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[Eternal] 孤高の都市 8

エリックは椅子に座ってコーヒーを一口飲みながら

ヒチョルにぽつりぽつりと思い出話をし始めた




あいつと初めて会ったのは

まだ貴族とか王様とかのいる時代だった

人々は今よりも生きる力がみなぎって

きらきらとしていて眩しくも羨ましく感じていたんだ


あいつはとても美しい乙女だった

花を売って生計を立てていて病気がちの母親を抱えていた


どんなに辛くてもいつも笑顔を絶やすことなく

綺麗な声で歌を歌っていたっけ・・・


俺は一目ぼれだった

人間を好きになるなんて初めての事だった

あいつも俺を好きになってくれて

俺たちは結婚して幸せな時間を過ごしていた・・・

でもあいつは神への信仰心が強く

俺の一族には加えられなかった


最期の時に「生まれ変わったらまた貴方の妻になりたい」

そういってくれたのを心の支えにして

俺はずっと世界中を旅しながら

あいつが生まれ変わってくるのを待っていた



長かった・・・


でもあいつの魂を見つける事ができたんだ

お互いに愛し合った魂は感じることができるんだよ


でも

今度は

あいつは男に生まれ変わっていた


ヒチョル・・・生まれ変わるって残酷だな

あいつの魂は一緒なのに

俺との思い出はすべてリセットされている・・・それに

今度は男として生まれ変わってきていた


あいつは役者だった

舞台で女性の役もするような美しさだった


妻だった時のあいつと顔は違うのに・・・まとっている雰囲気は同じなんだ


当時の役者は男でもパトロンがいて抱かれたりして

男同士だからというタブー感はなかった


俺たちは磁石が引き寄せられるように

お互いに魅かれ始めていたんだ・・・・

そして愛し合って今度こそ一族に加えて

一緒に生きて行こうと・・・そう思っていた矢先

あいつは別れ話のもつれでパトロンの男に刺殺された


俺が現場に着いた時はもう息がなく・・・あいつは逝ってしまった後だった



しばらく生きていくのが辛かったけど

次の生まれ変わりを信じてずっと待っていた




そしてかなりの時間一人で過ごしていたが

またあいつの魂に出会うことができたんだ



俺たちの一族は神に忌み嫌われる存在だけど

さすがにその時は神に感謝したよ


世界中が巻き込まれてた戦争が終わりかけた時に

俺はヘソンと出会った


俺の妻だったウンソク

次に愛し合ったスンヒョン

そしてヘソン


同じ魂を持っているのにまったく別の個性を持ってる

生まれ変わりだから仕方ないのだけど

俺はヘソンには驚かされてばかりだった


あいつは俺と出会って何かを感じたんだろう

向こうから積極的に近づいてきて

あっと言う間に友達になった


でもそこからが長かったな

同性という事であいつは俺を恋愛対象から外していた

でも今まで愛し合っていたという魂の記憶があって

自分でもどうしたら良いか混乱していたんだ


前回突然に逝かれてしまったので

俺も今回はどうしても一族に加えたいと思っていて

なんとかして俺の事を愛してもらえるように頑張ったよ


どうやって友達から恋人になったのかって?

そうだな気になるよな

すぐそばにいて触れられる位のヘソンに

俺が我慢できなかったんだ


突然あいつの唇を奪った


初めての口づけの後

あいつは泣きながらずっと俺を待っていたと言うんだ

自分でも分からないけど

子供のころから大人になったら

自分を迎えにきてくれる人がいて

それは恋人だって感じていて

夢もたくさん見たと言っていた


夢の内容をきくと

ウンソクの頃の思い出だったり

スンヒョンの頃の思い出だったり・・・


ヘソンの魂は俺と愛し合った記憶が深く刻まれていたんだ



もう離れられない

俺はそう思うとヘソンに全てを打ち明けて

一族に加えることにした


その時あいつは何て言ったと思う?

ヒチョルお前じゃ絶対に言わないだろうな



ウンソクだかスンヒョンだか知らないけど

俺はヘソンだから・・・

エリックはヘソンである俺だけを愛してくれないと嫌だって


俺を通して昔を懐かしむな

エリックには残酷かもしれないけど

俺は昔の思い出なんかないんだから

ってはっきり言われたよ




ヒチョルからみて

俺は完全に尻に敷かれているように見えるだろう

仕方ないんだ

ずっとずっとずっと待っていたんだ

やっと生涯を共にできるまで来たんだ

今度は俺たちは死ぬまでずっと一緒だ・・・





ヒチョルの瞳から涙が流れる



この人は愛する人の魂を探して

一人で生きてきたんだ

そしてやっと出会うことができた


俺が発作がおきて

あの時死んでしまったら

ハンギョンは俺の魂を探してくれたんだろうか

でも生まれ変わった俺は

あの時ハンギョンと過ごした二人の時間を

リセットされているんだ・・・・



ヒチョルはそう思うと

ハンギョンと出会えて愛し合えて

仲間になれて幸せだと感じていた


「エリック・・・大変だったんだね・・・

ヘソンさんのあの態度・・エリックさんが

自分の知らない自分に奪われるのが怖いからなんだね」


「お前もそう思うか? あいつの我儘放題を今では可愛く思える

もう俺にとってはウンソクもスンヒョンも過去の思い出だ」


ヒチョルは涙を手の甲でぬぐうと

「クリスマス・・・神に嫌われている俺たちだけど・・・

厳かな夜に愛する人が戻ってきてくれるといいね・・・・・」

笑顔を作りながらエリックに向かって言った



「ハンギョンの性格が変わったのはヒチョルのおかげだな

あいつは昔は気難しくて大変だったんだぞ・・・・

ヒチョルも苦労するな」

エリックはそう言うとにっこりほほ笑む



外は雪が舞っていて冬将軍がそこまで来ている

生徒たちのクリスマス会は2日後に迫っていた
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