上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
【Eternal Ⅱ~海辺のまち】10


とても穏やかな朝だった

ドンヘはヒチョル達を見送るために

足早に海岸沿いの家に向かっていた



家の前には町の人々が数人見送りで集まっていた

「あっドンヘだっ」

ヒチョルが気が付いて手をふる

ドンヘもヒチョルに笑顔で手を振った


ヒチョルが強姦に襲われそうになった事件があり

ドンヘが大活躍をしてヒチョルを助けた・・・という事になっている


ドンヘは大活躍をした記憶がそれ程ないが

ヒチョルもその話を聞いたハンギョンも

ドンヘに感謝の言葉を言ってくれていた・・・

ヒチョルの横にいるハンギョンに軽く会釈をすると

ハンギョンは笑顔で会釈を返してくれる


するとヒチョルがドンヘの方に走ってきて耳元に

「ドンヘ・・・お願いがあんだけど・・・」と囁いた


ドンヘがキョトンとした顔でヒチョルを見つめていると


「俺さ・・・おばさん達に女と思われてて

めんどくさいからそのままにしてんだ・・・・

だから・・・俺を男だって知ってるのドンヘしかいないから

そのまま女にしておいて・・・」

それだけ言うと、可愛らしく舌をペロっと出してハンギョンの元に走って行く

今日のヒチョルはパステルカラーのピンクのカーディガンに

ふんわりとした生なり色のロングスカートを着ている

どこから見ても可愛い女の子にしか見えない・・・・・

ヒチョルに言われて、

男と知っていたのにその事すら忘れていた自分に

ドンヘは苦笑いをした



「おうっドンヘ!!!お前も見送りにきたのか?」

振り向くとドンヨルがニコニコしながら立っていた

手には箱を持っている


「イカのおじさん~♪」

ヒチョルが手を振ると

「ヒチョルちゃん・・・このイカ持ってってくれ!!!!」

手にした箱をヒチョルに無理やりに持たせる

「おじさんありがとう♪

友達がね、すごく美味しかったって言ってたよ」

「旨いに決まってるだろう!!!俺が作ったんだからさ」

ドンヨルは少し自慢げに笑った

その姿を見て周囲の人々もつられて笑う



そういえば・・・数日前にヒチョルの元を訪ねてきた男性がいた

ヒチョルに抱きついて泣いていた・・・

どう見ても40近いのに・・・どんな関係なんだろう・・・・

ヒチョルもハンギョンも

説明できない不思議な雰囲気を持っているな・・・

と町の人々に囲まれているヒチョル達を見つめて

ドンヘはぼんやり思っていた



「お世話になりました」ハンギョンが挨拶すると車に乗り込む


「あんた達がいなくなっちゃうと寂しいよ」


「おばちゃん・・・ポシェットやワンピース直してくれてありがとう

大事に使うからね・・・ポシェットみるたびに・・この町を思い出すから」


歳のせいか涙もろくなったおばさん達は

ヒチョルをやさしく抱きしめながら涙をながす

先日ハンギョンからお土産として貰った綺麗なハンカチを手にして

「あんたの旦那さんから貰ったお土産・・・さっそく使ってるよ」

そういいながら涙を拭いて笑った


「また遊びにおいでね」

「いつでもイカ食わせてやっからな」

「ドンヨルはイカばっかりだねぇ・・・」


人々の笑顔に見送られてヒチョルは車に乗り込んだ

「ドンヘ・・・いろいろありがとう・・・

助けてもらった事忘れないからね」


「うん・・・ヒチョル達のおかげで・・・

俺も新しい一歩を踏み出す勇気が出たよ」


「ダンサーの友達にヨロシクね」

ヒチョルの意味深な笑顔にドンヘは頬を染める


ドンヘはやっと母親に「都会でダンスの勉強がしたい」と

「しばらく町を離れたい」と言う事ができた

反対されると思っていたら

母親はドンヘの気持ちをとっくに気付いていて

「若いうちにやりたい事に挑戦してきなさい」と

笑顔で承諾してくれたのだった




「さよなら~」

「元気でね~」

「遊びに来てね~」


車が出発すると助手席からヒチョルが身を乗り出して

みんなにいつまでも手を振っている

みんなも車が見えなくなるまで

いつまでも手を振り続けていた・・・・



「不思議な子だったね・・・」

「綺麗だけど全然お高くとまってないしね」

「旦那さんもハンサムで美男美女だったわね」

「あたし・・・あのお茶もらったわ」

「あのお茶もいい香りして美味しかったわね」



ドンヘはいつまでも話し続けているおばさん達に挨拶すると

久しぶりに漁師小屋に向かった


漁師小屋に座ると

この濃厚な1カ月間の事を思い出していた


そしてこれから始まる新しい生活の事を考えると

自然に笑みがこぼれてくる


空は穏やかに晴れていて

海も静かな波音をたてている・・・・


ドンヘは立ちあがると尻についた砂を払いながら

ウニョクの好きだった曲を口ずさみながら家に戻って行った
スポンサーサイト
Secret

TrackBackURL
→http://soubun485.blog119.fc2.com/tb.php/274-801686db

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。