろぼろとこぼしながら

それらの包みを開けてみた

ひとつは一対の結婚指輪

もうひとつはヒチョルが子供の頃に祖父から貰った

イスマン三世の即位記念の金貨にチェーンをつけて

ネックレスにしたものが入っていた

「お前・・・これ・・・」

「初恋のお姉さんから貰った大事な金貨・・・・

その初恋のお姉さんがヒチョル本人だったと分かって

いつか返そうと思ってたんだ」

そう言うとハンギョンは指輪の方の箱を手に取り

「僕の一生のパートナーになってください」と

ヒチョルに正式にプロポーズをした



ヒチョルは感動のあまりに声がでない

顔も涙でぐちゃぐちゃだった


あまりにも返事がもらえないので

「僕じゃ・・ダメなの?」と不安そうにハンギョンは呟くと

「ちがう」とヒチョルは頭を横に振った


「俺でいいの? 俺・・勘当されてるから金も親戚もなんもない

一人ぼっちだ・・・」

ハンギョンはヒチョルを見つめて優しく微笑む


「俺・・・俺もお前を愛している・・・一生一緒にいたい」

そう言うとヒチョルはハンギョンの腕の中に飛び込んだ


観覧車の箱が少し揺れたけど

宇宙船を操縦するような2人には

それ位の揺れは何も無かったように感じた


抱き合った2人はお互いの顔を見つめあい

愛の言葉を何度も囁きあいながら

お互いの唇を重ね合った


いつもと違う

崇高な誓いのキスだった


お互いの唇が離れると

ヒチョルは涙でぐしゃぐしゃになった顔を

袖口で無造作に拭くと自分の左手をハンギョンに差し出した


「これはカップルリングというよりもマリッジリングだろ?

