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 SJ創作話

【月と子猫とハンギョン】 Last

遊園地ではしゃぎすぎたのかチョルは帰りにはぐったりしていた

慣れない二本足で歩き・・・靴まではいて・・・・

ハンギョンはチョルをおんぶして帰宅している

「ハン・・・みんな見てるよ・・・恥ずかしいから降ろしてよ」

ハンギョンは背中にチョルの重みを感じて嬉しかった

愛おしさが募ってくる・・・・

そのうち背中のチョルは大人しくなった


ん?

首筋に冷たいものがかかる・・・チョルは泣いているらしい・・・

「俺・・ずっと・・ハンといたい・・・俺・・・ハンに話してない事あるんだ」

「うん・・・家に着いたら聞くよ・・・疲れただろう・・・」





家に着いてもチョルはハンギョンの背中にへばりついたまま離れない・・・

「チョル・・・話って何???こっちにおいで・・・」

背中のチョルを剥がして自分の胸に抱く・・・チョルはなかなか話出さない・・・

チョルはハンギョンに優しく見つめられ重い口をやっと開いた・・・

「俺・・・ハンともう一緒にいられない・・・時間ないんだ・・・」

「え? 猫の姿に戻るって事?」

驚いてハンギョンが尋ねるとチョルは違うと首を振った・・・

「あのさ・・・ハン・・・公園で猫の死体見つけて埋めたの覚えてる?」

「ああ・・・とても可哀そうな姿だったから・・・・って・・・まさか・・・」

「うん・・・あれ・・・俺・・・俺死んでるの・・・」

「・・・・・・・・・」

「神様にもらったおまけの時間が一カ月だったんだ・・・だから今日で終わり」

「あの死んだ猫は・・・首輪にチョルって名前があった・・・」

「うん・・・俺・・・チョルなの・・ハンが俺の名前覚えててくれて嬉しかった」

「もしかして・・・公園でいつも俺の話を聞いていた野良猫って・・・」

チョルは大きな瞳から涙をぽろぽろ流しながら

「うん・・・それ・・俺・・・」

ハンギョンは信じられないという顔でチョルを見つめる

チョルはそのまま話を続けた

「俺・・・公園に突然捨てられたんだ・・いい家で飼われてたんだけど・・

だから捨てられてどうやって生きて行けばいいのか分からない位・・

何もできない奴だったんだ・・・・

あちこちで縄張りあって・・・食べるものも手に入れられなくて

もうこのまま腹へって死ぬんだって思ってた時に・・・あんたが声をかけてきた」

「肉まんだった・・自分で食べていた肉まんを手でちぎって俺の口元に・・・

俺びっくりしてたら・・・毒なんて入ってないぞ~って自分で食べて見せて・・・

新しく手でちぎって俺に食わせてくれた・・・」

ハンギョンは思い出した

公園で物思いにふけっていると必ずやってきた野良猫の事を・・・

肉まんから始まって・・・コンビニのおでんやいろんなものを一緒に食べた

話しかけるといつも黙ってハンギョンの顔を見つめていた野良猫・・・

「俺・・・お兄さん・・ハンをお兄さんって呼んでたんだ・・・

お兄さんと公園で会うのが楽しみになってたんだ・・・

俺に話しかけなくても公園でお兄さんの姿見ているだけで・・・嬉しかった」

ハンギョンの胸が痛んだ・・・

「ある日・・動物保護のなんとかっていうオバサンがきて・・・俺を捕まえて

あんたは美人さんだから・・里親を見つけてあげるって・・・」

「でも公園から連れて行かれると・・もうお兄さんに会えなくなるって思ったら

俺・・いつの間にか檻から逃げ出していたんだ・・・・」

「公園を目指して走って走って走って・・・・・公園に着いた途端に車に轢かれた・・・」

ハンギョンはチョルを強く抱きしめる・・・チョルは話を続ける

「気付いたら目の前にぐちゃぐちゃになった俺の体があった・・・俺・・魂だけになってた

美人って呼ばれていた俺は轢かれてぐちゃぐちゃ・・・みんな汚いって避けて歩いてた

そんな時に・・・お兄さんが・・・可哀そうにって・・・俺のぐちゃぐちゃな体を抱き上げて

嫌な顔しないで・・・公園に埋めてくれた・・・」

「俺・・・大好きなお兄さんに・・・そんな事してもらって・・・」

「だから神様にお願いしたんだ・・・お兄さんに最後もう一度会いたいから・・・

ニンゲンにして下さいって・・・神様は俺の頼みを聞いてくれて一カ月だけ時間くれた」

チョルを強く抱きしめながらハンギョンの瞳から涙があふれ出てくる

「お前・・・あんな頃から俺の事・・・」

「うん・・・だからニンゲンの姿になってあのお兄さんと一緒に住んでるんだと思うと・・・

毎日嬉しくて楽しくてたまらなかった・・・・ハンが俺を好きになってくれて

キスされた時は本当にそのまま死んでもいいって思った・・・・死んでるんだけどね」

チョルは苦笑いしながらハンギョンの眼を見つめて言う

「ありがとう・・・俺・・すごく嬉しかった・・ハンと離れたくないけど・・・

今度・・・絶対に・・・ニンゲンのメスに生まれてくるから・・・そうしたら・・・」

「そうしたら?」

「俺と結婚してくれる? ハンとの子供たくさん産んで家族になるんだ・・・」

ハンギョンは涙が止まらない・・・こいつはここまで俺を愛してくれているんだ

チョルは初めて自分からハンギョンにニンゲンのキスをした

静かに・・・でも思いのたけを込めて唇を重ねる・・・・

「絶対に・・俺を探してね・・・約束だよ・・・」

「ああ・・・大丈夫だ・・・どんな姿になっていてもチョルの事は分かるから」

ハンギョンはチョルの魂を見つける事が出来ると確信していた

人間を愛してしまった猫と、猫を愛してしまった人間・・・・

チョルの頭をなでながらハンギョンは「愛しているよ・・・いつまでも・・

必ず・・・必ず・・・見つけ出して見せるから」

「うん・・・」

チョルの姿がだんだん薄くなってくる・・・


あ・・・・


「ありがとう・・・ハン・・・必ず俺を見つけてね・・・」



最後は泣き笑いの顔をして・・・チョルは逝ってしまった・・・


今まで腕の中にあった重みも温もりも消えてしまった・・・

チョルが着ていた洋服だけがハンギョンの腕の中に残された

「チョル・・・・」

残された服に顔をうずめてハンギョンはあふれ出る涙をとめる事が出来なかった

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