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2013.12.31 桃源郷 9
[桃源郷] 9


「トゥギ兄さん~ヒチョル兄さんが滞在しているホテルが分かったって!!!!」

北京のカポックホテルのロビーのソファーで

イトゥクとリョウクが座っているとカンインが大声を出しながら走ってきた

「ミーミオンニが弟さんと連絡とれたんですか?」

リョウクが心配そうな顔をして尋ねると

「チョウミがハンギョン兄さんの友達の日本人と接触できて聞いたらしい」


「どこのホテル?」

イトゥクはカンインに必死に縋り付きながら問いただす


「ジ エンペラーに部屋をとってもらってるそうだ・・・」


「昨日火葬したんでしょ? ヒチョル兄さん大丈夫かな・・・」

リョウクが泣きそうな顔で聞いてくる


「とにかくエンペラーに今から行くから!!!!ヒチョルを何としても止めなくちゃ・・」

「トゥギ兄さん・・他のメンバーももうすぐ北京に到着するそうです」

「ヨンウンとにかくエンペラーに集合って言っておいて!!!!!!」

そう言い残すとイトゥクはタクシーを拾うために玄関に走って行った











「俺・・・泣き死ぬかと思ったのに生きている・・・」

ヒチョルはベットで目を覚ましてぼんやりと天井を見つめていた

あれだけ泣いて涙も枯れ果てたと思っても・・・まだ涙は出てくるんだな

ハンギョンの事を思い出すとまた涙があふれ出てくる


『ヒチョル・・約束まもってね』

ハンギョンの最期の声がよみがえってきた

「とりあえずシャワーだな」





ジ エンペラーホテルは五つ星の付く北京でも最高級のホテルである

そのロビーで、昔飛ぶ鳥を落とす勢いを中国でも誇っていた

SJのメンバーが勢ぞろいしているのだ

もう従業員も客も興奮して大騒ぎだった

「全くこの人たちはこのホテル予約していないのに・・・」

フロント係長のワンリーが小さく毒ついて

なんとかこの状況を収めようと試行錯誤をしていた

どうしてもロビーにいたいというイトゥク達に

一階のレストランの個室をあてがって全員を押し込んだ

「やれやれ・・・」ほっと胸をなでおろすワンリーをよそに

個室に追いやられたSJメンバーは蜂の巣を突いたような大騒ぎをしていた

「ヒチョル兄さんはまだ生きてるの?」

「さっきから電話してもつながらないよ」

「わーんヒチョル兄さん死んじゃ嫌だよ~」

「ドンヘうるさい」

「わーんヒョクに怒られた~」

「多分ホテルでは死なないと思う・・」

キボムがぽつりとつぶやいた

全員がその言葉に反応する

「ヒチョルの事だから・・迷惑のかからない方法で死ぬつもりだよ」

イトゥクが涙でぐちゃぐちゃの顔をみんなに向けながら言った


確かにそうだな・・・

メンバーはみんな納得をする

そんな大騒ぎをよそに

リョウクが静かにメールを打っていた





ヒチョルはシャワーを浴びた後に

ずっと電源を切ったままのスマホを手にして

何気なく電源を入れる



げっ!!!!!!!


鬼のような留守電の数が登録されていた

ほとんどがイトゥクで後はメンバー

恐る恐るその中の一つを再生すると・・・


「ヒチョル~ヒチョル~お願いだから連絡ちょうだい~」


うわっ!!!!!

涙でぐちゃぐちゃのイトゥクの顔が浮かび上がった

他の留守電もみんな似たような内容で

ほとんどなきじゃくったイトゥクのものだった


そんな中一番新しいメールの着信に気づいてヒチョルはメールをひらく


「ヒチョル兄さん・・大丈夫ですか・・今僕たちは兄さんの泊まっている

ホテルの一階のレストランに集合しています・・・トゥギ兄さんは泣きすぎて

眼がはれてすごく変な顔になっています・・・これ以上トゥギ兄さんを変な顔に

しないためにも降りてきて僕たちに会ってください リョウクより」


リョウク・・・・あいつら・・・・

ヒチョルはクスっと笑うと急いで身支度をすませた


みんなの思いが身につまされる・・・鼻の奥がツンとしてきて涙が出そうになった



「ハンギョン・・・俺大丈夫だよ・・お前と約束したもんな

それにあいつらが俺にはいるもんな・・・」


ヒチョルはそう呟くと荷物を持って部屋を出て

フロントに向かうためにエレベーターに乗り込んだ
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