俺は一生お前のものだという証だ。俺の指にはめて」


ハンギョンは小さく頷くとヒチョルの左手の薬指に指輪をはめる


ヒチョルはその指を窓の方に向けてキラキラと輝かせた

装飾の少ないシンプルなプラチナのリング

ヒチョルはしばらく嬉しそうに眺めるとハンギョンの左手を掴み

「お前は一生俺のものだという証をつけてやる」と言って

ハンギョンの左薬指にお揃いの指輪をはめた


ヒチョルはハンギョンの胸にぎゅうっと抱きつくと

「お前・・・浮気したら絶対に許さないからな」と物騒な事を呟いた


「浮気なんて出来る訳ないよ・・・

7歳の時からずっとヒチョル一筋なんだから」

ハンギョンはそう言うと優しくヒチョルの髪をなでる

ヒチョルが恥ずかしさを隠すための発言だと分かっているので

ますます愛おしさで胸があふれそうになる



不思議だな

僕たちって運命の糸で結ばれているんだ

だから何度出会っても僕はヒチョルを愛するんだ

多分生まれ変わっても・・・それは変わらない・・・


あの子供の頃

本気で守ろうと思っていた綺麗なチョルお姉さん

そのお姉さんは事故で過去に飛ばされたヒチョル本人だった


「ヒチョル・・今度母さんの墓参りに一緒に行ってくれる?」

「うん・・・俺・・お前のお母さんに世話になったからな」


2人は観覧車が下に着くまで

お互いに抱き合ったまま涙を流していた



ハンギョンが6年前にやり残したことは

観覧車での恋人同士のキス


でも今回は

一生忘れられない観覧車でのプロポーズがそこに加わった









シナワールドへようこそ から6年後の話となります

時のはざまの中で という本編から少し経った後の話です

ヒチョルがアクシデントで過去に飛ばされて・・・無事に現代に帰還できて・・の年代となります

時のはざまをまだ読まれてない方は、そちらをお読みになってからこちらをご覧ください


【思い出のシナ・ワールド】前編


ヒチョルとハンギョンがスペースアカデミーの研究員となって2年が過ぎた

アカデミー大学校時代も勉強に追われていたが

どちらかと言えばお気楽な学生時代と違い、

コツコツと研究をする日々が続いている

地味で報われないかもしれない研究に追われていても

2人はお互いの存在があればそれだけで幸せな日々が送れていた



「おーい!!!ヒチョル~ハンギョン~」

ヒチョルとハンギョンが研究室の入っている棟のカフェテリアで休憩していると

カンインとイトゥクが仲良く2人の元にやってきた


カンインは最初はヒチョル達と同じ時間軸の研究室に配属されていたが

もともと宇宙飛行士に憧れていたという事もあり

イトゥクの所属する宇宙班の研究室に昨年移って行った

理由はそれだけではないとヒチョルは感じていたが

異動してからのカンインはちゃくちゃくと実績を積み上げていた

絶対にイトゥクが原動力になっている・・・・とヒチョルは思っていた


「久しぶりだね~階が違うとなかなか会えないね」

ハンギョンがにこにこしながら2人を迎える


「あのね・・こんな写真が出て来たんだ~」

イトゥクは可愛いえくぼを見せながら優しく微笑み

手元のカバンから写真を1枚とりだした

「うわっ・・・こいつら誰だ~ ってカンインほっそ~い」

ヒチョルが写真を手にして、最近すこし貫録の出て来たカンインにむかって言った

「うるせぇ~」カンインもヒチョルを叩く真似をする

2人がハンギョンの周りをぐるぐると回りながらふざけていると

「これって・・・随分前にシナワールドに行った時のだね」

ハンギョンは静かにイトゥクに囁いた

「俺~このくまさんまだ持ってるよ~一緒に寝てる~」

ヒチョルは、写真の中の自分が手にしている

くまのぬいぐるみを指さして楽しそうに言った


「一緒に寝てる・・・って ハンギョンとお前とくまと3人で寝てんのか」

カンインがからかうとヒチョルは頬を染めながら

「おめーには関係ないだろ~」と唇を尖らせた

騒ぎがひと段落して静かになったところで

イトゥクが手に入れて来た情報を披露する


「シナ・ワールドが老朽化で改装中だったんだよね・・・

それでその改装が終わってリニューアルオープンするんだって

今回はなんと劇場まで作ってさ・・芝居やらライブやらも上映するらしいよ」


「昔行ったっきり・・・行ってないね」

ヒチョルが懐かしそうに呟く


水着を持ってなかったのに

そのままプールでスライダーで遊んだっけ・・・若気の至りだな・・

元アイドルのシナメンバーにすごく世話になったっけ・・・


ハンギョンも当時を懐かしく思い出していた

「そういえば・・・遊園地って・・この後一度も行かなかったね」

「お前達・・遊園地行かなかったのかよ」

「カンインは行ったの?」

「イトゥクは絶叫系がダメだから・・俺達も行ってないけど

ヒチョルは大好きだろう? なんでだ?」


なんでって言われても・・・ヒチョルは子供の頃に遊園地に行った事がなかったので

遊園地慣れしてなくて・・・なんとなく行きそびれていた・・・

それが理由かな・・・ヒチョルはぼんやりとそんなことを考えていた


「ヒチョル・・・今度の休みにリニューアルしたシナ・ワールドに行こうか?」

ハンギョンが聞いてきた

「え?」

ヒチョルが驚いてハンギョンの顔を見ると

ハンギョンはヒチョルにウィンクして言った

「この間・・・忘れていた事があったんだ・・だから行こう」


「うん・・俺・・行きたい」

ヒチョルが満面の笑みでハンギョンに抱きつくと

「ここは公共の場所なんで謹んでくれよ」とカンイン・・・

イトゥクは苦笑しながら2人を見つめていた



そうだよ・・・ヒチョル・・ずっと気になってたんだ

僕は遊園地でやり忘れていた事があったんだ・・・


ハンギョンは自分に抱きつくヒチョルの髪に顔を埋めると

今度は絶対に忘れない・・・と心に強く決心をするのだった
【シナ・ワールドへようこそ】Last   時のはざま青春編 おバカver.


