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[magician] ~ハンギョンside~


ハンギョンは魔法使いだった

中世時代に魔女狩りなど自分達の一族が人間によって疎外され始め

人前で魔法を使うことはタブーとなり

ハンギョンの世代になると人間界で目立つことなく

「魔術師」としてタネも仕掛けもない手品を見せて日銭を稼いでいた


あるとき小さな町にハンギョンが属するサーカス団がやってきた

テントを張ったりして会場を設置している間

ハンギョンは暇だったので町中を散策する事にした


あまり裕福ではなさそうな人々が

肩を寄せ合って生活しているような長屋の前を通りかかったとき

ハンギョンの眼にとまったものがあった


汚い姿の少年が玄関の前でしゃがみこんでいる


なかなかの美形じゃないか・・・もったいないな・・・



しばらく観察していると同じような歳の男の子が

声をかけて二人で家の中に入っていった



悲しそうな瞳でしゃがみこんでいた少年の姿が

しばらくハンギョンの頭から離れなかった



あの子・・・まだ小さいな・・・残念だけど・・



サーカス団の公演日

一番前にこの間の少年の姿があった



ハンギョンは胴体切断のパフォーマンスの時にヒチョルを指名した


近くで見ると本当に綺麗な顔をしている


このまま帰すのはもったいないな・・と心の中でこっそりと思う

ヒチョルはハンギョンの好みのタイプだったのだ


ヒチョルの指に自分の物という印をつけて、この時は帰すことにした




それからヒチョルの夢にハンギョンが現れるようになった

楽しいことや悲しいことがあったとき

必ず夢に現れてヒチョルの心を慰めてくれる

ハンギョンは10年間の時をかけて

ゆっくりと「恋の魔法」をかけていた



ヒチョルが17歳になったとき

もう時は十分に満ちたとハンギョンは判断し

再度ヒチョルの住む町に公演に行った



10年前と同じにヒチョルは一番前の席に座っていた


舞台に上がったときにハンギョンは耳元でささやく

「もう十分待ったんだ・・迎えに来たよ

私と一緒に行ってくれるね」


ヒチョルはハンギョンの瞳を見て恥ずかしそうにうなずいた

ハンギョンがかけた恋の魔法はしっかりヒチョルの心にかかっていたのだ

そしてハンギョンは自分でかけた魔法に自分もかかってしまっていた






「ハンギョン・・・どうしたの? 眠れないの?」

愛し合った余韻に浸りながら

ヒチョルがハンギョンの胸に頭を乗せたまま聞いてくる


「ん? ヒチョルと初めて会った頃を思い出してたんだよ」

今にも蕩けてしまいそうな瞳でハンギョンはヒチョルを見つめる

髪をやさしくなでられながらヒチョルはつぶやく

「ハンギョンは夢で俺に会いに来てくれた・・・

俺は夢でお前に会うのが楽しみだった・・

そしていつの間にか好きになっていたんだ」

「私は君に一目ぼれだったんだよ」

「あのガキの頃の俺に? お前ロリコンだったのか?」

ヒチョルの悪態にフフフと小さく笑ったハンギョンは

「10年待っただろう? 10年かけて君に好きになってもらえて良かった」とささやく

ハンギョンの胸にしがみつくと

「あれから俺の歳はとまってしまった・・お前は本当のmagicianだったんだな」

「これからも止まったままだよ・・・そしてずっと一緒さ」


ヒチョルは今幸福感に満ちていた

愛する人に愛してもらえる・・・そんな事でも最高に幸せだ



「イトゥク・・・」

ヒチョルは小さいときから自分を気にかけてくれた友達の名前を呟いた



イトゥク・・・

お前は今何をしているの?

あのまま別れてしまったけれど・・・俺は今幸せなんだ



ヒチョルの瞳から涙が流れる


ハンギョンはすべてを分かったようにヒチョルを優しく抱きしめた






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