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【月と子猫とハンギョン】番外編~焼きもち~


「チョル~ただいま~」

玄関でハンギョンの声がしたので

子猫のチョルは急いでリビングから玄関まで迎えに行く


今朝ハンギョンは「カンソウゲイカイだから遅くなるね」と言って

夕飯分の餌も用意して会社に行った

カンソウゲイカイって何だろうと思いながら

チョルはテレビを見ながらいい子で留守番をしていたのだった


にゃあ~(お帰りなさい)とチョルが鳴くと

「チョル~可愛いチョル~いい子にしてましたか~?」

完全に酔っ払ったハンギョンがチョルに手を伸ばしてくる


アルコールの匂いがぷんぷんするので

チョルは顔をしかめたがハンギョンはお構いなしでチョルを抱き上げる

(やっぱり臭い~!!!!)チョルは逃げようともぞもぞしてたら

ハンギョンの体から違う人の匂いを感じた

(知らないメスの匂いだ・・・)

(ウワキ?????俺以外のニンゲンのメスとウワキ????)

(ハンのバカ~!!!!!!)

チョルはショックを受けてハンギョンの顔をパンチする

酔っ払いのハンギョンはそんな事は全く気付かず廊下で眠ってしまった


翌朝廊下で眠っていたハンギョンが

「ん? なんでここで寝てたんだ?」二日酔いの頭で

ふらふらしながらシャワー室に向かった

シャワーを浴びていると顔がひりひりと痛む・・・

鏡を見ると顔に引っかき傷が出来ている


「俺・・昨夜チョルになんかしたのかな・・・」

ハンギョンはそう呟くとタオルで頭を拭きながら

チョルを探しに部屋の中を歩き回った

「チョル? 」

チョルの姿が見えない・・・ハンギョンは少し不安になりながら

出社の支度を始める

「チョル~?」

チョルはベットの中でうずくまって眠っていた

すーすーと寝息を立てている姿にほっとしながらも

時計を見て遅刻しそうだと大慌てで家を後にした





「チョル~ただいま」

ハンギョンは昨日は飲み会で帰りが遅かったからと

今日はしっかり定時であがって

チョルの好きなものを買って一緒に時間を過ごそうと思っていた

いつもなら玄関まで迎えに来るチョルが来ない


「チョル・・・・」

ハンギョンは不安になってチョルの姿を探した

チョルは今朝見た姿のままベットの中でうずくまっていた

「チョル!!!!!!!!」ハンギョンは驚いてチョルを抱き上げる

ハンギョンが何度も呼びかけてもチョルは答えない

ぐったりとして目を開けなかった

「たしか・・・近所に新しい動物病院が出来てた・・・

チョル!!!!今連れて行くから!!!!チョル~しっかりしろ!!!」


ハンギョンはチョルを大事に抱え込んで動物病院に駆け込んだ




ハンギョンの住んでいる家のすぐ近所の

「キム動物病院」は今日オープンしたばかりで

今朝出社する時に見た「猫専門」と書かれた看板が

ハンギョンの記憶に残っていたのだった


「すみません!!!!!」

ハンギョンは玄関の鍵をかけようとしていた男性を

突きとばすかのように病院の中に駆け込む


「どうしましたか?」

診察室の中から女性かと思う位の美貌の医師が顔をだした

「この子が・・この子の様子が変なんです・・見て下さい」

ハンギョンは胸に抱きしめているチョルを医師に見せた

「どれ・・」医師はチョルを受け取ると診察室に入って行く

ハンギョンは後に続こうとして受付の男性に止められた

「初診ですよね・・この書類書いて下さい」

少し強面のタトゥの男性はハンギョンを睨みつけるように言う

うわ・・・

ハンギョンはTシャツの下からのぞくタトゥにビビりながら

大人しく書類に記入を始めた



『あーあ・・すっかりダメージ受けちゃって』

チョルは自分に語りかける猫語に気付いて目を開ける

あ・・このお兄さん・・前に会った事ある・・・

『きみ・・大丈夫? ご飯食べてないんじゃないの?』

チョルは医師の優しい言葉に涙が溢れて来た

『俺・・・悲しくて悲しくて・・しんじゃうのかと思う位

すごく辛くて・・・こんな気持ち初めてで・・』

チョルの言葉を聞くと医師はふふふと笑った

『きみの大切な人は、きみしか見えてないよ・・

きみが死んだら一緒に死んじゃうかもね』

医師の言葉にチョルは驚いて

『やだ・・ハンが死んだらやだ・・・』

と大きな瞳からぽろぽろと涙をながす

『じゃあ・・きみが早く元気にならないとね』

『今から栄養剤の注射するからね・・・元気になるんだよ』




待合室で待たされていたハンギョンは

やっと医師に中に入っていいと言われた

心配しすぎて顔面蒼白になっているハンギョンの顔をみて

医師は微笑みながら優しく病状を伝える


「この子の病状は・・・『ジェラシー』ですね」

「ジェラシー?????」

診察台の上ですやすやと眠るチョルを見つめて

ハンギョンは驚いて呟き返した

「あなた・・浮気しましたか?

あなたの体から女性の匂いがしたと・・」


「え?なんであなたがそんな事・・・

女性に抱きつかれただけで何もしてません

まさか・・・チョルは・・俺が浮気したと・・」


「自分でも初めての気持ちでどうしようもなくて

悲しさのあまり死にそうだったそうですよ・・・

嫉妬の感情に驚いたんでしょうね」


チョルに雰囲気の似ている医師にハンギョンは

「あなたはチョルの言葉が分かったんですか?

チョルがそう言ったんですか?」と質問をする


医師は大きな瞳をいたずらっ子のように見開いて

「あの子はあなたを凄く愛してます・・

でもまだ子供だから知らない事も多いでしょう

ちゃんと見守ってあげないと、

今回のように悲しみに押しつぶされて

もしかしたら死んでしまうかもしれませんよ」

優しく微笑みながらハンギョンに言った


ハンギョンは力強く頷くと

「チョルを悲しませることはしません

もう大丈夫です」と答える

「それより貴方は・・・何者なんですか?」

ハンギョンの質問に

「私はただの猫語のわかる猫専門の獣医です」

医師はその誰もを魅了させる微笑みで答えた



クスリで眠っているチョルを大事そうに胸に抱えて

ハンギョンは何度もお礼を言いながら家に帰って行った





その後ろ姿を見守りながら受付の男性が医師に言う

「あの子は・・いつ頃人間になれるんだろう・・

ヒチョル・・お前はどうだった?」

ヒチョルと呼ばれた医師は少し考えて

「忘れた・・コンヒお前はいつキツネから人間になった?」

と反対に質問を返す

「俺も覚えてないな・・・

あの人たちは姿形に関係なく本当に魂で繋がってるね・・・

神様は気紛れだからなぁ・・・早く人間にしてあげたいね」


コンヒと呼ばれた男性はそう言うとヒチョルの方をむいて

「すっかり遅れたけど店じまいだね」と笑った


「今日一日だけの・・あの子だけのためのオープンだからな

そこはキツネのお前の技の見せどころだったろう」とヒチョルも笑う


「さて綺麗な人間のお姉ちゃんのいるとこで

美味しいお酒でも飲みに行こうかね~」

2人はそう言うと楽しそうに笑いあった



翌日・・・キム動物病院のあった場所がただの空き地になっているのを見て

ハンギョンは腰を抜かすほど驚いたのだった・・・

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