FC2ブログ
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
[湖畔の囚われ人]4


ハンギョンはヒチョルが捕えられている湖を見つめながら

ぼんやりと考え事をしていた

人間の世界での200年なんて神のいる天上界ではそれほどの時間ではなかった

しかし毎日のように愛し合っていた2人の仲が引き裂かれるのは

心臓の半分をもぎ取られる位つらいものだった


ハンギョンは初めて天帝の意に反して流血事件を起こし

腹心の部下の命を断った


しかし天帝はハンギョンの心中を案じてくれて蟄居という処分を下した

ハンギョンの今までの将軍職は強将校が代行してくれている



「俺は・・・人間界が崩壊してでもお前をそこから救い出したい

しかし天帝がそれを望まないから我慢している・・・どのくらい待てばいいんだ」



ハンギョン・・・


ヒチョルの笑顔が浮かぶ

初めて会った天帝の誕生祝の席で見せた

ハンギョンが一目ぼれをした笑顔だった


ハンギョンは思わず手を伸ばしたが

そこには何もない空虚さだけが広がっていた




「村長!!!!!あの湖の見える丘全体を買いたいという話はどうなりました?」

「都会の超金持ちがあそこにリゾートホテルを建てるという話だったな

明日にでも計画書をもってくるそうだ」

村長と村の出納課長がひそひそと話をしながら崖に向かって歩いてきている

「あの丘全体は村の所有で良かったんですよね・・・私は行ったことないんです」

「ああ・・・昔からあそこは立ち入り禁止だったな・・・数年前に飛び降り自殺もあったし・・」

村長は首を傾げながらも早足で崖に向かっている



人の気配を感じてハンギョンは近くの木の上に体を移した


いつの間にかキボムが横に戻ってきている



「村長~こんな所に何かありますよ」

「なんだこれ?」

村長と出納課長が朽ちかけた祠の前に立ち止まる



人間の様子を伺っていたハンギョンが何かに気づき

隣にいるキボムの顔を見つめると

キボムがニコリとほほ笑んだ

「天帝が立ち入れない人間と神との契約を打ち切るには

契約者の人間に破棄してもらうのが一番なんですよ」

キボムの言葉にハンギョンは息を飲み込んだ

(お前・・・人間に何か吹き込んだな・・)





「不動産屋って明日見に来るんですよね~」

「なんか小汚いなぁ・・・なんだこれ・・・」


ガタン

出納課長が祠を軽く触ると少しくずれた


「これ壊れてるぞ・・・」

ガラガラガラ

村長が足で突くと祠は音を立てて崩れ落ちた



パキーン!!!!!!!!


祠の崩壊によってその場の磁場が急に変わったように強い風が吹き始めた

ハンギョンの体が全身鳥肌がたつような感覚に襲われる

「キボム・・・」

「ハンギョン様・・・結界がたった今消滅しました」

ハンギョンがキボムの顔を見てニヤリと笑う

「ヒチョル・・・今行く・・・」










パキーン!!!!!!!!

ヒチョルの館でもみんなが異変を感じた

人間界の様子が見れた洗盤が割れて

館の中を風が吹き荒れて来た


「ヒチョル~これって結界が破れたんじゃないの????」

イトゥクがおろおろと心配そうに歩き回る

ソンミンとリョウクも不安そうに2人で抱き合っていた



ヒチョルは瞳を閉じて意識を集中し始めた


「どうやら破れたんじゃなくて・・・結界が消滅したようだ」

「え?」

「俺の封じ込められていた力が・・・この体に戻ってきている」


ヒチョルの瞳が金色に輝き始めた

初めて見るソンミンは驚愕で息をのむ


「人間が契約を破棄したんだわ・・・結界がなくなれば

天上界に戻れるわよ」

チョウミが嬉しそうに呟く





「ヒチョル~!!!!!!!!」

ヒチョルは自分を呼ぶ愛しい人の声を聴いてすべてを思い出した


「ハンギョン~!!!!!」


ヒチョルは両手を上げて力をためて館の天井を吹き飛ばす


ヒチョルの姿は美しい白い龍となって天上へと伸びていく


空の上では銀色の鱗の美しい大きな龍が待っていた



会いたかった・・・・


2体の龍は寄り添うように天上界へ上昇していく



龍の上昇に伴い激しい雷雨が人間界を襲った


「さあ私たちも天上界へ戻るわよ~リョウク!!!ソンミンをお願いね」

チョウミがそういうと自分も龍の姿になって天へ昇って行く

「チョウミ~俺も連れて行ってよ~」

イトゥクが白蛇の姿に戻るとチョウミの腕に絡まって同乗する


「ミミちゃん・・僕も変化するから驚かないでね・・・

ちゃんと捕まっててね」


ソンミンは小柄な龍に抱えられて天上界にむかって上昇していった


村の方を見ると雷雨で凄いことになっていた

そして

自分達が湖から飛び立つとともに

湖の水がすべて上昇していく


湖の水がすべてなくなっちゃう・・・ソンミンはそんな事を思った















長年の水不足から竜神と氏神契約をして

200年の間豊富な水を手に入れることが出来た村人たちも

いつの間にか竜神を祭ることを忘れてしまい

自らの手で祠を破壊してしまう事となった

そのことで契約は破棄され

湖の底に封じ込まれていた美しい龍は

愛する人の待つ天上界に帰ることが出来た



豊かな水で潤っていた村は

今では全く水のない荒れ果てた地になってしまった


スポンサーサイト
Secret

TrackBackURL
→http://soubun485.blog119.fc2.com/tb.php/511-dee9cc74

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。