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【Eternal~番外編】 時計 後編


「あら~空模様があやしくなってきたわ・・・ひと雨降るのかしら」

看護師のイ・ウンスクは忙しそうにパタパタと廊下を走り回っていた


ふと見ると117号室のドアが開けっぱなしになっている

何気なしに中を覗くとヨンスが眠っていた

「ヨンスさーん? あらまあ・・良く眠っている事・・・

さっき面会に来てたから疲れちゃったかしら・・・」

ウンスクはうっすらと微笑んでいるように眠っているヨンスをみて

「とてもいいお顔している・・・楽しい夢でも見ているんでしょうね」

ヨンスの右手がずるっとベットの下にさがった・・・

え?

ウンスクは何か予感めいたものを感じて

あわてて部屋に入ってヨンスの脈を測る・・・・

「あっ・・・」

とても穏やかな顔から予想できなかったがヨンスの脈は止まっていた

「誰か・・・誰か・・・」

ウンスクはスタッフルームに報告するために走って行った







数時間前・・・・


ヨンスはヒチョルの手を取ってしっかりとした口調で言った

「私は少し長く生きすぎた・・・ヒチョル・・お願いがある」

「父さん・・・」

「テヨンが亡くなった時、私も一緒に死にたかった

しかし彼女が命と引き換えに残したヒチョルを置いてはいけないと思い

ずっと育ててきた・・・お前は生まれつき心臓に欠陥があり

その事を知った時も・・・男手ひとつだから不備だらけの子育てだったけど」

「あの日・・もう助からないと言われる程の発作を起こして

私は覚悟を決めていた・・・でも不思議な事に朝にはヒチョルの姿がなくなっていた」

「周囲は死んだと言っていたが・・私は信じなかった・・遺体を見るまでは・・・

そして・・・今日まで生き残ってしまった」

ヨンスは淡々と語り続ける

「でも今日・・・愛するヒチョルに会えた・・そしてヒチョルを託せる先生もいる

私の役目はおわった・・・だから・・・お願いだ・・・」

ヨンスはヒチョルの瞳をしっかりと見つめてはっきりと言った

「私をテヨンの元に送り届けて欲しい・・・私の命を終わらせてほしい」

「とうさん・・・」

ヨンスは目を閉じて囁くように言った

「さあ・・・テヨンが私を待っているんだ・・・頼む・・」


ヒチョルが涙を流しながらハンギョンの方をむくと

ハンギョンは厳しい顔をしてうなずいた

ヒチョルは瞳を固く閉じると覚悟を決めたように

ヨンスの耳元に囁いた

「父さん・・・長い間ありがとうございます

俺は・・・父さんと母さまの子供に生まれてきて良かった・・・

母さまの待つ天国で幸せに暮らして下さい・・・

俺も・・・ハンギョンと共に幸せに暮らしていきます」

ヨンスが頷くと

「父さん・・・愛しています・・・ずっとずっと・・・

会った事のない母さまに俺の事たくさん話してください」

「ヒチョル・・・私も愛しているよ・・・元気でな・・

ハンギョン先生・・この子をよろしくお願いします」

「ヨンスさん・・・テヨンさんに会ったら

ヒチョルをこの世に産んでくださってありがとうございます・・と

お伝えください・・・」

ハンギョンの言葉にヨンスは微笑んだ・・・・


ヒチョルはつないでいる手に意識を集中した・・・

ヒチョルの右手からするりと生気が入ってくる・・・

ヨンスの最後の生気がヒチョルの体に入ってきた


「父さん・・・逝っちゃった・・・」

ヒチョルの大きな瞳から涙からポロポロと落ちてくる

ハンギョンはヒチョルを抱きしめると

眠っているように見えるヨンスの遺体にむかって

深々と礼をして病室から出ていった・・・・
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