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【Eternal~丘の上の洋館】5


「まったくいつになったらこの季節は終わるのかしらね・・・

洗濯ものが乾きやしないわ・・・」


リョウクは母親が空を眺めながら文句を言っているのを聞いて

くすっと笑った

(ヒチョルさんもこの湿り気の多い天気は苦手だって言ってたな・・)


「あら・・・リョウク・・この天気なのに出かけるの?」

「うん・・・友達の家に行ってくるね~」

リョウクは傘をさすと玄関を元気に飛び出して行った


この2週間は定期テストがあって

リョウクはヒチョルの元に遊びに行けなかった

音楽学校だから実技テストなどもあるので勉強も忙しく

その事は事前にヒチョルに伝えてあったけど

リョウクはお詫びも兼ねてシフォンケーキを作って持参していた


「ヒチョルさん・・・学校で面白い話あったから聞いてくれるかな」

リョウクはドキドキしながら玄関のチャイムを押す


あれ?

いつまでたっても返事はない

玄関の鍵はかかったままだ・・・

部屋の明かりは付いている・・・

「変だな・・・・」


妙な胸騒ぎを覚えたリョウクは庭の方をまわってキッチンの方に行った

キッチンに隣接したリビングの庭に面した窓の鍵は開いていたので

リョウクはそっと開けて中を覗いた・・・


「ヒチョルさん!!!!!!!」

ソファの足元にヒチョルが倒れているのが見えた


リョウクは急いで中に飛び込んでヒチョルを抱き起こす

「ヒチョルさん!!!!!大丈夫ですか?」ヒチョルの肩をゆすって叫んだ

「あ・・・リョウク・・・」


ヒチョルの意識がある事がわかりリョウクはホッとする

ヒチョルはひどくやつれていて涙の後が頬に残っていた

「ハンギョンが・・・戻ってこないんだ・・1週間って言ったのに

もう・・・2週間なのに・・戻ってこないんだ・・・俺・・・」

ヒチョルは力なく小さな声で呟いた


ハンギョンさんが・・? 何かあったの?


リョウクはヒチョルを抱えるとソファに座らせた

キッチンを探して暖かいお茶を入れ、ヒチョルに飲ませる

ヒチョルの顔は土気色になって座っているのがやっとだった

精神的な動揺がかなり伝わってくる・・・

「何かあって遅れているだけですよ・・大丈夫です

ハンギョンさんはヒチョルさんを1人ぼっちにしません!!!!!」


「俺・・・その時が来たと思って・・・用意したんだ・・・」

見るとテーブルの上に懐中時計と護身用の小さな拳銃が置いてあった


「時計についてるのはハンギョンの髪の毛を編んで作った紐なんだ・・・

ハンギョンに何かあった時は・・・この髪の毛も灰になる・・・・・

そうしたら・・・・俺は・・・これを使って自分を打つ・・・」


リョウクはこの拳銃が自害用のものだと理解し、ヒチョルの届かない場所に移した

ヒチョルの言っている意味がよく分からないけど

なんとか落ち着かせようとリョウクはヒチョルに向かって力強く言った

「ハンギョンさんの髪の毛が灰になってないなら・・何も起きてないって事です

ハンギョンさんを愛しているなら、信じて待ちましょう」

「あ・・・」

ヒチョルは涙の溢れる瞳でリョウクを見つめ、懐中時計を手にして

「そうだね・・・リョウク・・ありがとう・・・・」

よわよわしく微笑むと、息をひとつはいた・・



ガタン!!!!!!


2階の窓がすごい音を立てた

リョウクはビックリしてヒチョルを抱きしめた


階段をミシミシと音を立てて何かが降りてくる


音のする方を見ると



そこには頭から血を流して立っているハンギョンの姿があった

「ハンギョン!!!!!」

ヒチョルが悲鳴に似た叫び声をあげてハンギョンの元に駆け寄る

ソファにあったタオルを傷口にあてがいながら

「大丈夫だ・・・ちょっとまずったけど大事ない・・・すぐに血は止まるから」

ハンギョンはそう言うとヒチョルの顔をみて

「それより・・ヒチョル!!!!なんだ・・お前・・その顔色!!!!!」驚いて叫ぶ

ハンギョンは自分の事などお構いなしに、ヒチョルを抱きしめると

リョウクがそこにいる事など忘れたように叫ぶ

「早く!!!!!俺の血を飲め!!!!!!」


リョウクは自分の目の前で何が起きているのか理解できないでいた・・・・・




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