「本当にありがとうございました」

ハンギョンとヒチョルはヘソンに礼を述べると

仲良く手をつないで中央広場の方に去って行った


「若いっていいな・・・怖いもの何もなかったもんな」

ヘソンは去って行く2人に手を振りながら羨ましそうに呟いた

「そうか? 今でも十分若いつもりなんだけど・・・」

ヘソンの耳元で声がしたかと思うと後ろから抱きしめられる

「ただいま・・・やっと帰れたよ・・ピル・・」

耳元で聞こえる懐かしい優しい声にヘソンは少し拗ねたように

「寄り道ばっかりして・・・遅いんだよ・・いっつも・・・」と答えた


そうだよ・・・エリック・・お前はいっつも寄り道ばかりで・・・

でも最後は僕の所に帰って来てくれる・・・待ってれば必ず・・・・


ヘソンはこみ上げるものをぐっと堪えると

「おかえりなさい」と微笑んで

愛しい人の腕の中で優しい温もりを味わっていた







「ヒチョル~」

声のする方をふりむくとイトゥクとカンインが手を振っている

「あれ? お前ら焼けたんじゃねぇ?」

ヒチョルがイトゥクのTシャツの袖口をめくると

そこにははっきりと日焼けの跡がみてとれた

「うわっ!!!!カンイン~どうしよう!!!!シャツの跡がついたよ~」

「お前ら・・何してたんだよ」

「何って・・・プールの横で話してた」

ヒチョルは呆れたようにカンインの方をむくと

カンインは上半身裸だったようで小麦色に焼けている

「イトゥクは変な焼け方しちゃったんだね~」

ハンギョンが気の毒そうに言うと

「そういえばお前らずぶ濡れだったのに・・・どうやって乾かしたんだ?」

カンインが不思議そうに、ハンギョンの服を触って聞いてきた

「ここの管理人さん? シナだっけ? その人から乾燥機かりて乾かした」

ヒチョルが楽しそうに言うと

「え????誰だった?」とカンインが身を乗り出して聞いてくる


「ヘソンとかいう・・・綺麗なお兄さん」

「うわ~俺の母さんが大好きだった人だよ~俺も会いたかったな~」

カンインがすごく残念そうに言ったので

ヒチョルは可笑しくなってゲラゲラと笑った

つられて残りの2人も笑う

なんで笑われたのか分からないけどカンインまでつられて笑いだした

さんざん笑った後で

「そろそろ帰ろうか・・・」

カンインのひと言で4人は高速宇宙バスに乗って帰路に着いた



バスの中でヒチョルは

ジェットコースター乗り場で貰った

クマのぬいぐるみを抱きしめながら

「俺が・・・おじさんになっても・・・」と

ぽつりと呟いた


「ん? ヒチョル何?」

ハンギョンはヒチョルの声が良く聞き取れずに

ヒチョルの方へ体を近付けて聞き直す


「俺が・・・年取っておじさんになっても・・・

お前は俺の事好きでいてくれる?」

瞳は伏せたまま小さい声で

恥ずかしそうに聞くヒチョル・・・・


ハンギョンはヒチョルが愛おしくてたまらなくなり

「大丈夫だよ・・・ずっと一緒だから・・・」とヒチョルの頬に優しくキスをした


シナの人達・・みんな優しかったな・・・

人に夢を与える職業だからかな・・・俺もあんな大人になりたいな

ヒチョルはそう思うとハンギョンの腕をぎゅっと握って肩に頭を乗せた



シナワールドにカップルで行くと必ず恋は成就する

そんなうわさが広まるのはもう少し後の事


シナワールドはいつでも誰にでも夢を与えてくれる遊園地として

いつまでも子供たちの人気を得るのだった


【シナ・ワールドへようこそ】~7~   時のはざま青春編 おバカver.


「君たち・・早く入りなさい」

管理人室のドアが開いて、昔は綺麗だったんだろうな・・と感じさせる

元アイドルの男性がヒチョル達に声をかけてきた


「ヘソン~後は頼んだからな~」

そう言い残すとジョンジンはセグウェイに乗って

遊園地ゾーンに戻って行った


「ああ・・・エリックからも連絡貰っていたし

今日は用がないからこの子達の面倒見るから・・・・」


ヘソンと呼ばれたまだ美青年の面影を残した男性は

ヒチョル達にバスタオルと渡すと風呂場へ案内する

「乾燥に20分かかるから・・・それまではこのタオル巻いててね」

「はい」

「全部脱いでこのカゴに入れてね~乾燥機まわすよ~」

ヒチョルが無造作に着ている服を脱いで上半身裸になった


どきん

ヘソンはヒチョルの裸を見て思わず目をそらした


「うわっヒチョル!!!!」


ハンギョンがあわてて

自分で持っていたバスタオルでヒチョルの裸を隠す



(この子・・・男の子だったんだ・・・

可愛い顔と綺麗な肌で女の子みたいだけど)


