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2013.02.24 想定外 17
【想定外】17


「ヒチョル兄さん・・大体終わりましたね」

城東警察署の2階の休息室で

足を投げ出してグッタリしているヒチョルにホンギが声をかけた

「ああ・・・2日も缶詰状態だったな・・」

ホンギから水のペットボトルを渡され、ヒチョルはひとくち飲む・・・



若獅子会の事務所が対抗勢力の組織に襲われた

ヒチョルとホンギが現場にいたので、犯人は現行犯で捕まり

さっきまで取り調べなど行っていて

おかげでヒチョル達は2日間も家に帰る事ができなかったのだ



「兄さんを庇ったハンギョンさんの術後の容態は、良好だそうです」

「ふん・・・」

ヒチョルは関心のないふりをしてスマホをいじっている

(本当にこの人って素直じゃないな・・・

心配で心配で眠れなかったくせに・・・・)

長年付き合いのあるホンギは、ヒチョルのそんな様子に微笑みながら

「調書もまとまったので、とりあえず家に帰っていいそうです」と

自分も水をひとくちのんで、イトゥクからの伝言を伝えた








「ハンギョン・・具合はどうだ?」

「毎日ヒマで死にそうだ」

ハンギョンの病室にカンインが見舞いにきていた

背中の刺し傷もすっかり良くなり

後は退院を待つだけとなっている


「今日は警察署に事情聴取で呼ばれたよ

ウチは完全な被害者だからな・・・・・

事務所はぐちゃぐちゃになってるから後片付けが大変だ」

「・・・・・・・」

「オヤジさんが心配してたぞ・・大したことないって伝えておいた

お前の家の方にも大事ないと伝わるだろう」

「ああ・・・助かるよ」

「この件で現場にいあわせたヒチョル刑事は

取り調べ等で警察署に缶詰状態らしい」

ヒチョルと聞いてハンギョンの瞳が一瞬ゆらいだ




トントン

ノックの音がしたかと思うと病室のドアが静かにひらく

2人が振り向くとヒチョルがそこに立っていた


「おや・・ヒチョル刑事・・わざわざ来ていただいて

まさか・・けが人相手に事情聴取じゃないですよね」

カンインが笑顔で話しかけると

「ちげーよ」

ヒチョルは苦々しい顔をしてカンインを睨んだ


襲撃事件の時に着ていたスーツのままのヒチョルの姿に

ハンギョンは事件解決のために今まで仕事をしていたのだと気付く


「ハンギョン・・・お前・・怪我は大丈夫なのか?」

ヒチョルが小さい声で呟く


ハンギョンは突然のヒチョルの訪問に

嬉しさを隠せず小さく微笑んだ


「あっ・・俺・・用事あったんだ~また明日くるから・・・

何かあったら電話でもしてくれよ」

カンインが突然大声でそう言うと

2人に笑顔を向けて病室から出ていった




「ヒチョル・・来てくれたんだ・・ありがとう

傷はもう大丈夫です・・・」

ハンギョンの笑顔にヒチョルは安堵のため息をついた

ベットの横の椅子にすわると

「お前・・なんでヤクザなんだよ・・・」とぼそりと言った


「またその話しですか? 私はヤクザの家に生まれたので

仕方なかったんです・・・大人になってから職業選択の自由を行使しようとしてますけど」

「お前・・・実家がヤクザなのか・・・」

ヒチョルは驚いたようにハンギョンを見つめた

「俺なんか助けてくれてありがとう・・・お礼言ってなかったな」

大きな瞳でハンギョンを見つめたまま礼を言うヒチョルに

ハンギョンは甘い疼きを感じていた

「なんかお礼しないとな・・・退院したらメシでも・・・」

話し終わらないうちにヒチョルはその唇をハンギョンに奪われていた

突然の口づけにヒチョルは驚いて身動きがとれないでいる


あ・・・俺・・・この唇を知っている・・・

何度も夢の中で繰り返された口づけと同じ・・・・・


ヒチョルの身体から力が抜ける

ハンギョンはその身体をしっかりと抱きしめた


「俺は・・・ヒチョルが好きだ・・初めて会ったときから」

ヒチョルの耳元でハンギョンが囁く


ハンギョンの告白に嬉しくて心が震える自分に

ヒチョルは驚いた

そして自分もハンギョンを好きなんだと改めて実感する


「ありがとう・・・俺も・・ハンギョン・・お前を・・好き・・」

そう言うとヒチョルはハンギョンに身体を預けた


しばらく抱き合ってハンギョンは不思議な感覚を感じ

ヒチョルの顔を覗き込んだ



すーすーすー


ヒチョルはハンギョンに身体を預けたまま眠っている


驚いたハンギョンは、とりあえずヒチョルの身体を抱き上げて

ベットの自分の隣に寝かせた


「それにしても・・・いつもいつもこんな展開で・・・

とりあえず個室で良かったな」

ハンギョンはそう呟いてヒチョルの寝顔を見つめる


子供の様に無防備な寝顔に愛おしさが溢れてくる

「多分・・こんな顔を知ってるのは俺だけなんだろう」

「刑事の仕事って・・・体力勝負で大変なんだろうな・・・」


(俺も・・お前が好き・・)

睡魔に襲われながらもそう答えたヒチョル


ハンギョンは自分の隣に眠っている愛しい人と

気持ちが通じ合った嬉しさで

いつまでも寝顔を見つめ続けていた


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