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【月と子猫とハンギョン~番外編 5】 ドライブ中編


釜山まであと少しという所で

助手席のチョルの様子がおかしくなった

うずくまって小刻みに震えている

運転していて気付くのが遅れてハンギョンは驚いて車をとめた

「チョル・・・どうしたんだ・・」

チョルはハンギョンを見上げて大きな瞳で訴える

みゃあ・・・


あっ・・・

ハンギョンはチョルがトイレを我慢しているのに気付いた

部屋ではいつも便器の上でちゃんと用を足すチョルだから

籠の中に一応トイレシートは敷いていたけど・・・やはりそこでは出来ないか・・


「チョル・・・ごめんな気付かなくて・・・」

ハンギョンはチョルを抱きかかえると道端に離した

「見てないから・・しておいで・・・」

チョルは恥ずかしそうに草むらの中に入って行った


みゃあ~

すっきりした顔でチョルが戻ってきた

近くの水道で足を洗ってあげて抱きかかえる


みやぁ~

チョルが鳴くので頭を上げるとソフトクリームの店が目に入った

「お前・・・食べたいのか?」

ハンギョンがチョルを見つめるとチョルは一生懸命に瞳で訴えていた

(食べたいよ~一口でいいから~)

ああ・・・チョル・・そんな瞳で俺を見ないで・・可愛すぎるよ・・・


ハンギョンは子猫のチョルを抱えてソフトクリーム屋に向かって行った




「今日はヒマね~」ソフトクリーム売り場のシニョンが呟いた

「こんな田舎に突然イケメンなんて現れないわよね」同じアルバイトのヒョリンが呟く

「あっちの海産物売り場よりも若い人が来そうなのに・・客はガキばっかり」

「あたしたちの休みはこうやって潰れていくのね・・・都会に行かなきゃ出会いはないかな~」

2人がふと外を見ると

ちょっと地味だけど良く見るとイケメンの男性が1人こっちに向かって歩いてくる

「ちょっとちょっと・・・イケメンみっけた~」ヒョリンが囁く

「まじ・・イケメン・・・ソフトクリーム買いに来たのかな」シニョンはそう言うと

鏡で自分の顔をチェックする


「いらっしゃいませ~」アルバイトの2人は精一杯の笑顔でハンギョンを迎えた

「ソフトクリームをひとつ下さい」

「お味は何になさいますか?バニラにチョコにミックス・・当店自慢のゆず味もありますけど」

ハンギョンはメニュー表をみて悩んでいた

そして急に「バニラとチョコとミックスとゆずとあるんだって・・どれがいいの?」と言った

シニョンとヒョリンは突然何を言い出すんだろうと驚いたが

良く見るとこの男性は胸に抱えていた子猫に向かって話しかけていた

子猫は血統書がついていそうなくらい綺麗な猫で

瞳が大きくとても可愛らしかった・・・・

にゃあ・・にゃあ・・

子猫が男性に話しかけているとしか思えない鳴き方で返事をする

「バニラでいいの? あとでミックスが食べたかったなんて言わないでね」

まるで猫の言葉が分かるかのように男性は答えている


うそ・・・

子猫と男性の様子をみていた2人は・・・ちょっと後ずさりする


にゃあ・・・

子猫は一声鳴くとミックスの写真を前足で叩いた

「でしょ・・・最初からミックスって言えばいいのに」と男性はくすっと笑った


その笑った顔はとてもイケメンだった・・・・が・・・

子猫と普通に話ている姿に・・・ヒョリン達はドン引き状態・・・


「ありがとうございました・・・」

ハンギョンが店から出ていくと


「あんな・・・イケメンなのに・・・いっちゃってたね・・・」

「子猫可愛かったけど・・・恋人みたいに扱ってたね・・・」

「あのひと・・大丈夫かな・・・」

「イケメンなのにもったいないな・・・・・」

2人は大きなため息をつくとカウンターの後ろの席にどっかりと座った



外のベンチに座ってハンギョンはソフトクリームを舐める

テーブルの上にちょこんと座ったチョルはソフトをよこせと鳴く

「今あげるから・・待って・・」

待たされてあせったチョルは

ソフトクリームに顔をぶつけてしまった

ふんにぁ~!!!!!

あわててハンギョンはハンカチでチョルの顔を拭いてあげる

チョルが小さな舌でソフトクリームをペロペロなめる

そんな姿をデレデレしながらハンギョンは見つめていた

子猫の姿をしているのに

ハンギョンの頭の中の恋愛フィルターが

人間の姿のチョルにちゃんと変換してくれている

(ハン♪美味しい♪ ありがとう~♪)

日没まであと少し・・・

チョルが人間の姿になるまで・・・あと少し・・・

ソフトクリームを美味しそうに舐めているチョルを見て

我慢できなくなったハンギョンは

ソフトクリームを取り上げると

クリームだらけのその口に優しくキスをした

一瞬何が起きたのか分からなかったチョルは

目を大きく見開いてポカンとしている

そして急に恥ずかしそうに顔を伏せた

「チョル・・・早く人間の姿になって・・」ハンギョンは耳元でささやく




そんなハンギョン達を見つめている小さな影がふたつあった・・・

「おかーさん」「しゃん」

「あのおじちゃん猫と話してるよ」「はなちしてるよ」

「あのおじちゃん・・とくしゅのうりょくあるのかしら」

「ヒョク・・とくちゅののうりょくって何?」

「ドンはバカだから知らなくていいのっ」

「ドンばかじゃないもん・・・・」

「おかーしゃん・・・ヒョクが・・・ドンをばかって言った~」

幼稚園くらいの双子の子供がハンギョン達から離れていく

「ああいう人は何するか分からないから・・・近付いちゃだめよ」

母親に言われて双子は元気に返事をする

「はーい」「はーい」

「あのおじちゃん・・猫と話できていいね・・僕も話したい」

「ドン・・あのおじちゃん猫とチューしてたよ」

「へんたい?」

「猫とチューはへんたいだね」




幼稚園児に変態と言われようが

ハンギョンはチョルと幸せな時間を過ごしていた


もうすぐ日が暮れようとしていた・・・釜山にもあと少しで到着する・・・
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