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2013.11.24 悪い男 3
[나쁜 남자 悪い男] 3


神父の前で新郎新婦が誓いの言葉を述べようとしたまさにその時

突然後方の扉が乱暴にあけられた


「この結婚は認めない!!!!!リンリーは俺のものだ!!!!」


大学生風の男性が大声で怒鳴りながらバージンロードを走っていく


参列者はみんなこの男性の出現に驚きを隠せず

教会の中はざわざわと騒がしくなった



ハンギョンの横にいた新婦はその男性に腕を掴まれて

「ごめんなさい」という台詞を残して

その場から一緒に走り去ってしまった



挙式はテレビ中継が入っていたので

この様子は生放送で中国全土に流された


あまりにも突然の出来事で

周囲の人々はあっけにとられて何が起きたのか把握できない

そんな状況だった


新婦を強奪されたハンギョンはポカンとした顔でフリーズ状態

それから我に返って頭を抱えるという誰もが同情できる可愛そうな姿


新婦の親である財閥の社長は大いに憤慨して

周囲の者たちを怒鳴り散らしその場の体裁を繕うとしていた


参列者たちはテレビ中継が入っている事に気づいて

なんとか世間体を保とうとしている


「結婚式は中止だ!!!!申し訳ないがみんな帰ってくれ」

新婦の父はそう大声で叫ぶとハンギョンがその言葉を制した


「みなさん・・申し訳ありません・・僕のいたらなさから

こんな恥ずかしい事になってしまいました。

みなさんの貴重なお時間を割いて参列していただいたのに・・・」

ここまで言って辛そうな顔して少し間をあけ

「もちろん挙式は中止です・・・彼女との結婚は白紙にさせてもらいます

ただ・・・この後の披露宴用にホテル側が用意した料理がすべて無駄になってしまいます

参列されたみなさん・・・どうかホテルの食事だけでも食べて行ってください

それが僕からみなさんへのせめてのお詫びの形とさせてください・・」


そこまで言うと頭を抱え

「僕は今何がどうなってたのか・・・何でこんなことが起きたのか

少し冷静に考えたいと思っています・・・しばらくひとりにしてください」


妻を間男にとられた状態のハンギョンに周囲の人々は大いに同情していた

テレビ中継を見た人々もみんなハンギョンに同情するしかない状況に見えた



教会の後ろに座っているただ一人を除いては・・・・


ヒチョルは、昔イェソンが宿舎で見ていた映画のワンシーンを思い出していた

あの映画も結婚式に花嫁を強奪するシーンがあったっけ・・・

そんな風に感じながらハンギョンを気遣って彼の方を見ていたヒチョルは


「あいつ・・笑った・・」

新婦を強奪されて悲壮感漂うハンギョンが周囲から顔を隠す瞬間

ヒチョルはハンギョンがニヤリと笑ったのを見たのだった


本当にその一瞬だけで

すぐに気の毒な可愛そうな哀れな男の姿に戻っていた


なんなんだ・・今の笑いは・・・

ヒチョルは胸にモヤモヤするものを抱えながらその場に座っていると

会場の係員からホテルの披露宴会場に移動して

食事をとってほしいとアナウンスがあった


周囲の人々はせっかくのクンの好意だから

最高級ディナーを食べて帰ろうとゾロゾロと移動を始める


「キミチョル・・・君も参列していたんだね」

ハンギョンの親戚と一緒に前の席に参列していた日本人が

ヒチョルに気づいて声をかけてきた


こいつは・・・ハンギョンの親友の・・クニオだ・・・

ヒチョルは顔をあげるとクニオに対してうなずいた

以前数回あいさつ程度を交わしたことがあった

クニオは自分達の事をどこまで知っているのか・・・

ヒチョルにはわからないけど、韓国の親友の一人として認識されていると感じていた


「今だから言うけど・・あいつこの結婚に乗り気じゃなかったんだ」

「え?」

「どうしても断り切れない理由があって結婚を決意したんだよ・・聞いてない?」

「俺には・・・楽しそうに結婚が決まったって・・言いやがった」

「財閥の娘も政略結婚に抵抗していたんだけどね・・相手がクンだとわかった途端に

恋人を捨てて結婚する気になったみたいなんだよ・・」

「・・・・・・・」

「でも結局こんな結果になってしまった・・・クンはかなり恥をかかされたな」


黙って聞いていたヒチョルは

プライドをかなり傷つけられただろうハンギョンを気遣って

「ハンギョンは? 大丈夫なの?」クニオに問いかけた


クニオはヒチョルに優しくほほ笑むと

「今ホテルの部屋で一人でいるよ・・・心配?」と言った


「当たり前だろう!!!!あいつはプライドだけは高かったんだ

こんな状況で・・かなり辛いだろうに・・・」

ヒチョルの言葉を聞いてクニオはハンギョンの両親に何かを言いに行った


ハンギョン・・・これくらいの事で死ぬ事はないだろうけど・・・

面目丸つぶれだもんな・・・大丈夫かな・・・


ヒチョルがハンギョンを心配して下唇をぎゅっと噛む


「ホテルの最上階のスウィートにいるって・・キミチョル」

クニオが戻ってきてヒチョルに伝える

「え?」

「いまこの状況下で・・・クンを救えるのは君しかいないよ」

「・・・・・」

「クンのそばにいてあげてくれ」

「なんで・・・俺が・・・クニオだって一番近い親友だろう?」

ヒチョルの言葉にクニオは小さく笑った


「クンが一番会いたがってるのは・・キミチョル・・君なんだよ」






ヒチョルはスウィートに向かうエレベーターの中で

解せない気分で今までの経緯を考え直していた

ハンギョンの結婚が白紙になったことは喜ばしいけど

簡単に新婦を手渡してしまった事や

料理を食べて行ってほしいとコメントした事

そして自分には楽しそうに結婚の事を話していたのに

本当は結婚したくなかったという事実



何よりもあの一瞬見せた笑い顔がヒチョルの脳裏から離れない


「何なんだよ・・・今日のこの結婚式って!!!!!」



ヒチョルはすっきりしない顔でスウィートルームの呼び鈴を鳴らした
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