ヘソンはヒチョルの肌の綺麗さに昔の自分を思い出して

少し羨ましく思った

そして横で焦っているハンギョンを見て思わず微笑んだ


この子達は恋人同士かな・・・僕にもこんな時代があったなぁ・・・


「今お茶だすから・・・2人ともそこのソファに座って待っててね」

ヘソンはそう言って部屋の隅にあるキッチンにむかって数歩進むと

突然振り返った

「おい・・・そこの少年!!!!」とハンギョンを指さす

「え? ぼ・・・僕ですか?」

「君の恋人の露わな姿をみてモンモンとするなよっ!!!!」

「へっ?」

「ここは遊園地の管理人室だぞっ!!!!不埒な事考えんじゃねぇぞっ!!!!」


ハンギョンはヒチョルのバスタオルに包まれた姿を見て

実際に不埒な事を考えていたので、

ヘソンからの苦言に驚いて何も言えなかった


「ハンギョン・・・バカ・・・」

ヒチョルがハンギョンの腕を引っ張って恥ずかしそうに言う


「服が乾くまでお茶でも飲んでてね・・・

あっ僕たちの昔のDVDでも良かったら見ててね~」


ヘソンはそう言って

自分達が星間アイドルをやっていた時のDVDを取り出し

笑顔で再生機にかけた


さすがに星間アイドルとして一世を風靡していただけあって

ライブ映像は迫力のあるものだった

最初は乗り気ではなかったハンギョンとヒチョルも

いつの間にか彼らのステージに魅了されていた


(よし・・これで2名シナペン追加~♪僕のソロアルバムに繋げないとなぁ)

アイドルを引退した今でも

地道な布教活動は続けているヘソンだった


【シナ・ワールドへようこそ】~6~   時のはざま青春編 おバカver.


「うわぁ・・・びしょびしょだね・・・」

ヒチョルがプールからあがると自分の服を絞りながら言った

「どうしようか・・・着替えないしな・・どこかで売ってるかな?」

ハンギョンもずぶぬれの姿のまま売店をさがしてキョロキョロする


「ねぇ・・・君たち・・着替えもってるの?」

突然声をかけられて、ヒチョルは驚いて顔をあげる

すると昔はイケメンだったろうな・・

という面影を残している男性が変わった乗り物に乗って目の前にいた


「水着を忘れて・・・そうしたらあの麦わらの監視員さんに

オキナワstyle~って服のままプールに入れられちゃったんです」

ハンギョンがずぶ濡れの頭をガシガシと手を使って水分を飛ばしながら言った


セグウェイに乗ったジョンジンは苦笑しながら

「ごめんな・・あいつたまに変な事するからさ・・・

今から管理人室に案内するよ・・乾燥機あるから使って行きなさい」と優しく微笑んだ


「それ・・・なんですか?」

ヒチョルは大きな瞳で、ジョンジンの乗った乗り物を不思議そうに見つめていた



うわぁ~なんて瞳の大きな子なんだ・・・すっげ~可愛いし・・・

ヘソンの全盛期よりもすっげ~可愛いじゃん・・・


「たしか・・・セグウェイ・・って言ったような・・・」ハンギョンが思い出しながら呟く


ヒチョルの可愛らしさに見とれていたジョンジンが、ハンギョンの声に我にかえると

「昔の乗りものだよ・・シナワールドは広いからね・・・・意外とこれが移動に便利なんだよ」

「へぇ~」

「管理人室まで乗ってみる?」

「免許なくても乗れるんですか?」

ヒチョルがきらきらした瞳でジョンジンを見つめた



うわぁ・・・このまま小さくしてポケットに入れて持ち帰りたい・・・


ジョンジンが不埒な事を考えている隙に

「公共の道路では乗れないから、多分免許なしでも大丈夫だよ」とハンギョンが説明する

ヒチョルは物知りなハンギョンを頼もしそうに見つめながら話を聞いていた


くそっ・・・この男・・・この子の彼氏か?


小さく舌打ちするとジョンジンはセグウェイから降りてヒチョルを乗せ

簡単な操作を説明した


「うわっ~面白い~♪ ハンギョン~面白いよ~」

可愛い笑顔で楽しそうにセグウェイを動かすヒチョル

その横をハンギョンとジョンジンは走ってセグウェイを追いかける


管理人室まで到着するとヒチョルはジョンジンにキチンとお礼を述べた


この子・・・礼儀もちゃんとわきまえてて・・いい子だなぁ~


ジョンジンは久しぶりに走ったので、息も絶え絶えだったが

ヒチョルの笑顔に、酸素を求めてヒーヒー言っている体に鞭打って

何事もなかったかのように大人として振舞っていた


「ちょっと待っててな・・・」

ジョンジンはデレデレした顔のまま管理人室に入って行って

中にいるヘソンに声をかけた


ヒチョルはよほどセグウェイが気に入ったのか

いつまでも名残惜しそうにいじっている・・・・

その様子がすごく可愛らしくてハンギョンはクスクスと笑った

「何がおかしいんだよ」

ヒチョルがムッとしてハンギョンを睨む

その睨んだ顔がとても可愛らしくてハンギョンはヒチョルを抱きしめた

「そんなに気に入ったの? たしか・・

大学校の体育館にあったような気がする・・・

今度体育の教授に聞いてみようね・・・・」


ハンギョンの言葉にヒチョルは嬉しくてハンギョンにギュッと抱きついた

びちゃびちゃの服に抱きつかれて水分がボタボタと落ちていく

「早く乾かさないと・・・風邪ひいちゃうね」

ハンギョンはヒチョルが風邪をひかないか心配になってきて

服のままプールに入った事を 少し後悔し始めていた


2013.05.03 シナについて
シナワールドへようこそ

その話のモデルになっているグループは韓国のSHINHWA です

シナを知らない人のために少し解説します

()の中は私の話の中での役割です

えりっく
エリック  (この話の中ではプールサイドでファンと記念写真撮影中の人)

どんわん
ドンワン  (麦わら帽子が異様に似合うおなら体操を歌っていた人)

へそん
ヘソン  (麗しのメインボーカル 高速乾燥器を所有)

みぬ
ミヌ  (話の中では鬼地獄コースターの係員でヒチョルにプレゼントをあげた人)

じょんじん
ジョンジン (話の中ではセグウェイに乗ってヒチョル達を管理人室に連れて行く人)

あんでぃ
アンディ (ティーントップのプロデューサー ライブに行ってます)

しんわ

私の中ではこのSHINHWAは雰囲気がTOKIOくさいんですよ~
TOKIOをデビュー前から応援していて、最近神話放送を見て彼らにハマりました♪

「シナワールドへようこそ」の妄想の手助けになるかと彼らのサジンを貼りました

話はまだ続きますのでヨロシクお願いします!!!!




【シナ・ワールドへようこそ】~5~   時のはざま青春編 おバカver.


「うわぁ~あの子達・・・ずぶぬれじゃん・・・・

またドンワンの奴が服のままプールに入れたんだな・・・・」


プールの横でファンに囲まれて写真をとっていたエリックが

洋服のままプールから上がってきたヒチョル達をみて呟く


「エリックさん~ケセラセラの頃からファンだったんです~」

ドラマ出演の多いエリックはシナのメンバーの中で一番顔が売れている

二ヶ月ぶりにシナワールドに戻ってきて遊園地の中を散策していると

すぐにファンの人垣が出来てしまうのはいつもの事だった


エリックがファンに囲まれている横を

ジョンジンがセグウェイに乗って通りかかる

「おーい!!!!!!ジョンジン~!!!!!」

周囲のファンもジョンジンに気付いて小さい歓声をあげた


「よおっ!!!!!お帰り~相変わらずの人気もんだなぁ~」

セグウェイを停めてファンに笑顔を向けながらジョンジンが答える


「あの子達みろよ・・・あのずぶ濡れぐあいじゃ帰り大変だぞ」

エリックが指さす方を見るとジョンジンは

「うわっ超かわいい!!!!!あの子好みのタイプだ~」と

大喜びでヒチョルの方を見つめた


「管理室にヘソンの私物で高速乾燥機があったよな・・・

ヘソンに連絡しておくから連れて行ってやってくれないか?」

「OK~!!!!」

エリックの周囲に群がるファンに挨拶をしながらジョンジンは

ヒチョル達の方にセグウェイを走らせた


「ちょっとごめんね・・電話したら写真の続きとるから・・・」

写真の順番待ちをしているファンに謝ると

エリックは少し離れた場所で電話をかける


「あっヘソンか・・・うん・・もどって今プールのとこにいるんだ」

「ドンワンの奴がまた服のままプール入れて・・子供じゃなくてさ・・・

少年少女の2人組で・・着替えもなさそうなんだよ・・・」

「うん・・・お前の乾燥機かしてやってくれないか?」

「ジョンジンが連れていったから・・・ああ・・可愛い子だったよ」

「でも・・・お前の昔の方が何倍も美しかったから・・焼きもち焼くな」



電話を切ると

「お待たせしました」と

ファンの作る列にエリックは戻って

笑顔で写真撮影を再開するのだった


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